The Information（サンフランシスコに本拠を置く技術系メディア）のレポートで、OpenAIの収益構造が明らかになりつつあります。
ChatGPTの利用が主要な収益源となっている一方で、API（アプリケーション・プログラミング・インターフェース）ビジネスも急速に成長しています。異なるシステム間でデータや機能をやり取りするためのインターフェースを開発・提供するニーズが高まっているからです。
2024年3月時点でOpenAIのAPIビジネスは年間収益10億ドルに達し、MicrosoftのAzure OpenAI Serviceを追い抜いた可能性があります。OpenAIは使いやすさと新モデルへの早期アクセスを提供することで顧客を引きつけ、より安定した顧客基盤の構築を目指しています。
コスト面では、MicrosoftからAzureのコンピューティングリソースを有利な条件で利用しており、これがOpenAIの損失を予想よりも低く抑えている可能性があります。APIビジネスの粗利益率は約40%で、Azure OpenAI Serviceと同程度です。
将来はAIチップのコスト低下やモデルの効率化により、OpenAIの利益率が改善する可能性があります。
また、OpenAIは将来の収益源として広告ビジネスや検索製品の開発を検討しているようです。ただし、Appleとの取引後の無料ユーザー増加によるコスト増加など、新たな課題も浮上しています。
この状況は、急成長するOpenAIのビジネス、Microsoftとの複雑な関係、そして今後のAI業界の展望を示しており、両社の競争と協力が業界全体の発展を加速させる可能性を示唆しています。
出典：A Peek Behind OpenAI’s Financials; Don’t Underestimate China — The Information
