
米AI研究企業のOpenAIは24日、組織の拡大に伴い経営陣の新たな体制を発表しました。
CEOのサム・アルトマン氏は、従来の業務から技術や研究分野への関与を一層深めることになります。
新たな経営体制では、最高執行責任者(COO)を務めるブラッド・ライトキャップ氏が、ビジネス戦略や主要パートナーシップの構築、インフラの整備、日常的な業務運営などを全面的に担当します。

ライトキャップ氏は、アルトマン氏とともにYコンビネータやOpenAIで9年間にわたり協働してきました。
アルトマン氏は今回の体制刷新にあたり、「ブラッドが卓越した才能を持つことは9年前から明らかでした。彼がOpenAIにもたらしてきた貢献は並外れており、新たな役割でさらに大きな成果をあげることを期待しています」と述べ、高い評価を示しています。
また、最高研究責任者(Chief Research Officer)には、長年OpenAIで研究をリードしてきたマーク・チェン氏が就任しました。

チェン氏は研究開発の最前線で科学的進展を推進しつつ、研究と製品開発をこれまで以上に密接に連携させ、研究成果を迅速に製品化する役割を担います。
アルトマン氏は「マークが一研究者から卓越したリーダーへと成長する過程を長年見てきました。彼のようにリーダーシップを確立した人物は他に見たことがありません」と、その実績と手腕を称賛しています。
さらに、OpenAIの組織規模がグローバルに拡大する中、新設された最高人事責任者(Chief People Officer)には、ジュリア・ヴィラグラ氏が就任しました。

ヴィラグラ氏の役割は、優秀な人材がOpenAIを選び、定着し、活躍できるような企業文化を築き上げることです。
特に、AGI(汎用人工知能)の開発において世界中の才能が集まる職場環境の整備が求められています。
アルトマン氏は「ジュリアとは短期間しか一緒に働いていませんが、急成長企業が直面する課題への深い理解力と、それを支える組織文化を創り上げる能力に非常に感銘を受けています」と高く評価しています。
今回の経営陣刷新により、OpenAIはAI研究のフロンティアを推し進めつつ、ビジネスとしての成長と組織基盤の強化を同時に実現することを目指しています。
アルトマン氏を中心とした新体制が、どのように企業のビジョン達成に貢するのか、今後の動向に注目が集まります。