OpenAIのCEOサム・アルトマン氏は、AIの性能向上に欠かせない計算能力を大幅に強化するため、独自のAIチップ開発と大規模なデータセンター設立という新しい戦略を進めています。
アルトマン氏は以前からAIチップの設計・製造を担う新会社設立を目指し、外部パートナーとの交渉を重ねてきました。
計画はまだ具体化していませんが、OpenAIは現在、独自にチップ開発を進めています。
GoogleのAIチップ開発チームにいた優秀な人材を迎え入れ、さらにBroadcomと共同で新しいAIサーバーチップの開発にも取り組んでいます。
この独自チップは、AI開発に必要不可欠な処理能力を持つNvidiaの製品に匹敵する性能を目指しており、実現までには数年かかる見込みです。
またOpenAIは、世界最大の半導体製造会社である台湾のTSMCとも交渉を重ねており、TSMCが新しいチップ製造を請け負う可能性もあるようです。
データセンターの設立計画については、アルトマン氏は外部投資家と協力し、必要なインフラを整備する方針です。
この計画には、アメリカの商務省や中東諸国の政府との協議も含まれています。
また、OpenAIは既にマイクロソフトと緊密なパートナーシップを結んでおり、新しいデータセンターにもマイクロソフトのクラウドサーバーを活用する予定です。
これらの計画は、OpenAIがAI開発に必要な計算資源を飛躍的に拡大し、GoogleやMetaなどの競合に負けない競争力を確保することを目的としています。
アルトマン氏は、これらの取り組みを通じて、OpenAIが目指す「人類全体の利益になる高度な人工知能」の実現に一歩近づけると考えています。
OpenAIの広報担当者は、「OpenAIは、AIの恩恵を広く世界に届けるために必要なインフラを拡充するため、産業界や政府と積極的に対話を続けています。この取り組みには、主要なチップ設計・製造業者やデータセンター開発企業との協力も含まれます」と述べています。
なお、Broadcomの広報担当者は、今回の報道に関する具体的なコメントを控えています。
出典:OpenAI Has Talked to Broadcom About Developing New AI Chip — The Information