アメリカの大手メディアグループであるCondé Nast(コンデナスト)が、AI検索エンジンPerplexity(パープレキシティ)に対し、自社の出版物の内容を無断で使用しないよう求める通知を送ったことを、アメリカメディアのThe Informationが報じました。
Condé Nastの出版物には、The New Yorker、Vogue、Wiredなどがあります。
この要求は、Perplexityがコンテンツを盗用していると主張するもので、ニュースメディアの内容を許可なく使うAIスタートアップに対する法的措置のひとつとなっています。
先月には、ForbesもPerplexityに同様の通知を送っており、AIスタートアップがニュースコンテンツを使ってAIの言語モデルを学習させることに対する法的な対立が増えています。
Perplexityは独自にAIを学習させているわけではありませんが、ニュース記事を要約する際に不正確な引用をすることがあり、これがニュースメディアの反発を買っています。
PerplexityのCEOであるアラヴィンド・スリニヴァサ氏は、ウェブサイトの所有者がrobots.txtファイルを設定すれば、Perplexityのボットが情報を取得するのを防ぐことができると述べています。
しかし、一部の外部のウェブクローラーはこの指示を無視してサイトの情報を収集してしまうことがあると認めています。
この問題を受けて、Perplexityは一時的にURL機能を停止し、問題のある外部サービスとの連携を停止しました。
このような法的措置を受けて、PerplexityのようなAI企業は、データの提供元に対する報酬の仕方を変更せざるを得なくなる可能性があります。
Perplexityはすでに出版社と収益分配契約について話し合いを始めていますが、具体的な出版社名や契約内容はまだ公表されていません。
Dotdash MeredithのCEOであるニール・ヴォーゲル氏は、資金力のあるテクノロジー企業が出版物の内容を勝手に使ってAIツールを開発することが、インターネットの未来にとって大きな問題だと述べています。
もしこの問題を放置すれば、オンラインで何かを書くすべての人が危険にさらされることになると警告しています。
「合理的で公平な金銭的な合意が得られない場合は、法的措置を取る」とヴォーゲル氏は述べています。
この動きは、AI企業がニュースメディアのコンテンツを利用する際のルールを改めて考える重要なきっかけとなるでしょう。
出典:Condé Nast Sends Cease-and-Desist Letter to AI Search Engine Perplexity — The Information