米国時間2024年5月22日、Microsoft・Providence・ワシントン大学の三者は、医療向けAIモデル「Prov-GigaPath」を開発したと発表しました。このモデルは、170,000以上の実世界のスライドから13億以上のパソロジー画像タイルでプレトレーニングされており、デジタルパソロジー初のホールスライドファンデーションモデルです。また、関連論文が同日「Nature」に掲載されました。
「Prov-GigaPath」は、デジタル画像から病気の兆候である「マーカー」をAIが認識するモデルで、がん分類など26個の評価テストのうち25個で最先端の性能を達成しています。この成果は、大規模な実世界データを用いたホールスライドモデル化の重要性を示しており、患者ケアの進歩と臨床発見の加速に寄与するものです。
論文では今後の展望として、Microsoftが開発する医療特化AIモデル「LLaVA-Med」のようなマルチモーダル学習フレームワークをProv-GigaPathに組み込むことで、マルチモーダルな医療アシスタントを実現できる可能性に言及しています。Microsoftは「Prov-GigaPath」を「精密医療のための有望な一歩」と位置付けています。