
Devinとは、ソフトウェアエンジニアリングを専門とする自立型AIエージェントです。
DevinはAIアシスタントとは違い、人間の指示を仰ぐことなく開発の各工程を組み立て、工程に従って開発を進めることができます。
本記事では、Devinの使い方や料金、始め方から、日本語に対応しているのか、わかりやすく紹介します。
Devinとはソフトウェアエンジニアリングに特化した自立型AIエージェント

Devinは、アメリカのAIスタートアップ企業、Cognition社が開発したソフトウェアエンジニアリングを専門とする自立型AIエージェントです。
DevinはChatGPT-4のような従来のAIアシスタントと違い、人間の指示を仰ぐことなく、自ら判断してソースコードの作成、テスト、デバッグ、デプロイといった開発の各工程作業を進めます。
たとえば、特定の機能を追加するタスクを与えると、コードを生成するだけでなく、それが期待通りに動作するかテストし、デプロイまでも実施してくれます。
さらには、エディタやターミナルなどの開発ツールを操作し、作成したコードを実行することも可能です。
自律的に処理する能力を持っているため、エンジニアの負担を大幅に軽減する可能性を秘めているとして、注目を集めているのです。
Devinの強みと弱みは?日本語対応は遅れている?

Devinを利用することのメリットとして、以下の3点があげられます。
- 開発スピードの大幅な向上
-
コード生成のほか、バグ修正・デプロイなど開発全般が可能なことから、反復作業を中心に開発スピードの大幅な向上が期待できます。
- 人間のエンジニアが創造的なタスクに集中できる
-
Devinにルーチンワークを任せることで、人間のエンジニアは設計やアーキテクチャの改善、最適化といった創造的な業務に集中できるようになります。
- バグ修正の自動化
-
Devinは、発生したバグ検出・修正・修正内容のテスト確認を試みることができるため、開発者の作業負担を減らします。
Devinのデメリットとして、以下の3点があげられます。
- 日本語対応の遅れ
-
Devinが使用する開発Workspace(作業画面)は英語表記であり、現時点では多言語対応はしていません。
このため、日本の開発者がすべてを日本語で進めることはできず、英語を理解できることが必要です。
なお、Slackなどを通じた指示(プロンプト)は日本語でも可能ですし、応答も「日本語で」と指示しておけば日本語でも答えてくれます。
- 月額料金が高め
-
Devinの使用料は高めに設定されており、導入には費用対効果の評価が必要です。
- 完全な自動化にはまだ課題が残る
-
現状のDevinは開発の補助ツールとしての側面が強く、人間のエンジニアの介入が必要です。
Devin の使い方は?主な機能をご紹介

ここでは、Devinのソフトウェアエンジニアリングにおける主な機能を紹介します。
ソフトウェア開発の自動化をめざす
Devinは、開発者が仕様を提示すれば、それに基づいてコードを生成し、テストやデバッグを経て、実際にシステムをデプロイするところまで実施することも可能です。
さらに、仕様変更の際もDevinが自動でコードの修正や最適化にアプローチします。
AIエージェントとしてとしてタスク管理もできる
Devinは、単なる開発ツールではなくタスク管理AIとしての役割も果たします。
例えば、開発プロジェクトにおけるタスクを整理し、どの作業を優先するべきかを判断することが可能です。
また、マルチタスク処理が可能であり、複数の開発タスクを同時に処理できます。
Devinの始め方

Devinの基本的な始め方として、アカウントの作成からセットアップ、初回実行までの流れを解説します。
Devinを適切にセットアップし、実際の開発に活用することで、ソフトウェア開発の効率を飛躍的に向上させることができるでしょう。
Devinを始める手順は以下のとおりです。
- Devinアカウントを作成する
- APIキーを取得する
- セットアップと初期設定を行う
- Devinを実行する
以下で細かく各ステップを見ていきます。
Devinアカウントを作成する
Devinを利用するためには、まずCognitionの公式サイトでアカウントを作成する必要があります。
これにより、開発環境とDevinを連携させ、ソフトウェア開発プロジェクトにAIエージェントを導入する準備が整います。
登録の概要手順は以下のとおりです。
アカウント名としては、メールアドレス・Googleアカウント・GitHubアカウントのいずれかを選択して、アカウント作成を行います。

まず、GitHubとSlackを利用しているか確認し、次に、会社名などの組織名を入力します。

Cognitionは、有料のTeamプランとカスタム価格のEnterpriceプランを提供しています。
Teamプランでは基本的な機能を試すことができ、より高度な機能を利用する場合はEnterpriceプランが適しています。
2つのプランについて詳しくは後述します。
プランを選択することで所定の時間内は追加費用なしでDevinを利用できますが、所定の時間枠を使いきってしまうと、追加費用が必要になります。
追加費用を払ってもDevinを使いたい場合は、事前に追加費用枠購入に関する設定を行います。
Devinを効果的に利用するための方針が表示されますので、内容を確認して「Start using Devin」をクリックすれば、利用できます。
APIキーを取得する
アカウントの登録が完了したら、Devinを開発環境と連携させるためのAPIキーを取得します。
APIキーは、Devinをプロジェクト内で使用するための認証情報となるため重要です。
Devinアカウントでログインして設定ページに移動します。
取得したAPIキーを安全な場所に保存し、開発環境で使用できるように設定します。
APIキーを環境変数として設定することで、プロジェクトごとに安全に利用することが可能です。
セットアップと初期設定が必要
Devinを開発環境で使用するには、GitHubとの連携、Slackの設定などの初期設定が必要です。
これにより、Devinをチーム内のワークフローに組み込み、シームレスに活用できるようになります。
GitHubを使用することで、Devinがコードを直接操作し、変更をプルリクエストとして提出できます。
GitHubとの連携の概要手順は以下のとおりです。
Slackとの連携を行えば、@Devinをタグ付けするだけで、Devinからの通知を開発チームでリアルタイムで受け取ることができます。
Slackとの連携の概要手順は以下のとおりです。
個々のユーザーは、https://app.devin.ai/settings/integrationsでSlackの「接続ユーザー」を設定できます。
この設定により、開発チームはコードの変更やバグの修正状況を即座に把握できます。
Devinを実行する
初期設定が完了したら、いよいよDevinを実行し、実際の開発プロジェクトに適用させましょう。
Devinを導入した直後は、小規模なタスクから試すことをおすすめします。
例えば、既存のコードのリファクタリングを依頼することで、AIエージェントの動作を確認できます。
リファクタリングの例は以下のとおりです。
- Devinに「この関数の可読性を向上させて」と依頼
- Devinがコードの構造を整理し、最適なコードを提案
- GitHubにプルリクエストとして反映し、レビューを行う
このプロセスを通じて、Devinのコード生成能力やリファクタリングの質を確認しましょう。
また、Devinを初めて実行する際には、以下の点に注意することが重要です。
- AIの提案を鵜呑みにせず、必ずレビューを行う
- 複雑な仕様変更は段階的に適用する
- Devinの学習プロセスを活かし、継続的に調整を行う
初回は小さなタスクから試し、徐々に規模を拡大していくことでDevinとの齟齬を防げるでしょう。
Devinの料金プラン

Devinの料金体系は、利用ニーズに応じて選べるTeamプランとEnterpriseプランの2種類が展開されています。
また、Devinの利用料金は、作業時間に基づく課金システムを採用しており、ACU(AI Compute Unit)という単位で使用時間に応じた費用が発生する従量制です。
本記事では、各プランの詳細や料金の計算方法について解説していきます。
料金体系はTeamプランとEnterpriseプランの2つ
Devinは、利用規模に応じて2つの料金プランを提供しています。
- Teamプラン($500/月):小規模チーム向け
- Enterpriseプラン(カスタム価格):大規模開発向け
Teamプランは、主にスタートアップや中小規模の開発チーム向けのプランで、以下のような特徴があります。
基本料金 | $500/月 |
---|---|
利用可能ユーザー数 | 無制限 |
標準ACU(AI Compute Unit) | 250 ACU/月(超過分は追加課金) |
特徴 | GitHub・GitLabなどのソースコード管理ツールと連携可能 基本的な開発・デバッグ・テスト機能が含まれる Slack通知などの基本的なチーム機能が利用可能 |
Devinを使ってコードのリファクタリングやバグ修正、テストの実行などを自動化し、開発の効率化を進めることができます。
小規模なチームで作業負担を軽減しつつ、開発スピードを向上させたい場合に最適なプランです。
Enterpriseプランは、大企業や大規模プロジェクト向けに提供されるプランで、カスタム価格となっており、以下のような特典があります。
基本料金 | 要相談(契約内容によって異なる) |
---|---|
利用可能ユーザー数 | 無制限 |
標準ACU(AI Compute Unit) | 契約内容に応じて調整 |
特典 | 高度なAIカスタマイズ機能 専用サーバー環境へのデプロイが可能 社内開発ツールとの連携オプション コンプライアンス・セキュリティ要件に対応 |
Devinをより高度な開発環境に統合し、大規模な開発チームがシームレスに利用できるようにカスタマイズが可能です。
また、社内ツールとの統合や、企業のコンプライアンス要件に合わせたカスタマイズが行えるため、エンタープライズ向けの要件を満たす柔軟なソリューションが提供されます。
Devinでは利用時間で料金が増える
Devinの料金は、月額固定のプランに加えて、作業時間(ACU)に応じた従量課金制を採用しています。
特に、開発規模が大きくなるにつれて、AIが処理するタスク量が増え、それに伴い利用料金も増加する仕組みになっています。
- 1 ACU=約15分の作業時間
-
Devinの利用時間はACU(AI Compute Unit)という単位で管理されています。1 ACUは約15分間の作業時間に相当し、コードの作成、デバッグ、テスト、デプロイといった作業がこの時間内で処理されます。
- 250 ACU/月が基本料金に含まれる
-
Teamプランでは、250 ACU(=約62時間30分の作業時間)が月額$500の基本料金に含まれています。この範囲内であれば、追加費用なしでDevinを活用することができます。
まとめ
自立型AIエージェントしてソフトウェアエンジニアリング分野で実用に供され始めているDevinについて、その概要と特徴について紹介しました。
今後は、ChatGPTのようなAIアシスタントのみならず、目標を与えれば自分でその達成計画を立てて実施していくAIエージェントが注目され、実際に利用できるようになると考えられます。
自立型AIエージェントを利用するうえでの参考にしてみてください。