GoogleのFlowとは?使い方と料金!VideoFXから進化した映画映像生成AI

Google Flowとは、Googleが提供しているAI動画制作ツールです。

最新のAIモデルであるVeo、Imagen、そしてGeminiと統合されており、VideoFXの正式リリース版として位置づけられています。

動画を生成するだけではなく、生成した動画の拡張や他のフレームとのシームレスな接続が可能です。

この記事では、Google Flowの概要や使い方、料金プランについて解説します。

目次

Google Flowとは?AI動画生成の特徴とVideoFXからの進化点

Google Flowは、Googleが提供する最新のAI動画制作ツールです。

従来の実験的なツールであったVideoFXの正式リリース版と位置づけられており、Googleの最先端AIモデルである「Veo」や画像生成AI「Imagen」、大規模言語モデル「Gemini」を統合しています。

これにより、ユーザーはテキストプロンプトや画像から、より直感的かつ高品質な動画コンテンツを生成できるようになりました。

Flowは、単なる動画生成に留まらず、編集やプロジェクト管理といった映像制作の全工程を一つのプラットフォームで完結させることを目指しています。

AI動画生成の特徴

Google FlowにおけるAI動画生成は、いくつかの際立った特徴を持っています。

まず、テキストや画像を入力するだけで、AIが自動的に動画を生成してくれる手軽さが挙げられます。

加えて生成された動画の一貫性を保ったまま、続きのシーンを延長したり、異なるアングルやカメラワークを指示したりといった、より映画的な表現の追求が可能です。

さらに、生成される映像は物理法則や現実の動きをリアルに再現することを目指しており、高品質な仕上がりが期待できます。

これにより、専門的な知識がないユーザーでも、創造的なアイデアを手軽に映像化できるのです。

VideoFXから進化した点|Veo/Imagen/Geminiとの連携

Google Flowは、前身であるVideoFXからいくつかの画期的な進化を遂げています。

VideoFXは主にテキストからの動画生成に焦点を当てた実験的なツールでしたが、FlowはGoogleの複数の最先端AIモデル(Veo、Imagen、Gemini)をより緊密に連携させ、機能的にも大幅に拡張されました。

具体的には、より高度なカメラ制御やシーン構成、キャラクターの一貫性維持といった映画的表現が強くなっています。

また、プロジェクト全体の管理やアセットの再利用を効率化する「Flow TV」や「Asset Management」といった機能が新たに搭載されました。

これにより、単なる動画クリップ生成ツールから、より包括的なAI映像制作プラットフォームへと進化を遂げています。

Google Flowの仕組み

Google Flowは最先端のAI技術を統合した動画制作プラットフォームで、ユーザーの創造性を直感的に映像化します。

まず、大規模言語モデル「Gemini」がテキストや画像といったユーザーの指示を理解し、詳細な映像プランに変換。

次に、このプランに基づき動画生成AI「Veo」が高品質な動画クリップを生成し、最新版では映像と同期した音声も作成可能です。

また、画像生成AI「Imagen」は動画内で使用する特定の画像やキャラクターを高精細に生成します。

これらのAIモデルはFlow上でシームレスに連携するため、「シーンビルダー」や「アセット管理」機能を通じてユーザーは編集やプロジェクト管理を行えます。

この仕組みにより、専門知識がなくてもAIとの対話を通じて、アイデアを手軽にプロレベルの映像作品へと昇華できるのです。

Google Flowの機能一覧

Google Flowは、AIを活用した動画制作を多角的にサポートするため、さまざまな機能を搭載しています。

以下に主要な機能をご紹介しましょう。

Camera Control

Camera Controlは、AIによって生成される動画のカメラワークや視点を、ユーザーが細かく制御できる機能です。

従来のAI動画生成では難しかった特定のアングルからの撮影や、ズームイン・ズームアウト、パン、チルトといったダイナミックなカメラの動きを、テキストベースの指示や視覚的なインターフェースを通じて直感的に設定できます。

これにより、単調になりがちなAI生成映像により映画的で意図した通りの演出を加えられるのです。

制作者は、物語の感情や雰囲気に合わせて最適なカメラ表現を追求でき、映像のクオリティと表現力を大幅に向上させられます。

この機能は、AIの自動生成能力と人間の創造力を結びつける重要な役割を担います。

Scenebuilder

Scenebuilderは、既存のショットを基に、それを滑らかに編集・拡張できる機能です。

特に、アクションの流れを途切れさせることなく、次のシーンへ自然に移行できるように設計されており、キャラクターや背景の整合性を保ちながら映像を作成できます。

ユーザーは新しいシーンをゼロから作成するのではなく、既存の要素を引き継いで物語を進める形で展開を作り出せて、連続性のある映像を簡単に作れるのです。

この機能は、視覚的整合性を保ちながら映像の流れを滑らかにする点で、従来のビデオ生成ツールとは一線を画す重要な特徴となっています。

Asset Management

Asset Managementは、映像制作に使用する素材やプロンプトをプロジェクト単位で体系的に管理する機能です。

Flowでは、生成した画像素材やアップロードしたアセットをカテゴリーごとに整理し、進行中のプロジェクトで一貫して活用できます。

これにより、素材の選定や差し替えが簡単になり、複数のシーンにわたる演出でも整合性を保ちながら進行可能です。

さらに、各素材はシーンごとに呼び出せるため、映像制作の過程全体で統一感のある物語作りができます。

整理、活用、再利用が直感的に行えるため、制作効率も向上します。

Flow TV

出典:Flow TV

Flow TVは、ユーザーがVeoで作成したクリップやチャンネル、コンテンツを共有するための機能です。

お気に入りの映像に用いられているプロンプトやテクニックを実際に確認できるため、他のユーザーの手法を学べます。

映像生成をするうえで、新しいスタイルを学び、応用するための実践的な方法となるでしょう。

Google Flowの使い方

ここでは、Google Flowの具体的な使い方を解説します。

アカウント作成と初期設定

まずはGoogle Flowを使うためのアカウントと初期設定をしましょう。

STEP
公式サイトにアクセス

Google Flowの公式サイトにアクセスします。

STEP
Google アカウントでログイン

画面中央下の「Sign in with Google」をクリックしてGoogle アカウントでログインします。

もしGoogle アカウントを持っていない場合は登録しましょう。

メールの受信設定やプライバシーポリシーへの同意が完了すれば、ログインは完了です。

STEP
Google AIのメンバーに登録

Google FlowはGoogle AI ProまたはGoogle AI Ultraのメンバーしか利用できません。

未登録の場合は画面右上に登録ボタンが表示されるので、クリックしていずれかのプランに登録しましょう。

登録が完了すれば、新しいプロジェクトを作成できるようになります。

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プロジェクト作成・シーン生成手順

続いて実際に映像を生成する手順を解説します。

STEP
プロジェクト作成

画面中央下の「新しいプロジェクト」をクリックして新規プロジェクトを作成します。

STEP
生成方法を選択

プロンプトバーの左上にあるプルダウンをクリックすると、生成方法を選べます。

動画の生成方法にはテキストから生成する方法と、フレームから生成する方法があります。

なお、「動画の素材」はUltra限定の機能です。

今回はテキストから動画を生成する方法を選びました。

STEP
プロンプトを入力して動画を生成

生成したい動画についてのプロンプトを入力します。

なお、現状は英語のプロンプトのみ対応です。

プロンプトを送信すると、動画が生成されます。

実際に生成された動画がこちらです。

STEP
シーンに追加して編集

生成した動画は、シーンに追加することで拡張したり、他の動画のシーンにジャンプしたりできます。

「拡張」を選択するとシーンに追加した動画を拡張して生成できます。

拡張後の動画がこちらです。

拡張後の動画がシームレスにつながっていることが分かるはずです。

なお、元の動画はサイズが大きいため、圧縮した動画になっています。

高品質にするためのプロンプト例

Google Flowで動画生成をする際は、プロンプトを洗練させることが重要です。

目的に応じた動画を生成するには、なるべく詳細な情報を入力しなければなりません。

詳細な情景描写や雰囲気の指定、特定のスタイルや時代設定、キャラクターの感情とアクションの描写、色彩や光のコントラストの強調など、動画の要素を細かく指定しましょう。

たとえば、次のようなプロンプトが考えられます。

“A sports car speeds through the neon streets of 1980s Tokyo. The rain-soaked road surface reflects the neon lights. The camera work is a Blade Runner-style cyberpunk visual, tracking from a slightly low angle.”

このプロンプトで生成された動画がこちらです。

また、Flow TVでお気に入りの動画のプロンプトを確認することも重要です。

Google Flowの料金プラン

Google Flowは現在Google AI ProとGoogle AI Ultraのユーザーのみ利用できます。

それぞれの料金と特徴は以下の通りです(2025年6月現在)。

項目Google AI ProGoogle AI Ultra
料金19.99ドル(2,900円)/月249.99ドル(36,400円)/月
AIクレジット1,000クレジット/月12,500クレジット/月
利用できるモデルVeo2
Veo3(一部機能制限あり)
Veo2
Veo3
生成方法テキストから動画
フレームから動画
テキストから動画
フレームから動画
動画の素材
透かしありなし

Google Flowは、毎月付与されるAIクレジットを消費して動画を生成できます。

1回の生成につき、高速のVeo2では10クレジット、最高品質のVeo3では150クレジットが必要です。

Google AI Proでは基本的な機能を利用できるほか、最新モデルであるVeo3も制限はありますが利用できます。

一方Google AI Ultraでは、Veo3が無制限に利用でき、動画の素材生成も可能です。

また、Proで生成した動画には透かしが含まれますが、Ultraで生成した動画には含まれません。

料金に大きな差があるので、まずはGoogle AI Proで機能を試し、より多くの高品質な動画を生成したい場合はGoogle AI Ultraの契約を検討したいところです。

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Google Flowの活用事例

Google Flowはさまざまな映像作品の生成に活用できます。

たとえば、以下のようなリアルなカースタント動画を生成可能です。

また、こちらのようにロックスターのライブ映像のような動画も生成できます。

プロンプトを工夫することで、自分好みのさまざまな動画を生成できるのです。

他のAI動画生成ツールとの比較

Google Flowは、動画制作の統合プラットフォームとしての側面も持ち合わせており、他の主要なAI動画生成ツールとは異なる特徴や強みを持っています。

ここでは、代表的なツールであるSora、Runway Gen-4、Pikaとの違いをご紹介しましょう。

Google FlowとSoraの比較

Google FlowとOpenAIのSoraは、共に高品質なAI動画生成を目指す最先端ツールとして注目されています。

Soraは物理法則や自然現象、人間の動きなどを深く理解し、自然な動きやリアルな環境、細部の表現までをAIが自動で生成します。

一方でGoogle Flowは、GoogleのAIエコシステムを深く統合し、動画生成だけでなく、編集、アセット管理、コラボレーションといった制作ワークフロー全体をサポートするプラットフォームとしての要素が強いです。

Flowはより実用的なツールとしての提供を目指しており、カメラコントロールやシーンビルダーといった具体的な編集機能が充実している点がSoraとの違いと言えるでしょう。

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Google FlowとRunway Gen-4の比較

Runway Gen-4は、1枚の画像とテキストから自然で滑らかな10秒動画を生成できる最新のAI映像ツールです。

キャラクターや背景の一貫性に優れ、照明や角度、衣装が変化しても破綻を最小限に抑えた映像を作成できます。

Runway Gen-4は、テキスト、画像、動画からの多様な生成モードやモーショントラッキングといった高度な編集機能を備え、クリエイター向けの多機能ツールキットとしての性格が強いです。

一方でGoogle Flowは、VeoやGeminiといったGoogleの強力なAI基盤を活かした高品質な映像生成に加え、編集、アセット管理、Flow TVによるコラボレーション機能まで含めた統合プラットフォームを目指しています

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Google FlowとPikaの比較

Pika Labsが提供するPikaは、特にキャラクターの一貫性維持や、既存動画のスタイル変更、リップシンク機能などで注目を集めているAI動画生成ツールです。

Pikaは特殊効果が付与できる点や、シーンごとの要素を細かく指定して意図した映像を生成できる機能があります。

一方、Google FlowはVeoなどの強力なAI基盤により広範な動画表現と映画的な品質を追求し、より包括的な映像制作を目指しています。

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よくある質問(FAQ)

最後によくある質問への回答をまとめます。

Google Flowは日本語で利用できる?

Google Flowは現在サイト自体は日本語で利用できます。

ただし、プロンプトは英語にしか対応していないため、Geminiなどを使って英訳してから入力するようにしましょう。

Google Flowは商用利用できる?

現時点では、Google Flowの商用利用についての公式見解は発表されていません。

ただし、商用利用が明確に禁止されているわけではなく、基となるVeo3が商用利用可能であるため、Googleのポリシーに違反しない範囲であれば商用利用できると考えられます。

当然、生成した動画の責任はユーザーが負う必要があります。

Veo2とVeo3の違いは?

Veo3はGoogle が公開した最新の動画生成モデルであり、Veo2よりも高品質な動画を生成できます。

最も大きな違いとしては、Veo2は無音の動画しか生成できないのに対し、Veo3は音声付きの動画を生成可能な点です。

基本的にVeo3の方がおすすめですが、消費クレジットがVeo 2が10なのに対し、Veo 3は150となるため、目的に応じて使い分けるようにしましょう。

まとめ

Google FlowはGoogleが開発したAI動画制作ツールです。

VeoやImagen、そしてGeminiと統合され、テキストや画像から映像を生成できます。

Google AI ProとGoogle AI Ultraのユーザーのみが利用できるため、目的に応じてプランを選ぶようにしましょう。

Google AI Proは1か月間無料で利用できるため、Google Flowが気になる方はまずは機能を試してみてください。

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