世界初、動画を記憶するAI「Memories AI」が登場 800万ドルを調達

出典:https://x.com/shawnshenjx/status/1948424066853122129

米サンフランシスコを拠点とするAIスタートアップMemories.aiが、世界で初めて動画を「記憶」できるAIモデル「Memories AI(メモリーズAI)」を発表しました。同社はこのAIモデルの開発に向け、Susa Venturesをリード投資家としたシードラウンドで800万ドル(約11億円)を調達しています。投資にはSamsung NextやCrane Venture Partnersなど複数のVCも参加しました。

Memories AIが革新的である最大の理由は、従来の映像理解モデルが約1時間程度までの動画分析に限られていたのに対し、事実上無制限の長時間映像を扱える点にあります。現在、動画分析の最先端として知られるGoogleの「Gemini」ですら、理解できるのは約1時間が限界です。これに対してMemories AIは、最大1000万時間という膨大な動画データを処理でき、AIによる長時間映像理解に新たな基準を設定しました。

Memories AIは、映像からノイズを取り除き、圧縮処理によって重要な情報だけを抽出します。その後、インデックス化やタグ付けを行い、自然言語を使った検索機能を通じて映像データを瞬時に見つけられる仕組みを構築しました。この技術を活用すれば、数か月分の防犯カメラ映像の中から特定の出来事をすぐに見つけ出したり、数十年間のメディアコンテンツから求めるシーンを容易に抽出したりすることが可能になります。

さらに、ソーシャルメディア上の動画を大量に分析し、ブランドに対するユーザーの感情や反応を把握するマーケティング用途や、次世代モバイルデバイスにおける映像体験の高度化など、幅広い応用が期待されています。Samsung Nextは、特にこの技術がデバイス上で多くの分析処理を行うことができるため、個人情報をクラウドに送信する必要がなく、家庭内の防犯カメラにおいてプライバシー保護にも役立つと評価しています。

創業者のShawn Shen博士は、「従来のAIは1~2時間ほどの短い動画しか理解できませんでしたが、人間の視覚的記憶のように広く深い映像コンテキストを理解できるAIを目指しました」と、開発の背景を説明しています。

Shen博士はMeta Reality Labsの研究者出身で、共同創業者のBen Zhou氏もMetaの機械学習エンジニアとしての経歴を持つなど、技術的な強みを生かしたチームが特徴です。

同社は今回調達した資金をもとに、人材の拡充とさらなる研究開発を進める予定であり、今後はヒューマノイドロボットの動作習得や自動運転車のルート記憶にも活用を広げる構想です。


出典:https://x.com/shawnshenjx/status/1948424066853122129
出典:Memories.ai Raises $8M in Seed Funding
出典:Samsung backs a video AI startup that can analyze thousands of hours of footage | TechCrunch

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