
米OpenAIのサム・アルトマンCEOは、自身のXで、文学や小説などの創作的な文章を得意とする新しいAIモデルをトレーニングしたことを明らかにしました。
モデルの具体的なリリース時期や詳細については明らかにされていませんが、アルトマン氏は自身が「AIの書いた文章で初めて深く感銘を受けた」と述べており、その完成度の高さに驚きを示しています。
アルトマン氏は、自らの投稿の中で同モデルが生成した文章例を公開しました。
この文章は、「AIと悲しみをテーマにメタフィクション形式(これがフィクションだとあえて作中で言及するような作品)の短編小説を書く」というプロンプトを与えた上で生成されたもので、AIがあたかも自身の創作過程を自覚的に語るような構造になっています。
we trained a new model that is good at creative writing (not sure yet how/when it will get released). this is the first time i have been really struck by something written by AI; it got the vibe of metafiction so right.
— Sam Altman (@sama) March 11, 2025
PROMPT:
Please write a metafictional literary short story…
ただ、一部の読者からは、「AIが生成した文章は、表面的な美しさはあるが、人間が書いた作品ほどの重みや感情の深さがない」といった否定的な意見も出ています。
It's stuff like this has me conflicted about AI and art. I read the first few paragraphs… and I just didn't care about anything written. There's no weight to the words being expressed, no meaning beyond those of the words written. If you told me this was written by a human it…
— Jared Davidson (@Archetapp) March 11, 2025
この分野では最近、他社の動きも活発化しています。
2025年3月7日には、米Sudowrite社が、小説や文学的創作に特化したAIモデル「Muse(ミューズ)」を発表し、SNSを中心に大きな話題を呼びました。
Today, we're launching Muse, an AI model specifically trained for fiction. We've been testing Muse with hundreds of authors for months, and we're excited to finally share it with the world. pic.twitter.com/dMw4uc52xF
— james yu (@jamesjyu) March 6, 2025
Museは、2万人以上の作家との対話を通じて得られた知見を反映して開発されたAIで、小説のテーマや文体、登場人物まで自在に調整することが可能です。
文学的な表現を生み出すことに特化した専門型モデルとして、多くの作家やユーザーから好評を得ています。
OpenAIが今回トレーニングしたモデルは、Museと同様に、文学や小説の生成を目的としていますが、リリースに関する詳しい情報は未定のままです。
しかし、Museの登場もあり、AIを使った文学分野の創作活動は今後ますます注目を浴びそうです。