Midjourneyの商用利用の範囲や料金プラン!注意したい著作権も解説

Midjourneyで生成した画像を商用利用したい方へ。この記事では、Midjourneyにおける商用利用の範囲や料金プラン、注意すべき著作権リスクをわかりやすく解説します。

Midjourneyは全プランで商用利用が可能ですが、用途や規模に応じたプラン選びが重要で、特に年商100万ドル以上の場合には注意が必要です。

商用利用に関する具体例やトラブル回避のポイントも紹介しますので、安心してMidjourneyを活用したいすべての方に役立つ内容です。

目次

Midjourneyの商用利用|料金プラン一覧

Midjourneyは、画像生成AIの中でも非常に高品質なビジュアルを出力できるサービスとして注目されています。

Midjourneyについては以下の記事で紹介しています。

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現在はすべてのプランで商用利用が可能ですが、選ぶプランによって利用可能なGPU時間や機能が異なり、商用目的での最適な選択が求められます。

プラン別料金とGPU時間の比較(Basic/Standard/Pro/Mega)

Midjourneyの有料プランは4種類あり、以下のような特徴があります。

スクロールできます
項目BasicStandardProMega
月額$10$30$60$120
年額$96
($8/月)
$288
($24/月)
$576
($48/月)
$1,152
($96/月)
GPU時間(Fast)約3.3時間/月約15時間/月
(+Relaxモード
約30時間/月
(+Relaxモード
約60時間/月
(+Relaxモード
商用利用
その他の特徴並列生成可
画像やプロンプトが公開
並列生成可
商用画質対応のアップスケールが可
プロンプトと画像の非公開が可
(Stealthモード)
法人向け
大規模商用に適した高出力プラン

Stealthモード利用可
上位プランでは下位プランの機能をすべて含みます

GPU時間(Fastモード)では、1時間あたり約60枚の画像生成が可能で、Proプランなら月に約1,800枚の高品質な画像制作が見込めます。

さらにBasicプランを除いては、Relaxモードを活用できます。このモードでは即時性を求めない大量の画像生成を時間制限なく行えるため、商用での継続的な素材制作に最適です。

商用利用の視点で選ぶならどのプラン?

基本的にすべてのプランで商用利用は可能ですが、Midjourneyの利用規約では「年商が100万ドル(約1.5億円)を超える場合は、Proプラン以上の契約が必要」と定められています。

If you are a company or any employee of a company with more than $1,000,000 USD a year in revenue, you must be subscribed to a “Pro” or “Mega” plan to own Your Assets.

「年間売上が100万ドルを超える企業またはその従業員の場合、資産の所有権を得るには「Pro」または「Mega」プランに加入する必要があります。」

出典:Midjourney | Terms of Service

そのため、法人や一定規模の事業者はProプラン以上を選択するのが前提です。

また、Pro以上で使える「Stealthモード」によりプロンプトや画像を非公開にできる点も、オリジナル性が求められる商用利用では重要なポイントです。

汎用的なバナーや見出しなどの素材制作では必ずしもStealthモードの利用が必要とは限りませんが、オリジナルキャラクターや限定商品のデザインなど、競合他社との差別化や権利保護が重要な場合にはStealthモードの活用が特に推奨されます。

Midjourney|商用利用の範囲を具体例で解説

Midjourneyで生成した画像の商用利用は、個人から法人まで広く可能です。

ただし、用途によってはMidjourneyの規約や利用ガイドラインに抵触する恐れもあるため、注意が必要になります。

画像販売/NFT/印刷物/Web利用などの活用例

スクロールできます
利用ケース商用利用の可否補足事項
ECサイトの商品画像一般的な活用範囲。著作権クリアなものに限る
書籍・漫画の表紙デザインキャラクターの著作権侵害に注意
グッズ・ポスター印刷原作キャラクターに類似しないこと
NFTアート作品の販売著作権類似性や契約上のNFT制限に注意
SNS/Web用素材Stealthモードでの保護推奨
有名キャラクター風の画像避けるべき著作権侵害の恐れあり
過激・性的・差別的表現不可Midjourney利用規約違反

Midjourneyの利用ガイドラインで特に商用利用に大きくかかわる項目は、SFW(Safe For Work)ポリシーと、自動化や非正規アプリの禁止です。

SFW content only
「すべてのコンテンツは職場で閲覧できる健全な内容(SFW)である必要があります。」

出典:Community Guidelines

商用利用(特に広告、販促物、出版物など)では「SFW」の基準を満たすことが重要であり、Midjourneyのコンテンツ制限に抵触しないよう注意が必要です。

たとえば、過激・性的・差別的なものについては、生成そのものが利用規約違反になります。

Unauthorized automation & third party apps are not allowed
「未承認の自動化やサードパーティ製アプリの使用は禁止されています。」

出典:Community Guidelines

商用スケールでMidjourneyを利用する場合、業務効率化のためにBot連携や自動化ツールを検討するケースがありますが、これはMidjourneyのポリシーに反する可能性があります。

商用運用ではあくまで正規の方法でのみ生成作業を行うことが必須です。

年商100万ドル以上の企業が守るべき契約ルール

先述の通り、年商100万ドルを超える事業体はPro以上のプランを契約しなければなりません。これはMidjourneyのライセンス体系上の要件であり、違反した場合には商用利用に関するライセンス違反となります。

また法人が複数人で利用する場合は、アカウントを共有せず、各メンバーに適切な契約を行わせることが推奨されています。

Midjourneyの商用利用に伴う著作権とトラブル対策

Midjourneyで生成した画像は商用利用が可能ですが、「自由に使える」からといって無制限に使って良いわけではありません。

利用規約や著作権の観点から見たとき、知らずに違反してしまうリスクや、第三者とのトラブルに巻き込まれる可能性も存在します。

本章では、Midjourneyの著作権ポリシーをもとに、生成画像の所有権やStealthモードの重要性や著作権侵害リスクの回避策など、商用利用にあたって最低限押さえておくべき注意点をまとめます。

生成画像の著作権(所有権)の扱い

Midjourneyでは、有料プランの契約者が生成した画像について、適用される法の範囲内で最大限の所有権を保有できるとされています。

Midjourneyの規約では次のように明記されています。

You own all Assets You create with the Services to the fullest extent possible under applicable law. There are some exceptions:
「本サービスを使って作成したすべての生成物について、適用される法律の範囲内で最大限の所有権を持ちます。ただし、いくつかの例外があります。」

出典:Midjourney | Terms of Service

上記に挙げられる例外の一つが、他人の画像をアップスケールした場合です。

この場合、所有権は元の作成者に帰属することが、同じく利用規約内で明記されています。

If you upscale the images of others, these images remain owned by the original creators.
「他人の画像をアップスケールした場合、それらの画像の所有権は元の作成者に帰属します。」

出典:Midjourney | Terms of Service

また、Midjourneyのガイドラインに違反するコンテンツ(例:著作権侵害に該当する画像や不適切な表現)を含む場合、生成された画像は削除・BAN等の措置対象となり、所有権の権利主張が認められない可能性があります。

さらに、一度取得した所有権は、その後にプランを解約した場合でも失効しません

Your ownership of the Assets you created persists even if in subsequent months You downgrade or cancel Your membership.
「所有権は、将来的にあなたがメンバーシップをダウングレードしたり解約しても保持されます。」

出典:Midjourney | Terms of Service

既存作品に類似した生成画像による著作権リスクと訴訟事例

2025年6月、DisneyとUniversalは、Midjourneyが著作権を侵害する生成画像を容易に作れることを理由に110ページにわたる訴状を米国で提出しました。

そこでは「ダース・ベイダー」「アイアンマン」「ヨーダ」「ミニオンズ」「シュレック」などの著名キャラクターと酷似する画像の存在が指摘され、Midjourneyを 「a bottomless pit of plagiarism(盗作の底なし穴)」と形容しています。

「ディズニー風」「ピクサー風」など、著名なスタイルを明示したプロンプトを用いて生成された画像は、たとえキャラクター名を直接使用していなくても、権利侵害のリスクがあるとされています。商用利用する場合、その責任が利用者にも及ぶ可能性があるため、十分な注意が必要です。

特に、書籍・EC・広告など商用展開の規模が大きくなるほどリスクは高まるため、既存IPに類似するプロンプトの使用を避け、生成物の利用前には第三者の権利を侵害していないか慎重に確認することが重要です。

他ユーザーの作品やプロンプトを参考にする際の注意点とリスク回避策

Midjourneyでは、他ユーザーが生成した画像やプロンプトをWebサイトやDiscord上で閲覧可能です。そのため、他者の生成物を模倣して画像を生成・販売した場合、盗用と見なされるリスクがあります。

こうしたリスクを軽減したい場合には、Proプラン以上で利用可能な「Stealthモード」の活用が有効です。Stealthモードを有効にすると、生成画像とプロンプトの両方が非公開となり、MidjourneyのWebギャラリーやDiscord上には表示されません。

ただし、Midjourneyの運営側には内部監査などの目的でアクセス権が残されており、完全な非公開とはなりません。また、生成物が既存の著作物に酷似している場合には、著作権侵害と判断される可能性があります。

商用利用においては、競合による模倣やプロンプトの流出を避けたい場合の補助的な措置としてStealthモードを活用する、というスタンスが現実的です。

日本国内における生成AI画像の著作権ガイドライン

文化庁が公表した「AIと著作権に関する考え方」では、以下のように記載されています。

IoT・ビッグデータ・人工知能(AI)等の技術を活用したイノベーションに関わる著作物の利用に係るニーズのうち、著作物の市場に大きな影響を与えないものについては、平成30年の著作権法改正により、相当程度柔軟性を確保する形で、著作物の利用の円滑化を図るべく、「柔軟な権利制限規定」が整備されました。

出典:AIと著作権について | 文化庁

生成AIによるコンテンツの著作物性は限定的とされていますが、利用者が明確な意図を持って構成・編集を行った場合には、「創作性」が認められることがあります。

たとえば、複数のプロンプトを使い分けたり、画像加工や構成調整などを加えた場合には、生成物に創作性があると扱われる可能性があるのです。

また文化庁のガイドラインでも、生成された画像が既存の著作物に酷似している場合には著作権侵害のリスクがあるとしています。特定のキャラクターや作風、構図を意図的に再現したような画像を商用利用する際は、慎重な判断が求められるでしょう。

Midjourneyのようなサービスを利用する場合、プロンプト内容や出力結果に十分注意を払う必要があります。

ただし、日本国内では現時点で生成AIと著作権に関する明確な判例は少なく、法的整理もまだ発展途上です。このため、企業やクリエイターには、自主的なルール整備や第三者監修、リスク回避措置(たとえばStealthモードの活用)など、予防的な対応が強く求められています。

まとめ

Midjourneyはすべての有料プランで商用利用が可能であり、自由度も高いサービスです。

しかし、利用には一定の法的・契約的リスクが伴います。特に著作権に関する部分やプロンプトの扱いについては、最新のガイドラインや規約を随時確認し、適切なプランを選択することが重要です。

記事でも多く利用規約やガイドラインに触れましたが、生成AIを使った商用利用を安全に展開するためには大事な項目となっています。

Midjourneyの利用規約や各国のガイドラインに目を通してから活用を始めましょう。

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