OpenAI、動画生成AI「Sora」を正式リリース「Sora Turbo」も登場

出典:Sora is here | OpenAI

OpenAIは、平日12日間にわたり開催中のライブ配信イベント「12 Days of OpenAI」の3日目に、動画生成AI「Sora」を正式にリリースしました。

今回発表された「Sora」は、テキストや画像を基にリアルな動画を生成できるAIモデルであり、新たなバージョン「Sora Turbo」が公開されました。

「Sora Turbo」は従来のモデルよりも高速で、最大20秒の動画を1080p解像度で生成できるなど、さらなる性能向上が図られています。

目次

進化した「Sora Turbo」と多彩な機能

「Sora Turbo」は、動画の生成速度を大幅に向上させるだけでなく、さまざまなアスペクト比(ワイドスクリーン、縦型、正方形)に対応しています。

また、ユーザーインターフェイスも刷新され、テキストや画像を用いた直感的な操作が可能です。

特に注目されるのは、「ストーリーボード」ツールや「リミックス」機能といった新機能です。

ストーリーボードは、個人のタイムライン上でビデオの独自のシーケンスを整理および編集します。

出典:Sora | OpenAI | OpenAI

リミックスは、ビデオ内の要素を置き換えたり、削除したり、作り直したりできます。

出典:Sora | OpenAI | OpenAI

これらを利用することで、複雑な動画シーケンスの作成や、既存のコンテンツを再編集して新しい動画を生成することが容易になりました。

さらに、「Sora」は生成された動画にC2PA形式のメタデータを埋め込むことで、動画の出所を透明化しています。

この仕組みにより、著作権や悪用防止の対策が強化されています。

動画生成におけるクレジットシステムと制限

「Sora」を利用するには、解像度や動画の長さに応じたクレジットが必要です。

ChatGPT Plusのユーザーは月1,000クレジット、Proユーザーは月10,000クレジットが付与されます。

480pの動画生成には 20~150クレジット、720pは30~540クレジット、1080pは100~2,000クレジットかかります。

また、クレジットは月末にリセットされ、繰り越しはできません。

Proプランでは、優先度の低い「低速生成モード」で無制限に生成可能ですが、これには透かしが追加される仕様です。

本物の人の動画生成機能の限定公開

「Sora」の特長的な機能である、本物の人の画像や映像を基にした動画生成機能については、現在一部のユーザーに限定的に提供されています。

OpenAIは、この機能が悪用されるリスクを考慮し、段階的な導入を選択しました。

具体的には、ディープフェイクや不正利用を防止するため、未成年を検知するフィルタや著作権に関わる要求を制限する仕組みを取り入れています。

さらに、生成された動画には透明性を確保するためのメタデータが付与されており、悪用を防ぐための技術的な基盤が整備されています。

ヨーロッパ市場への展開は未定

「Sora」は現在、ヨーロッパ市場では利用できません。

EUの規制やデータ保護法に対応するため、OpenAIは慎重にリリース計画を進めており、具体的な時期については未定です。

過去の「Advanced Voice Mode」などでも同様の遅延が発生しており、AI技術の導入におけるEU規制の課題が浮き彫りになっています。

まとめ

ライブ配信イベント「12 Days of OpenAI」の3日目に発表された「Sora」は、クリエイティブ業界に新たな可能性をもたらす画期的なツールです。

一方で、悪用防止のための制限や、未成熟な規制環境への対応といった課題も存在します。

OpenAIは慎重なアプローチを取りつつ、ユーザーのフィードバックを取り入れながら進化を続けています。

この連続配信イベントでは、今後も次世代AI技術に関する発表が予定されており、「Sora」を含む新技術の展開がさらに注目されるでしょう。


出典:Sora is here | OpenAI
出典:OpenAI’s Sora video generator is launching for ChatGPT Pro and Plus subscribers — but not in the EU | TechCrunch
出典:Why OpenAI is only letting some Sora users create videos of real people | TechCrunch

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