アメリカ政府は、台湾積体電路製造(TSMC)やサムスン電子などが製造する最先端の半導体が中国に渡るのを防ぐため、新たな規制を導入しました。
この規制は、バイデン政権が中国への技術流出を抑え、国家安全保障を強化する取り組みの一環として行われたものです。
新しい規制では、TSMCやサムスンなどの半導体メーカーが顧客に対する審査を強化し、特に中国企業との取引を厳しく管理する必要があります。
背景には、これらの最先端半導体が依然として中国やロシアに流入している実態があります。
たとえば、TSMC製のチップがブラックリストに載っているファーウェイに密かに供給されていたことが判明し、この問題を受けて規制が強化されました。
さらに、アメリカ商務省は中国政府の支援を受けているとされる16の中国企業を制裁対象に追加しました。
この中には、ファーウェイへの半導体供給に関与したとされるSophgo Technologies Ltd.も含まれています。
また、特定の最先端半導体を輸出する企業に対し、ライセンスの取得要件を拡大し、これらの半導体が「信頼できる」顧客や認可された組立業者を通じてのみ供給されるよう厳しい条件が課されます。
アメリカ商務省のジーナ・レモンド長官は、「これらの規制は、中国や他国が我々の法律をすり抜けて国家安全保障を脅かすことを防ぐためのものです。今後も新たな脅威に対応し、規則を積極的に執行していきます」と述べました。
一方、中国政府はこれに強く反発しています。
中国商務省は「アメリカの一連の措置に断固反対する」とし、「これらの規制はむしろ中国の自立と技術革新を促進するだろう」との声明を発表しました。
アメリカと中国の間で激化する技術競争が、今回の規制によりさらに深まる可能性があり、半導体市場や国際的な関係への影響が注目されています。
出典:US Unveils New Rules to Curb Flow of Advanced Chips to China – Bloomberg