
Googleが開発した動画生成AI「Veo2」が、2025年4月に生成AIのGeminiと連携して誰でも使えるようになりました。
Veo2を活用することで、AI動画作成の効率と品質が大きく進化します。
本記事では、Veo2の特徴や使い方を紹介し、料金体系、商用利用の可否、日本語対応の実態まで、気になるポイントを詳しく解説します。
Veo2とは?Google製の動画生成AIがGeminiで使用可能に

Googleが開発した最新の動画生成AI「Veo2」が、ついにGeminiと連携して使えるようになりました。
ここでは、Veo2の基本的な概要と注目される理由を解説します。
Veo2の特徴とできること
Veo2は、Google DeepMindが開発した高性能な動画生成AIで、テキストや画像から最大4K解像度の映像を自動生成できます。
特筆すべきはその表現力で、映像は現実の物理法則を反映し、金属の光沢や水の動きなどの質感表現など、非常にリアルなビジュアルが得られます。
また、人の動作や感情の細かなニュアンスの再現にも優れています。
You write the script, Veo 2 brings it to life. 🎥
— Google DeepMind (@GoogleDeepMind) April 15, 2025
Starting today, @GeminiApp Advanced users can create stunning 8-second videos, in 720p cinematic quality, with just one text prompt. ✨ pic.twitter.com/9wq4rc4LPg
映画撮影のような構図やカメラワークの指定も可能で、シーンに応じて映像表現をコントロールできます。
さらに、アニメ風から写実的なスタイルまで多様な出力ができ、広告やSNS動画、プロモーション映像など幅広い活用が期待されています。
動画AIとしての完成度は非常に高く、次世代の映像制作ツールとして注目を集めています。
Geminiでの提供で何が変わるのか
Veo2は2024年12月のリリースから、Google Labsの「VideoFX」や「Freepik」といったサービス経由で提供されていましたが、いずれも英語中心のUIなのと、ウェイトリスト登録が必要で、操作や登録の手間がかかることから実際に使えるまでのハードルが高いのが現実でした。
今回のリリースによって、GoogleのGemini Advancedプランに加入するだけでチャット形式の画面から誰でも簡単にVeo2を使えるようになったことは大きな変化です。
テキストで生成したい内容を入力するだけで、すぐに高品質な動画を出力可能となり、日常の制作フローにもスムーズに組み込めるようになりました。
競合の動画生成AIとの比較
Veo2がGeminiに搭載されたことから、同じくチャット形式で使用可能な動画生成AIであるOpenAIのSoraとの比較も気になるポイントです。
下の表ではそれらの差を簡単に比較しました。
品質面での違いとしては、Soraはやや映像内で物理法則を無視した描写が生成されやすいというのが一般的な評価と言われています。
項目 | Veo2 | Sora |
---|---|---|
開発元 | Google DeepMind | OpenAI |
提供プラットフォーム | Gemini(Advanced プラン) | ChatGPT(Plus / Proプラン) |
対応言語 | 日本語対応あり | 英語中心(他言語対応は限定的) |
最大生成時間 | 約8秒(Gemini版) | Plus: 約10秒 / Pro: 約20秒 |
最大解像度 | 720p(Gemini版) | Plus: 720p / Pro: 1080p |
生成回数上限 | 非公開 | Plus: 月50本 / Pro: 月500本 |
料金プラン | 約2,900円 / 月(Gemini Advanced) | Plus: 約3000円 / 月 Pro: 約30,000円 / 月 |
操作性 | チャット形式で直感的に使える | ストーリーボードなどやや習熟が必要だが自由度は高い |
映像品質 | 物理挙動や動きが自然で滑らかとの評価 | 高品質だが、人物動作や物理法則で破綻が出る例も |
Veo2の使い方を初心者向けに解説

Veo2は直感的に使える動画生成AIですが、初めての方にとっては登録から含めた使い方の流れが気になるところ。
ここでは基本的な使い方をわかりやすく紹介します。
GeminiでVeo2を使うための準備
Geminiの登録から説明をしていきます。
読めば今すぐにVeo2を体感できるので、ぜひチェックしてみてください。
Gemini Advancedの公式サイトにアクセスします。
「1か月間無料で試す」をクリックして進みます

次の画面で表示される「トライアルを開始」に進みましょう。

利用規約の同意画面が出たら同意して進みます。
クレジットカードなどの支払い情報を入力します。
※無料トライアル期間後は自動的に有料期間に移行するので注意しましょう。

完了画面が出たら登録は完了です。

テキストからの動画生成ステップ
登録が完了したら、Geminiで動画の生成を行っていきます。
基本的にはプロントを入力するだけで、難しい設定は必要ありません。

チャット画面内左上のプルダウンから、「Veo2」を選択するだけです。
チャット入力欄に「どんな動画を作りたいか」を入力します。

入力したプロンプトの右にある送信アイコンをクリックすると、Veo2が動画の生成を開始します。
動画の生成には1~2分ほどかかります。
Geminiのチャット画面に動画が表示されます。

今回生成された動画はこちら。
川の流れやシカの動き、光の質感などが非常にリアルで、CGクリエイターが制作したようなクオリティの動画がこれだけの簡単な操作で生成できてしまいました。
ダウンロードしたい場合は、動画にカーソルを合わせると右上に表示されるダウンロードボタンをクリックします。

Veo2の料金は?無料で使える?商用利用についても解説

Veo 2は無料で使えるのか、それとも有料プランが必要なのか気になる人も多いのではないでしょうか。
さらに、商用利用はできるのかどうかも気になるポイントです。
ここでは、Veo 2の利用条件や料金体系について、わかりやすくまとめてご紹介します。
使用には「Google One AI Premium」もしくはGeminiのAdvancedプランが必要
Veo2を利用するには、Googleの「Gemini Advanced」プランに加入する必要があります(2025年4月時点)。
このプランは、Google One AI Premium(月額約2,900円)に含まれており、Veo2だけでなく、Gemini 2.5 Proなどの高度なAI機能も利用可能です。
初回登録であれば1か月間無料が適用されるので、Veo2の性能をコストをかけずに試すことができます。

無料期間終了後は自動的に有料に移行するため、継続利用しない場合は解約が必要です。
なお、Google One AI Premiumの内容としては下の表のようになっているので、参考にしてみてください。
項目 | 内容 |
---|---|
料金 | 月額 2,900円(税込) ※初月無料 |
ストレージ | Google ドライブ / フォト / Gmail で使える 2TB (月額に応じて増加可能) |
AI機能 | ・Gemini Advanced(上位AIモデル) ・Gemini in Gmail / Googleドキュメントなどの統合機能 ・NotebookLM Plus(研究・文章作成支援AI) |
主な特徴 | ・最大1,500ページのテキスト解析対応 ・画像生成、メール下書き、文章構成支援など ・Google製アプリ全体でのAI活用が可能 |
対象アプリ | Gmail / Googleドキュメント / スライド / Meet / フォトなど |
無料期間を有効活用して、まずは操作感や生成クオリティを体感するのがおすすめです。
Veo2の商用利用について
Googleの規約から、生成物の所有権はユーザーにありビジネス用途での活用も認められています。
本サービスの一部では、使用者によるオリジナル コンテンツの生成が許可されています。Google がそのコンテンツに対する 所有権を主張することはありません。
出典:Gemni API 利用規約
実際、吉本興業が自社プロジェクトで動画生成AI「Veo2」を活用する事例も紹介されており、企業利用も進んでいます。
また、日本においては、吉本興業ホールディングス株式会社に、先行パートナーとしてVeo 2をご活用いただいております。今回、「笑顔」や「微笑み」を意味するねぎの花言葉をテーマに、ねぎが「笑いと健康の運び手」であることを伝えるショートビデオを Veo 2 で制作されました。
出典:Google公式サイト – Japan Blog
ただし、同じプロンプトで他ユーザーにも類似動画が生成される可能性があるため、生成コンテンツに独占権はありません。
また、商標や著作権などの知財リスクについてはユーザー側が責任をもって確認する必要があります。
商用利用前には、利用規約や対象素材の権利チェックを徹底しましょう。
Google Geminiとの連携で何ができる?

Google Geminiと連携することで、Veo2の活用の幅はさらに広がります。
Geminiを活用した動画生成のメリットについてさらに解説します。
Gemini Advancedと連携するメリット
Veo2がGoogle GeminiのAdvancedプランに組み込まれることで、チャット形式での映像生成が可能です。
ユーザーは自然な文章でプロンプトを入力するだけで、Veo2が意図を読み取り、短時間で動画を生成します。
Geminiの高度な言語理解により細かいニュアンスまで反映されやすく、実際、プロントをより詳細に書くことによって、より細かいニュアンスまで制御した動画が作成可能になる、と説明されています。
「より具体的な指示を与えることで、生成される動画を意図に沿った形で仕上げることができます。」
出典:Google公式サイト – Japan Blog
生成された動画はすぐにダウンロードでき、Veo2はモバイル版のGeminiアプリでも使用できるため、SNSでの共有も簡単に行えます。
映像制作のワークフローが効率化される点で、動画生成AIとしてのVeo2は非常に実用的です。
Whisk Animateについて
Whisk Animateは、Googleの画像生成AI「Whisk」に新たに追加された機能で、静止画像を動画として動かすことができるツールです。

Veo2とWhiskがGeminiを介して連携することで、生成した画像をVeo2が動画化するというハイブリッドな制作フローが実現。
この機能はGemini AdvancedやGoogle One AI Premiumプランのユーザーが利用可能です。
直感的なチャット操作と組み合わせることで、誰でも簡単にクオリティの高いAI動画を作成できる点が魅力です。
Veo2と合わせて動画制作に活用していきたいツールですね。
Veo2は日本語対応している?国内向けの実用性を検証

日本語ユーザーでもVeo2は問題なく使えるのか、UIや機能の対応状況を含めて検証します。
Veo2の日本語への対応度は?
Geminiで提供されるVeo2は日本語でのプロンプト入力によって動画生成が可能であり、UIもGeminiと全く同じであるため日本語での使用には問題ありません。
では、プロンプト入力の日本語への対応度は英語と比べてどうなのでしょうか?
検証としてほぼ同じ内容のプロンプトを日本語と英語の両方で入力して動画生成を行ってみました。(それぞれのプロンプトはChatGPTで生成)
近未来の東京、ネオンで彩られたビル群とドローンが飛び交う夜景。人々がホログラム広告を見上げている。
A futuristic Tokyo night scene with neon-lit skyscrapers and drones flying across the skyline. People gaze at floating holographic ads.
生成された動画を比較すると、「近未来の東京」や「ホログラム広告」、「人々が」という部分に対し、日本語よりも英語のプロンプトの方がよりユーザーの意図を反映した動画になっているように感じます。
この点ではプロンプトは英語で入力した方が精度が高くなると考えられます。
どちらにしても、曖昧な表現だと生成内容にブレが生じることはあるため、指示は明確であるほど精度の高い生成が出来ます。
日本語音声合成や字幕は作れる?
生成された動画に日本語字幕や音声を加えるには、After Effectsなど外部ツールと組み合わせる必要があります。
現状ではナレーション付き映像をVeo2単体で完結させることは出来ない点に留意が必要です。
まとめ
Veo2は、GoogleのGemini Advancedプランで利用できる高性能な動画生成AIです。
テキストから直感的に映像を作れる操作性や、高品質な映像出力、商用利用可能な点など、映像制作の現場で実用的な条件が揃っています。
まずは無料トライアルを活用し、業務や広告、SNSなどへの導入を検討してみるとよいでしょう。