
DeepSeekで使えるモデル「DeepSeek-V3」の使い方が気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、「DeepSeek-V3」の基本機能や使い方、さらに日本語対応における優れた性能について、初心者にもわかりやすく解説します。
他のAIモデルと比較して圧倒的な性能と高いコストパフォーマンスを持つ「DeepSeek-V3」を理解することで、ビジネスや個人での活用をスムーズに始めることができるでしょう。
現在は上位版のR1が出ており、R1については以下の記事でまとめています。

DeepSeek V3とは?その機能と特徴

DeepSeek V3は、中国のAI企業DeepSeekが開発した次世代の大規模言語モデル(LLM)で、オープンソースとして提供されています。
このセクションでは、前バージョンのDeepSeek V2からの進化や、他のAIモデルとの比較について詳しくご紹介します。
DeepSeek V3の進化した技術
DeepSeek V3は、前バージョンであるDeepSeek V2から大幅に進化し、新しい技術が数多く導入されています。
その中でも注目すべき技術を以下に紹介します。
- Mixture-of-Experts(MoE)
-
6,710億という膨大なパラメータの中から必要な370億のパラメータだけを選択して使用する仕組みです。
これにより、効率的かつ高性能な処理が可能になっています。 - Multi-Token Prediction(MTP)
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一度に複数の単語を予測できる新技術です。
この技術により、従来よりも高速な処理能力を実現し、大量のデータ処理においても迅速な応答が可能です。 - Multi-Head Latent Attention(MLA)
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データを効率的に圧縮して処理する技術です。
この技術により、メモリの使用量を抑えつつ、高い精度を維持することができます。 - FP8トレーニング技術
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従来の16ビットや32ビット形式よりも小さい数値形式を採用することで、データを効率的に処理できる技術です。この技術により、メモリの使用量を大幅に削減し、計算速度を向上させることができます。
これらの技術の導入により、DeepSeek V3は従来のモデルに比べ、より短期間での開発が可能となり、コストも大幅に削減されています。
DeepSeek V3と他のAIモデルを比較したときの性能
DeepSeek V3は、他の生成AIモデルと比べても非常に優れた性能を持っています。
以下は、多分野の知識理解(MMLU-Pro)、質問応答(GPQA-Diamond)、数学問題(MATH 500、AIME 2024)、プログラミング(Codeforces)、およびソフトウェア開発タスク(SWE-bench Verified)におけるDeepSeek V3と他モデルの比較結果です。

この比較からわかるように、DeepSeek V3は幅広い分野で他のモデルを上回る結果を出しています。
特に、数学やプログラミングのタスクにおいては圧倒的なスコアを記録し、高度な知識や複雑な推論が必要な場面で極めて効果的です。
多言語対応でグローバルな活用に期待
DeepSeek V3は、日本語、英語、中国語をはじめとする多くの言語に対応しており、その高い性能により国際的な活用が期待されています。
このモデルは、さまざまな分野の正確性を測定するテスト(MMMLU)で非常に高いスコアを記録し、特に日本語や中国語など非英語圏の言語においても優れた結果を示しています。
また、DeepSeek V3は翻訳やマーケティング文章の作成、国際会議でのコミュニケーション支援など、幅広い用途で活用されています。
たとえば、日本企業が海外市場向けの商品説明文を作成する場合、それぞれの市場に合わせた文化的背景や顧客のニーズを反映した文章を自動生成することが可能です。
このように、DeepSeek V3は多言語対応能力を活かし、グローバルビジネスの発展を支えるツールとして注目されています。
DeepSeek V3の料金プラン

DeepSeek V3は、他のAIモデルと比較して、API料金が安価であることが大きな特徴です。
このセクションでは、DeepSeek V3の料金体系について、詳しくご紹介いたします。
DeepSeek V3は基本的に無料で使える!有料はAPIのみ
DeepSeek V3は、WEB版からチャットベースで利用する場合は基本的に無料で利用できます。
APIを使用する場合のみ、トークン数に応じて料金が発生します。
これにより、個人利用から、大規模なビジネス用途に至るまで、幅広いニーズに対応することができます。
まずは無料で利用できるウェブ版から試してみて、必要に応じてAPIを活用することで、効率的にDeepSeek V3の性能を活用できるでしょう。
DeepSeek V3のAPI料金プラン比較表
DeepSeek-V3のAPI料金は、入力トークン数と出力トークン数に基づいて課金されます。
トークンとは、AIが処理する文字や単語の単位であり、利用量に応じて課金される仕組みです。
料金は1Mトークン(100万トークン)ごとに設定されており、以下の価格構成となっています。
入力価格 (キャッシュヒット) | 入力価格 (キャッシュミス) | 出力価格 |
---|---|---|
$0.07 / 1Mトークン | $0.27 / 1Mトークン | $1.10 / 1Mトークン |
以下のグラフをご覧いただくとわかるように、DeepSeek-V3は他のAIモデルと比較して非常に低コストで利用できることが特徴です。

DeepSeek V3の始め方と使い方

DeepSeek V3は、ウェブ版とAPIの2つの方法で利用可能です。
ウェブ版では、直感的なチャットインターフェースを通じて簡単に利用を開始でき、APIではプログラムやアプリケーションに組み込むことで高度な機能を活用できます。
このセクションでは、それぞれの具体的な始め方と使い方について詳しくご紹介します。
ウェブ版での使い方
DeepSeek V3の公式サイトにアクセスし、「Start Now」をクリックします。

以下のいずれかの方法でアカウントを作成してください。
- 電話番号またはメールアドレス、パスワードを入力
- Googleアカウントを使用

アカウントの作成が完了すると、以下のような画面が表示され利用を開始できます。

チャット入力欄に「プロンプト」を入力し、「Enterキー」をクリックします。

入力したプロンプトに応じて、結果が出力されます。

APIでの活用方法
DeepSeek V3の公式サイトにアクセスし、「Platform」をクリックします。

以下のいずれかの方法でアカウントを作成してください。
- 電話番号またはメールアドレス、パスワードを入力
- Googleアカウントを使用

画面左側のメニューから「API Keys」をクリックします。

「Create new API key」をクリックします。

APIキーの名前を入力し、「Create API key」をクリックします。

作成されたAPIキーが表示されるので必要に応じて、コピーして保管してください。

これでAPIキーの取得が完了です。
取得したAPIキーを使用して、DeepSeek V3の機能をアプリケーションやスクリプトで活用できます。
まとめ
DeepSeek-V3は、最新技術を採用することで高い性能を実現しながら、リーズナブルな料金設定を実現したAIモデルです。
特に、数学やプログラミングのタスクにおいては他のAIモデルを上回る性能を発揮し、日本語を含む多言語対応にも優れています。
まずは、無料で利用できるウェブ版を試してみた後、必要に応じてAPIを活用することで、効率的にDeepSeek-V3の性能を活用できるでしょう。