OpenAIによるWindsurf買収が破談 CEOら主要人材はGoogleへ移籍

米AI大手のOpenAIが進めていたAIコーディングスタートアップ「Windsurf(ウィンドサーフ)」の買収が破談になり、代わってGoogleがWindsurfのCEOをはじめ主要メンバーを引き抜いたことが明らかになりました。

OpenAIは数カ月前からWindsurfを30億ドル(約4200億円)で買収する交渉を進めていましたが、筆頭株主であるMicrosoftが契約内容に難色を示したことで決裂しました。問題となったのは、Microsoftが持つ買収企業の知的財産に対するアクセス権です。OpenAIはMicrosoftがWindsurfの先進的なAI技術を自由に利用することを望まず、これが買収交渉の障害になったと伝えられています。

これを受けてGoogleは、Windsurfが持つ一部のAI技術を非独占的にライセンス取得すると同時に、WindsurfのCEOであるヴァルン・モハン氏、共同創業者のダグラス・チェン氏、および研究開発部門の一部社員をGoogle DeepMindチームに迎え入れました。契約額は約24億ドル(約3360億円)と報じられています。GoogleはWindsurfの株式取得や経営権の取得は行わず、Windsurfの既存従業員の大半は引き続き同社に残ります。Windsurfの新体制として、ビジネス部門責任者だったジェフ・ワン氏が暫定CEOに、グローバルセールス担当副社長のグラハム・モレノ氏が新たに社長に就任します。

Google DeepMindに移籍したモハン氏らは、主にエージェント型コーディングという高度なAI分野の研究開発を担当し、Googleの主力AIモデルである「Gemini(ジェミニ)」の機能強化に注力するとされています。

Googleが今回行った契約は、「アクイハイヤ(acquihire)」と呼ばれるもので、企業の買収や技術ライセンスの形式をとりながら実際には優秀な人材獲得を目的としています。Googleは2024年にも、約27億ドル(約3780億円)を投じてCharacter.AIの技術を非独占的にライセンス取得し、創業者であるノーム・シャジール氏を含む主要人材を再雇用する同様の取引を行っています。こうした取引は、AI業界における人材獲得競争の激しさを象徴するもので、MicrosoftやAmazonといった他の巨大テック企業も同様の手法を活発に展開しています。


出典:OpenAI’s Windsurf deal is off — and Windsurf’s CEO is going to Google | The Verge
出典:Exclusive | Google to Pay $2.4 Billion in Deal to License Tech of Coding Startup, Hire CEO – WSJ

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