
OpenAIは、元アップルの著名デザイナーであるジョニー・アイブ氏が創業したAIデバイス企業「io(アイオー)」を65億ドル(約6500億円)の全株式取引で買収すると発表しました。買収後は、アイブ氏率いるデザイン会社LoveFrom(ラブフロム)が、OpenAIのクリエイティブおよびデザイン全般を担当する予定です。
thrilled to be partnering with jony, imo the greatest designer in the world.
— Sam Altman (@sama) May 21, 2025
excited to try to create a new generation of AI-powered computers. pic.twitter.com/IPZBNrz1jQ
アイブ氏は2023年頃からOpenAIのCEOサム・アルトマン氏と共同で、画面に依存しない新しいユーザー体験を提供する製品のアイデアを練っていました。この協業が発展した結果、翌2024年に、アイブ氏が元アップル幹部らと共にioを設立しました。関係者によると、具体的にはヘッドフォンやカメラ付きデバイス開発が検討されているとのことです。
今回の買収により、ioに所属するエンジニアや物理学者、製品開発の専門家など約55名がOpenAIに統合されます。一方で、LoveFromは引き続き独立した企業として活動し、OpenAIのデザイン分野におけるパートナーとして支援を提供していきます。
アイブ氏は、アップル在籍時にiPhoneやMacなどのデザインを主導し、2019年に独立。フェラーリやAirbnbなどの企業向けにデザインを手掛けるLoveFromを設立したのち、ioの創業に至りました。同氏は「過去30年の経験すべてが、この瞬間につながっていると感じます」と述べ、OpenAIとの新たな関係性に期待を示しています。
アルトマン氏は、これまでスマートフォン依存に対して批判的な立場を示しており、画面にとらわれないAIデバイスの実現を目指していました。今回の買収を通じてOpenAIは一般消費者向け製品への進出を本格化させ、AI技術とデザインを融合した革新的な製品開発を加速させる計画です。
出典:Sam and Jony introduce io | OpenAI
出典:Former Apple Design Guru Jony Ive to Take Expansive Role at OpenAI – WSJ