
ChatGPT-4.1は、ChatGPTの最新モデルであり、GPT-4oやGPT-4.5よりもコーディングタスクや指示追従性において高い性能を誇ります。
通常版を利用できる料金プランはPlusをはじめとした有料プランですが、軽量版のChatGPT-4.1 miniであれば無料版ユーザーでも使うことが可能です。
この記事では4oや4.5と比較したChatGPT-4.1の性能や、使い方、活用事例について解説します。

ChatGPT-4.1とは?

ChatGPT-4.1とは、OpenAIが2025年5月にChatGPTへ実装した最新のモデルです。
従来のGPT-4oに比べてコード生成精度や指示追従性が向上し、応答もより高速になりました。

また、入力において最大100Mトークンという巨大なコンテキストウィンドウを備えており、数千ページ規模の文書や長時間の対話も一度に処理できる点が大きな特徴です。
さらに小型・軽量版のGPT-4.1 miniも同時に実装され、利用シーンに応じたモデルの選択肢が拡大しました。
ChatGPT-4.1と他モデルとの違い|4oや4.5との比較

まずはChatGPT-4.1と従来のGPT-4oやGPT-4.5との違いをご紹介します。

コーディング性能
GPT-4.1は4oや4.5と比べ、コーディング性能が向上しています。
GPT-4.1は、ソフトウェア開発スキルを図るベンチマークであるSWE-bench Verifiedにおいて、タスクの54.6%を完了させました。
これは、GPT-4oの33.2%やGPT-4.5の38.0%と比べて大幅な向上となっています。

さらに、多言語でのコード編集能力を図るAider’s polyglot benchmarkにおいて、GPT-4oの2倍となるスコアをたたき出し、GPT-4.5も8%上回りました。

また、フロントエンドコーディングにも強く、GPT-4oよりも機能的で美しいウェブアプリを作成することができます。
実際に比較したところ、人間による評価では80%の人がGPT-4oよりもGPT-4.1のウェブサイトを好みました。
In our head-to-head comparisons, paid human graders preferred GPT‑4.1’s websites over GPT‑4o’s 80% of the time.
出典:Introducing GPT-4.1 in the API
処理できるトークン数
GPT-4.1は入力において最大100Mトークンを一度に扱えるコンテキストウィンドウを備えており、GPT-4oやGPT-4.5と比べて長い文章でも一度に処理できます。
GPT-4oやGPT-4.5の入力トークン数の限界は128kトークンであり、GPT-4.1はこれらの約8倍となっています。
コンテキストウィンドウ内にある特定の情報を取得する能力を表すNeedle in a Haystackというタスクにおいて、GPT-4.1は高い性能を誇ります。

この大容量のコンテキストウィンドウにより、これまで複数回に分けて処理する必要があったタスクを一度に完結できます。
マルチモーダル機能
ChatGPT-4.1はマルチモーダル機能も優れており、GPT-4oやGPT-4.5よりも画像や動画の理解に優れています。
チャートや図、地図などを含む質問に答えるベンチマークであるMMMUにおいて、GPT-4.1はGPT-4oを上回っています。

さらに、科学論文の図表に関する質問に答えるベンチマークであるCharXiv-Reasoningでは、GPT-4oやGPT-4.5よりも高い性能を誇ります。

また、Video -MMEという30~60分の字幕なし動画に基づいて多肢選択式の質問に回答するベンチマークでも、GPT-4.1はGPT-4oよりも高いスコアを獲得しています。

指示追従性
ChatGPT-4.1は、GPT-4oと比べて指示追従性が増しています。
開発者のフィードバックに基づく指示追従性のパフォーマンスでは、GPT-4.1はGPT-4oを大きく上回るスコアを獲得しました。
一方でGPT-4.5のスコアには届いていません。

また、マルチターンの会話における指示追従性を確かめるMultiChallengeというベンチマークでも、GPT-4.1はGPT-4.5には及ばないもののGPT-4oを上回る性能を発揮しています。

そして、IFEvalという出力形式や否定指示などを検証するベンチマークではGPT-4oを上回り、GPT-4.5とほぼ同等の性能水準となっています。

ChatGPT-4.1が使える料金プランは?無料版でも使えるminiも紹介

ChatGPTには複数のプランがありますが、GPT-4.1はすべてのプランで使えるわけではありません。
ここでは、GPT-4.1が利用できるプランをご紹介します。
ChatGPT-4.1が使える料金プラン一覧
ChatGPT-4.1は、2025年5月現在では有料プランのPlus・Pro・Team・Enterpriseでのみ利用可能です。
それぞれのプラン料金と特徴は表のようになっています。
プラン | 料金 | GPT-4.1の利用制限 | 特徴 |
---|---|---|---|
ChatGPT Plus | 20ドル/月 | 利用制限あり(回数不明) | ほとんどのモデルや機能が利用でき、リクエスト制限も緩和 |
ChatGPT Pro | 200ドル/月 | 無制限 | すべてのモデルが無制限に利用でき、動画生成などの機能へのリクエストも拡大 |
ChatGPT Team | 30ドル/月/ユーザー | 利用制限あり(回数不明) | Plusに加え、管理者コンソールなどの組織向け機能を利用可能 |
ChatGPT Enterprise | 要見積 | 利用制限あり(回数不明) | ドメイン認証やアナリティクスダッシュボードなど、 より高度な組織向け機能を利用可能 |
基本的な有料プランであるPlusでも利用できるため、性能を試してみたいという方はPlusプランを選ぶことになるでしょう。
また、組織向けプランのTeamやEnterpriseでも問題なく利用できます。
もし無制限に利用したい場合は、最上位プランであるChatGPT Proを選択する必要があります。

ChatGPT-4.1 miniなら無料ユーザーでも利用可能
ChatGPT-4.1の軽量版モデルであるminiであれば、無料ユーザーでも無制限に利用可能です。
通常のGPT-4.1よりは性能が下がりますが、高速な応答が可能であり、従来のGPT-4o miniをパフォーマンスで大きく上回り、GPT-4oにも匹敵します。

もちろん有料版ユーザーでもGPT-4.1 miniを利用可能であり、日常タスクにおいて高速な応答を求める場合に最適です。
ChatGPT-4.1の使い方

ここでは、実際にChatGPT-4.1を使う手順を解説します。
チャット画面の左上から、使用するモデルを選べます。

GPT-4.1やGPT-4.1 miniは、「他のモデル」から選ぶことができます。

メッセージウィンドウに質問やタスクを書いて送信します。
今回はクイックソートを実行するコードの作成を依頼しました。

生成されたコードがこちらです。
def quick_sort(arr):
# ベースケース:配列の長さが1以下ならそのまま返す
if len(arr) <= 1:
return arr
# ピボットを配列の先頭要素とする
pivot = arr[0]
# ピボットより小さい要素
left = [x for x in arr[1:] if x <= pivot]
# ピボットより大きい要素
right = [x for x in arr[1:] if x > pivot]
# 再帰的にソートして結合
return quick_sort(left) + [pivot] + quick_sort(right)
# 使用例
data = [8, 3, 1, 7, 0, 10, 2]
sorted_data = quick_sort(data)
print(sorted_data) # [0, 1, 2, 3, 7, 8, 10]
ChatGPT-4.1の活用事例

最後に、ChatGPT-4.1の適した活用事例をご紹介します。
ChatGPT-4.1はコーディングに特化しており、また一度に処理できるトークン数が多いため、コーディング支援やドキュメント分析に向いています。
コーディング支援
ChatGPT-4.1は自然言語の指示から即座にサンプルコードを生成できます。
また、既存のコードを貼り付ければ構文エラーやロジックバグを自動で指摘し、改善案を提示してくれるため、デバッグ時間を大幅に短縮可能です。
さらにリファクタリングやパフォーマンス最適化のアドバイスも受け取れるため、品質と効率を同時に高められます。
複数言語やフレームワークにも精通しており、異なる技術スタック間の移植や最適な実装方法の比較検討にも役立ちます。
これらにより、コーディング業務の効率化が可能です。
ドキュメント分析
ChatGPT-4.1は、一度に処理できるトークン数が多いため、長大な報告書や論文を高速で要約し、要点・結論・次のアクションを抽出して一覧化できます。
また、固有表現抽出と文脈解析を組み合わせることで、人物・組織・数字・根拠文献などの重要情報を自動でタグ付けし、検索や可視化に役立てられます。


他にも、引用漏れや表記揺れ、論理飛躍などの書式・内容上の問題点も指摘し、所定のスタイルガイド(例:APAやIEEE)に沿った修正案を提示してくれます。
さらに多言語文書間の比較分析や、複数資料を統合した洞察レポートの生成も行えるため、研究レビューや市場調査の効率が大幅に向上するでしょう。
まとめ
ChatGPT-4.1はChatGPTで使用できる最新のモデルであり、特にコーディングにおいて従来の4oや4.5の性能を上回ります。
また、一度に処理できる入力トークン数も大幅に増加しており、指示追従性やマルチモーダル機能の性能も向上しています。
軽量版の4.1 miniであれば無料版ユーザーでも利用できるため、気軽に性能を試すことが可能です。
GPT-4.1を使うことで、これまで以上にコーディングをはじめとするさまざまなタスクで効率化を図ることができるでしょう。