
米OpenAIは、最新AIモデル「GPT-4.1」をAPI経由で公開したことを発表しました。この新モデルは「GPT-4.1」、「GPT-4.1 mini」、「GPT-4.1 nano」の3種類で構成され、いずれも従来の主力モデル「GPT-4o」および「GPT-4o mini」を上回る性能を持つとしています。
特にGPT-4.1はコーディング能力、指示の理解力、長い文脈の処理において顕著な進化を遂げました。
ソフトウェアエンジニアリングの実務評価基準「SWE-bench Verified」では、GPT-4oの正解率33.2%を大幅に上回る54.6%を達成。

指示理解を測る「MultiChallenge」でも、GPT-4oを10ポイント以上超える38.3%の精度を記録しています。

また、文脈処理能力では最大100万トークンという非常に長い文脈に対応でき、動画理解評価(Video-MME)では字幕なしの動画においても、GPT-4oの65.3%に対し、GPT-4.1は72%の精度を示しました。

これにより、長文書類やソースコードを扱う複雑な業務での活用が見込まれます。
小型版のGPT-4.1 miniは性能面でGPT-4oと同等かそれ以上の結果を出しながら、処理速度を約2倍高速化し、コストを83%削減しています。

さらに軽量モデルのGPT-4.1 nanoは低遅延で安価な運用を可能にし、分類や自動補完といった用途に最適化されています。
実際の料金は以下のような価格帯での提供です。
モデル名 | 入力 | キャッシュ済み入力 | 出力 | 想定平均料金 |
---|---|---|---|---|
GPT-4.1 | 2ドル | 0.5ドル | 8ドル | 1.84ドル |
GPT-4.1 mini | 0.4ドル | 0.1ドル | 1.6ドル | 0.42ドル |
GPT-4.1 nano | 0.1ドル | 0.025ドル | 0.4ドル | 0.12ドル |
これらの新モデルは、特に開発者コミュニティとの協力により、実際のアプリケーションで最も必要とされる性能向上が図られています。また、価格面でもGPT-4.1はGPT-4oより26%安価で提供されるなど、コストパフォーマンスも大きく改善されています。
なお、APIで提供中の「GPT-4.5 Preview」は、2025年7月14日に提供終了予定です。OpenAIは今回の新モデル投入により、AIの実用化に向けた取り組みをさらに加速させるとしています。