OpenAI Codexとは?ChatGPTでの使い方と料金!無料プランでは使えない

OpenAI Codexは、ChatGPTから利用できるソフトウェアエンジニアリングエージェントです。

GitHubのリポジトリと接続することで、コーディングやデバッグ、プルリクエストの作成を自動化できます。

利用料金については、ChatGPTの有料プランで利用可能で、無料プランでは利用できません。

この記事では、OpenAI Codexの機能や使い方、料金について解説していきます。

目次

OpenAI Codexとは?

OpenAI Codexは、クラウドベースで動作する自然言語に対応したソフトウェアエンジニアリングのエージェントです。

ChatGPTと統合されており、Web上から利用することが可能です。

複数のタスクを同時に処理する能力を持ち、機能の記述やコードベースに関する質問への回答、バグの修正、レビューのためのプルリクエストの作成といった多様なタスクを自動化できます。

また、ソフトウェアエンジニアリング向けにo3モデルを最適化したバージョンであるcodex-1を搭載しています。

なお、現時点で公開されているのは研究プレビュー版です。

OpenAI Codexの特徴

Codexの特徴として、リポジトリ全体の内容を把握したタスクの実行が挙げられます。

実行される各タスクでは、リポジトリが事前に読み込まれ、分離された個別のクラウドサンドボックス環境で処理されます。

タスクが完了するまでには、複雑さに応じて通常1~30分かかりますが、進行状況をリアルタイムで監視することが可能です。

また、タスク完了後はターミナルログとテスト結果を提示し、タスク実行中の各ステップを追跡できます。

さらに、AGENTS.mdファイルで指示を出すことが可能であり、コードベースのナビゲート方法やテスト用に実行するコマンド、プロジェクトの標準的な実践方法などをCodexに教えられます。

OpenAI Codex CLIとの違い

OpenAI Codexと似たツールとして、OpenAI Codex CLIがあります。

OpenAI Codex CLIはローカル環境にインストールし、ターミナルで実行するツールであるのに対し、この記事でご紹介するCodexはChatGPTから利用することができます。

また、Codex CLIではAPIを使用するのに対し、CodexはChatGPT上で利用できるためAPIを作成する必要がありません。

OpenAI Codex CLIについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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OpenAI Codexの主な機能

続いて、OpenAI Codexの主な機能をご紹介します。

自然言語からコードの作成

英語や日本語など、自然言語で出された指示に基づき、PythonやJavaScript、Go、Ruby、Shellなど複数言語のソースコードを自動生成できます。

たとえば「Pythonで現在日付を表示するコードを書いて」などの依頼が可能です。

複雑な処理であっても生成可能であり、コーディング初心者でも実装までたどり着くことが可能です。

コードの予測・補完

作成したコードを与えることで、コードの文脈を把握しながら次に来る行や処理の一部を予測し補完できます。

forループ内の処理や関数・ライブラリの活用例なども的確に提示可能です。

リファクタリング

コードの生成や補完だけではなく、リファクタリングも自動で行うことが可能です。

冗長な処理や複雑な構造を持つ既存コードを整理し、重複の除去、ネスト削減、パフォーマンス向上などの改善提案を行えます。

コードの動き自体は変えることなく、可読性や効率を高めることができます。

エラーの指摘や修正提案

記述されたコードの構文エラーやバグ、未定義変数などを指摘し、改善案を提示する機能もあります。

エラーが出たコードを貼り付け、「このコードがエラーになる理由は?」と聞くと原因と修正案を提示してくれます。

学習のガイドやデバッグ作業の自動化に非常に有用です。

API連携やデータ処理のスクリプト作成

APIの呼び出しやデータ処理を実行するスクリプトの作成も可能です。

必要なライブラリのインポートや認証、データの取得、ファイルの書き出しまでを実行できるコードを生成できます。

RESTやGraphQLなどにも対応しており、サーバー間の通信処理やWebアプリの開発を自動で行えます。

ログによる動作の可視化

各タスクの実行が完了すると、テスト結果やターミナルログを見ることができ、Codexの動作が可視化されます。

ユーザーは提示された内容を確認し、変更の適用や再修正の依頼を行うことができます。

プルリクエストの提案

修正や機能の追加が行われたコードやファイルは、プルリクエストとしてまとめられます。

プルリクエストには変更理由やテスト結果が含まれており、レビュー作業時に活用できます。

AGENTS.mdによる指示

AGENTS.mdというファイルがリポジトリに設置されており、このファイルにはテスト時のコマンドや基本的な開発ルール、フォルダ構成などを記載しておくことが可能です。

Codexはこのファイルを読み取ることで、コードベースの理解と作業精度の向上を図ります。

OpenAI Codexで利用できるモデル|codex-1について紹介

OpenAI Codexには、o3 reasoningモデルをベースとしたcodex-1が搭載されています。

ここでは、主にcodex-1についてご説明します。

codex-1の特徴

codex-1は、o3モデルをソフトウェアエンジニアリング向けに最適化したモデルです。

実際の開発現場のようなさまざまなコーディングタスクによって強化学習が行われており、人間らしい自然なスタイルで、指示に沿ったコードを作成できます。

さらに、テストに合格するまで自動で修正を繰り返し、品質の高いコードを完成させます。

また、最大のコンテキスト長は192kトークンとなっており、大規模なコードも一括で読み込み可能です。

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codex-1の性能

codex-1はコーディング評価と内部ベンチマークにおいて優れた性能を発揮します。

codex-1と他のモデルにおけるベンチマークの比較結果が以下のようになっています。

出典:Codex が登場

ソフトウェア工学ベンチマークであるSWE-Bench Verifiedや、OpenAIの内部SWEタスクにおいてo3を超えるパフォーマンスを発揮していることが分かります。

codex-miniとの違い

Codexのモデルとして、codex-miniもあります。

こちらはo4-miniモデルをベースにした小型モデルであり、codex-1よりも高速な応答が可能です。

対話型の質問応答や、素早いコードの編集提案など、低レイテンシでの開発支援に適しています。

なお、現在はcodex-mini-latestとしてCodex CLIやAPI経由で利用できます。

codex-miniは軽量タスクに向いているのに対し、codex-1は複雑なタスクやテストの自動実行などが可能である点が最大の違いでしょう。

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OpenAI Codexが使用できるChatGPTの料金プラン|無料では利用不可

OpenAI Codexは、現在ChatGPTの有料プランで利用可能です。

無料プラン向けには展開していないため、Codexを使いたい場合は課金が必須となります。

それぞれのプランの料金と特徴は以下のようになっています。

項目無料版PlusProTeamEnterprise
月額料金無料20ドル200ドル30ドル/ユーザー
25ドル/ユーザー(年一括払い)
要問い合わせ
対象個人個人個人組織組織
Codexの利用

有料プランユーザーであれば、Codexを利用できます。

ただし、Plusプランはアクセスが集中した場合に利用制限がかかる可能性があります。

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一方でProプランはCodexへのアクセスが他のプランと比較して拡大されているため、ヘビーユーザーにはProプランがおすすめです。

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OpenAI Codexの使い方|ChatGPTから利用する方法

ここでは、実際にOpenAI CodexをChatGPTから利用する方法について解説します。

STEP
ChatGPTにログイン

まずはChatGPTのサイトにアクセスし、ログインします。

アカウントを持っていない方は、「無料でサインアップ」からアカウント登録しましょう。

STEP
CodexにアクセスしGitHubと連携

続いて、ChatGPTの左のサイドバーから「Codex」を選択します。

「開始」をクリックします。

「GitHubに接続する」をクリックし、「GitHubに進む」を選択すると、GitHubのサインインページが表示されます。

GitHubアカウントでサインインし、Codexとの連携を許可しましょう。

連携が完了すると、Codexのページに戻るので、接続するリポジトリを選択しましょう。

接続が完了すると、数件のタスクを例として実行してくれます。

「タスクを開始」をクリックしてデフォルトのタスクを実行しましょう。

ここまで終われば、自由にプロンプトを指定してCodexを利用することができるようになります。

STEP
プロンプトを入力して実行

リポジトリとブランチを選び、実際にさせたいタスクをプロンプトとして入力して実行します。

今回は、「スケジュール管理ツールを作成してください」をいうプロンプトを入力しました。

プロンプトを入力後、「コード」をクリックするとタスクが実行されます。

プロンプトの送信後、実行中であることが表示されます。

実行が完了すると、変更された行数が表示されます。

STEP
実行内容の確認

実行完了したタスクをクリックし、内容を確認します。

今回の例では、READMEファイルやPythonファイルなどが作成されました。

デフォルトでは各ファイルの差分が表示されます。

また、タブを変更することで実行ログを見ることも可能です。

STEP
プルリクエストの作成

右上の「PRを作成する」をクリックすると、コミットのためのプルリクエストが自動で生成されます。

GitHubのリポジトリを確認すると、プルリクエストが作成されていることが分かります。

マージすることで、リポジトリに変更内容を反映可能です。

OpenAI Codexのメリット・デメリット

最後に、OpenAI Codexを利用するメリットとデメリットをご紹介します。

OpenAI Codexのメリット

Codexを利用する最大のメリットは、開発効率の向上です。

リポジトリの内容を理解しつつ、定型的なコードの生成に加え、プルリクエストやテストまで自動で作成してくれるため、作業時間を短縮できます。

さらに、コードのデバッグやリファクタリングにも対応しているため、コードの品質や一貫性を向上させることが可能です。

また、コードやエラーの解説もできるため、初心者がコーディングを学ぶ上で有用なツールとなります。

OpenAI Codexのデメリット

Codexのデメリットとしては、生成されたコードの正確性や安全性が担保されていない点が挙げられます。

Codexは必ずしも完璧なコードを生成するとは限らず、コードの正確性は人間による確認が必要です。

さらに、脆弱性を含んだコードを生成する可能性もあり、セキュリティリスクが発生します。

また、著作権を侵害していないかについても十分注意しなければなりません。

Codexが生成した内容はユーザーが責任を持って必ず確認するようにしましょう。

OpenAI Codexをおすすめする人

Codexは、単なるプログラミングの自動化を超えて、開発の質とスピードを両立したい方におすすめです。

特に業務効率を高めたいエンジニアの方におすすめです。

定型コードの自動生成や、テスト・デバッグの自動化ができ、作業スピードの向上が図れます。

また、リファクタリングの自動化により、コードの質を高めることも可能です。

他には、プログラミング初心者の方にもおすすめです。

エラーを自動で検出し説明してくれるため、コーディングを学習する際に有用です。

まとめ

OpenAI Codexは、ChatGPTからアクセスできるソフトウェアエンジニアリングエージェントです。

GitHubに接続してコードの自動生成やデバッグ、テスト、リファクタリングの自動化ができ、さらにプルリクエストの作成までも自動で行うことができます。

利用にはChatGPTの有料プランを契約している必要があり、無料プランでは利用できません。

リポジトリ全体の内容を踏まえたコーディング支援を求めている方や、普段からChatGPTを利用している方は、ぜひCodexを試してみてください。

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