
ソフトバンクグループの孫正義会長兼CEOは、OpenAIとの5000億ドル規模のAIベンチャー「Stargateプロジェクト」の資金調達方法として、プロジェクトファイナンスの採用を検討していることが関係者の話で明らかになりました。
このプロジェクトでは、ソフトバンク、OpenAI、Oracle、アブダビのMGXが総コストの約10%を出資し、残りを債務市場から調達する構想が浮上しています。
プロジェクトファイナンスは、石油・ガスプロジェクトなどの大規模インフラ事業で一般的な手法で、初期投資を抑えつつ、プロジェクトの将来キャッシュフローを基に長期資金調達が可能となります。
Stargateプロジェクトは、すでにテキサス州アビリーンでデータセンターの建設を開始しており、第一段階として1000億ドルの即時投資を予定しています。さらに、十数の州で追加プロジェクトを検討中です。

しかし、中国のスタートアップDeepSeekによる低コストでオープンソースのAI開発や、イーロン・マスク氏率いるグループによるOpenAIへの買収提案など、プロジェクトを取り巻く環境には不確実性も存在します。
OpenAIのサラ・フライCFOは最近のブログ投稿で、「構造化された段階的なアプローチで投資を進める」と述べ、追加パートナーの参画も計画していることを明らかにしています。
一方、ソフトバンクグループの業績も注目されています。ブルームバーグが調査したアナリスト3名の予想によると、同社は水曜日に発表予定の2024年第3四半期決算で、約1550億円(10億ドル)の純損失を計上する見通しです。
アストリス・アドバイザリーのカーク・ブードリー氏は、クーパンやディディ・グローバルの株価下落により、ビジョン・ファンドの上場ポートフォリオが12月四半期に約7億ドルの損失を被ったと試算しています。
出典:SoftBank Explores Project Financing for Much of $500 Billion Stargate Push – Bloomberg