GoogleはAIモデルの「Gemini 2.5」シリーズの新たなアップデートを発表し、本日より「Gemini 2.5 Pro」と「Gemini 2.5 Flash」の安定版を正式に提供開始しました。また、新たにコスト効率と処理速度に優れたモデル「Gemini 2.5 Flash-Lite」のプレビュー版も公開されています。
今回のアップデートは、ユーザーから寄せられたフィードバックを反映しており、安定した性能を実現したことでプロダクション環境での使用が可能となりました。すでにSpline、Roomsなどの開発企業やSnap、SmartBearといった組織では、数週間にわたってこれらのモデルを実際の運用環境で使用しているとのことです。
新しく登場したGemini 2.5 Flash-Liteは、Gemini 2.5シリーズの中でも最もコスト効率が高く、かつ処理速度に優れたモデルとして位置付けられています。この新モデルは、以前の「Gemini 2.0 Flash-Lite」と比較して数学、コーディング、科学、推論、そしてマルチモーダル性能を評価するベンチマークテストで一貫して優れた結果を示しています。
さらに、Gemini 2.5 Flash-Liteは翻訳や分類といった、大量処理と高速応答が求められる用途に特に強みを持ち、Gemini 2.0 Flash-LiteやGemini 2.0 Flashよりも低遅延で動作することが確認されています。また、このモデルにはコード実行機能や、思考の深さを調整できる「思考予算（thinking budgets）」の設定機能が含まれ、最大100万トークンという非常に大きな文脈を扱うことが可能です。
GoogleはGemini 2.5シリーズを、性能とコスト、処理速度のバランスを最適化したハイブリッド推論モデルとして設計しています。今回のリリースで、Gemini 2.5 Flash-Liteのプレビュー版はGoogle AI StudioおよびVertex AIから利用可能となり、Gemini 2.5 FlashとProの安定版については、これらのプラットフォームに加えてGeminiアプリでも提供されています。
加えて、Gemini 2.5 Flash-LiteとFlashのカスタムバージョンがGoogle検索にも導入されました。ただし、これは米国で提供されているAI検索機能（AI OverviewsとAI Mode）に適用されたものであり、現時点で日本のGoogle検索には展開されていません。日本でもAI Overviewsは一部提供されているものの、今回のGemini 2.5アップグレードが適用されるかどうかや、その具体的な導入時期については明らかにされていません。
Googleは今後もGemini 2.5シリーズの展開を広げていく方針で、多くのユーザーがこれらのモデルを活用した新たなアプリケーション開発を進めることを期待しています。
出典：https://x.com/Google/status/1935005418062786736
出典：Gemini 2.5 model family expands