
米OpenAIは、ChatGPTの新機能として「Deep Research」を発表しました。
この機能は、複雑なリサーチタスクをインターネット上で自動的に実行し、数時間かかる人間の作業を数十分で完了できるとされています。
2月2日(現地時間)よりProユーザー向けに提供が開始され、PlusおよびTeamユーザーにも今後順次利用可能となる予定です。
Deep Researchは、最新のOpenAI o3モデルを基盤に設計され、ウェブ検索やデータ分析を駆使して情報を統合し、研究者レベルのリサーチレポートを作成します。
例えば、競合分析、市場調査、学術研究などのタスクを効率的に遂行し、個人向けには製品比較や購買アドバイスの提供も可能です。
ユーザーはChatGPTのメッセージ入力欄で「Deep Research」機能を選択し、リサーチを依頼することで、AIが数百のオンライン情報源を検索・解析し、詳細なレポートを作成します。

所要時間は5~30分程度で、その間ユーザーは他の作業に集中できるのが特徴です。
OpenAIによると、Deep Researchは特に金融、科学、政策立案、エンジニアリングなどの分野で高度な知識を要する専門家にとって有益であり、文書化された出力と明確な情報源の提示によって、信頼性の高いレポート作成が可能になります。
また、近日中にレポートに画像やデータビジュアライゼーションを埋め込む機能が追加される予定です。
この新機能の実力は、複数のベンチマークテストでも証明されています。
「Humanity’s Last Exam」という専門レベルの知識を評価するベンチマークでは、Deep Researchは26.6%の正答率を記録し、従来のGPT-4o(9.1%)やDeepSeek-R1(9.4%)を大幅に上回りました。

特に、化学、人文科学、社会科学、数学の分野で顕著な向上が見られました。
また、実世界の問題解決能力を評価する「GAIA」でも最高スコアを記録し、外部リーダーボードでトップに立ちました。

さらに、Deep Researchは専門レベルのタスクの自動化においても高い評価を受けています。
例えば、遺伝子治療の規制承認状況の調査や、混合ガス吸着の効率改善に関する文献レビューなど、通常数時間かかるリサーチを短時間で完了させることができます。
今後、Deep Researchはより専門的なデータベースや有料リソースへアクセスできるよう拡張される予定です。
また、OpenAIはこの機能を汎用人工知能(AGI)開発の一環と位置づけており、将来的には科学研究の新たな発見を促進する可能性もあるとしています。