中国のテンセント・ミュージック・エンタテインメント・グループ（TME）は、2023年度の年次報告書で、AIを活用したPDM（Predictive Model）技術を自社の音楽ストリーミングサービスQQ音楽に導入し、次のヒット曲の予測に成功したと発表しました。
PDMは、ディープラーニングを用いて音声と歌詞に基づく楽曲の市場可能性を予測します。また、ユーザーごとに最適なプレイリストを提案し、アーティストデータや音楽トレンドをAIで分析してターゲットとなるユーザー層を特定します。PDMの精度と有用性は国際音楽情報検索協会（MIREX）からも認められています。
TMEは2023年に音楽制作・プロモーションプラットフォーム「Venus」にAIを搭載した作曲ツールを導入し、AI生成コンテンツ・ツールを用いてアーティストの制作効率を向上させました。親会社のメッセージアプリ「WeChat」に音楽ライブラリを統合し、10億人以上のユーザーがTMEの音楽コンテンツにアクセスできるようにしました。
2024年第1四半期の報告書では、TMEはAI技術の強化を続けるそうです。大規模オーディオモデルを導入して音楽プロモーションの精度を高めると共に、新しいAIアシスタントを導入して音楽発見作業を楽しく便利にすることを目指しています。