OpenAIは、全人類に利益をもたらす人工汎用知能（AGI）の開発を目指しており、そのために現在の営利部門を「パブリック・ベネフィット・コーポレーション（PBC）」に移行する計画を発表しました。
PBCは、利益だけでなく社会的使命を考慮した意思決定を行う企業形態で、この変更によってさらに大規模な資金調達が可能になります。
つまり、OpenAIは「利益を出す企業」と「社会に貢献する組織」の両方の性質を持つ形に進化しようとしています。
この仕組みを通じて、営利部門が資金を集めやすくなり、その収益を非営利部門に還元することで、教育や医療、科学の分野での社会貢献活動を拡大できるのです。
もともと2015年に研究ラボとして設立されたOpenAIは、AI技術の研究を非営利的に進めていました。
しかし、AIの開発が進むにつれ、膨大な計算リソースや資本が必要になり、2019年に営利部門を設立しました。
この部門が投資を受け入れることで、Microsoftなどの大企業からの支援を得て、ChatGPTなどのプロジェクトを実現しました。
ただ、AGI開発をさらに進めるには、これまで以上に多額の資金が必要です。
つまり、今の「非営利団体＋営利企業」という仕組みだけでは限界があるため、営利部門をPBCに変えて資金調達をスムーズにし、その資金を非営利活動に回せる構造を目指しているのです。
この計画では、非営利団体がPBCの株を持つ形になり、これによって大規模な資金を確保しつつ、AIが人類全体に利益をもたらすための活動を拡大します。
さらにOpenAIは、AGIの開発を単なる「ゴール」ではなく「継続的な取り組み」と位置づけています。
AIが社会にとってプラスになる形で進化し、21世紀の新しい経済基盤を築く役割を果たしたいという意志が込められています。
この構造の進化によって、OpenAIはこれからもリーダーとしてAI技術を推進しながら、他の組織や社会全体にポジティブな影響を与え続けることを目指しています。
出典：Why OpenAI’s Structure Must Evolve To Advance Our Mission | OpenAI