DeepSeek R1とは?使い方やデータ保管と出力の注意点!料金は無料で日本語対応

人工知能(AI)の進化は日々目覚ましく、その中でも特に注目されているのがDeepSeek R1です。

本記事では、DeepSeek R1の概要、利用方法、料金体系、安全性について詳しく解説します。

特に、日本語対応の状況や料金体系、実際の使い方について初心者にも分かりやすく説明します。

この記事を読むことで、DeepSeek R1の可能性を引き出し、スムーズに活用できるようになるでしょう。

目次

DeepSeek R1とは?驚きの性能とその特徴

DeepSeek R1は、中国のAI企業DeepSeekが開発した大規模言語モデル(LLM)です。

数学や科学的推論、コード生成などの分野で特に高い精度を誇り、OpenAIのo1と同等の性能を持っています。

オープンソースのMITライセンスで提供され、無料で利用可能です。

DeepSeek R1は推論モデルのLLM

DeepSeek R1は、特に推論(ものごとを考えて答えを出すこと)が得意なAIです。

例えば、難しい数学の問題を解いたり、プログラムのミスを見つけたりすることができます。

このAIは、DeepSeek-V3というモデルを基にして作られ、強化学習という特別なトレーニング方法で学んでいます。

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これはAIが試行錯誤を繰り返しながら、より正しい答えを出すための学習方法です。

また、このAIはただ計算するだけではなく、人間が考えるように情報を整理し、最適な答えを出すことができるのが特徴です。

そのため、AIを活用した研究や開発の分野では特に注目されています。

OpenAIのo1に匹敵する能力

DeepSeek R1は、AIの性能を測るテスト(AIME 2024)で79.8%の正解率を出しました。

これは、OpenAIのo1-1217というAIとほぼ同じ結果です。つまり、DeepSeek R1はとても賢いAIだということです。

引用:DeepSeek

他のAIとの性能を比較した結果は以下の通りです。

スクロールできます
AIの名前AIME 2024 pass@1AIME 2024 cons@64MATH-500 pass@1GPQA Diamond pass@1LiveCodeBench pass@1CodeForces rating
GPT-4o-05139.313.474.649.932.9759.0
Claude-3.5-Sonnet-102216.026.778.365.038.9717.0
o1-mini63.680.090.060.053.81820.0
QwQ-32B44.060.090.654.541.91316.0
DeepSeek-R1-Distill-Qwen-1.5B28.952.783.933.816.9954.0
DeepSeek-R1-Distill-Qwen-7B55.583.392.849.137.61189.0
DeepSeek-R1-Distill-Qwen-14B69.780.793.959.153.11481.0
DeepSeek-R1-Distill-Qwen-32B72.683.394.362.157.21691.0
DeepSeek-R1-Distill-Llama-8B50.480.089.149.939.61205.0
DeepSeek-R1-Distill-Llama-70B70.086.794.565.257.51633.0
参照:DeepSeek

この結果を見ると、DeepSeek R1の中でも特にDistill-Qwen-32BやDistill-Llama-70Bのバージョンが高い成績を出していることがわかります。

特にMATH-500のパフォーマンスは94.5%と、他の多くのAIと比べても非常に高いです。

これは数学的な問題解決が得意であることを示しています。

また、LiveCodeBenchやCodeForcesの評価も高いため、プログラミングに関連したタスクにも強いことがわかります。

オープンソースライセンス(MITライセンス)

DeepSeek R1は、オープンソースライセンス(MITライセンス)という自由に使えるルールで公開されています。

これにより、以下のようなメリットがあります。

  • 企業や個人の制限がなく無料で使え商用利用も可
  • 用途に応じた最適化やAI開発が自由にできる
  • オープンソースで解析や技術開発に活用できる
  • GitHubで公開され環境に合わせたカスタマイズが可能

特に研究機関や企業にとっては、自由にAIをカスタマイズして活用できる点が非常に魅力的です。

さらに、学習データを追加してより専門的な用途に特化させることも可能であり、業界ごとの最適化が容易になっています。

型落ちのチップを使ってDeepSeekショックを引き起こす

DeepSeek R1は、最新のAIと同じレベルの性能を持ちながら、古いチップで動作するという点で、多くの専門家を驚かせました。

通常、最先端のAIを開発するには高性能な最新の半導体チップが必要とされます。

しかし、DeepSeek R1の開発には、NVIDIAのH800チップが使用されました。

このH800は、中国向けに性能を制限された旧型のチップであり、最新のH100やH200と比べると性能が劣ります。

それにも関わらず、DeepSeek R1はOpenAIのo1と同等の性能を発揮し、多くの専門家を驚かせました。

この結果は、AIモデルの効率的な設計と、強力な最適化技術によるものです。

さらに、この成功はAI業界全体にも影響を与え、特にNVIDIAの株価にまで波及しました。

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なぜなら、これまで「最新の高性能チップがなければ、高品質なAIは作れない」と考えられていたからです。

しかし、DeepSeek R1はこの常識を覆し、型落ちのチップでも十分に戦えることを証明しました。

日本語にも完全対応

DeepSeek R1は、日本語にも対応しており、日本のユーザーにも使いやすいモデルです。

ただし、元々のAIの学習プロセスは英語がメインとなっているため、完全な日本語対応とは言えません。

しかし、2025年1月27日、サイバーエージェントがDeepSeek R1をさらに日本語向けに強化したモデルを無料で公開しました。

このモデルは、「DeepSeek-R1-Distill-Qwen-14B/32B」をベースに、日本語能力を強化したものであり、Hugging Face上で公開されています。

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DeepSeek R1の料金プラン!完全無料で利用可能

DeepSeek R1はオープンソースのため、基本的には無料で利用できます。

しかし、APIを使用する場合は料金が発生します。以下は、DeepSeekのAPI利用時の詳細な料金プランです。

deepseek-chatdeepseek-reasoner
コンテキスト長64K64K
最大COTトークン32K
最大出力トークン8K8K
100万トークン入力価格
(キャッシュヒット)
$0.07$0.14
100万トークン入力価格
(キャッシュミス)
$0.27$0.55
100万トークン出力価格$1.10$2.19
参照:DeepSeek

APIを活用すれば、自分のアプリやサービスにDeepSeek R1を組み込むことが可能です。

そのため、より高度な活用が期待できます。

DeepSeek R1の始め方

DeepSeek R1を利用するには、まずアカウントを作成する必要があります。

以下に、基本的な手順を説明します。

STEP
サイトにアクセス

DeepSeekの公式サイトにアクセスしましょう。

STEP
アカウント作成

メールアドレスかGoogleアカウントで登録できます。

STEP
完了

アカウント作成が完了したら、すぐにWebチャット、検索を利用したり、APIを活用して自分のプロジェクトに組み込むことができます。

この手順を踏むことで、DeepSeek R1を簡単に始めることができます。

特に、開発者向けのAPIを利用する場合は、公式のドキュメントを確認しながら進めるとスムーズです。

DeepSeek R1の使い方

DeepSeek R1は、多くの方法で利用することができます。

Webチャット、API、ローカル環境、スマホアプリといった利用方法があり、それぞれにメリットがあります。

以下で、各方法について詳しく説明します。

WebチャットでDeepSeek R1を使う方法

Webチャットは、最も簡単にDeepSeek R1を試せる方法です。

特別な設定やインストールは不要で、公式サイトにアクセスすればすぐに使うことができます。

STEP
質問を入力して送信

テキストボックスに質問や指示を入力し、送信ボタンを押します。

STEP
AIの回答を確認

DeepSeek R1が入力に対して適切な回答を生成し、チャット画面に表示されるので確認しましょう。

この方法は、特に初心者や気軽にAIと会話をしたい人におすすめです。

APIでDeepSeek R1を使う方法

APIを利用すれば、DeepSeek R1を自分のアプリやシステムに統合できます。

これにより、独自の機能を追加したり、カスタマイズした利用が可能になります。

STEP
API管理ページにアクセス

API管理ページに移動し、APIの利用申請を行います。

STEP
APIキーの画面に移動
STEP
Create new API keyをクリック

この方法は、開発者向けであり、AIをシステムに組み込んでカスタマイズしたい場合に最適です。

商用利用や大規模な処理を行う場合は、料金プランを確認してから使用するのがおすすめです。

ローカル環境でDeepSeek R1を使う方法

DeepSeek R1をローカル環境で動作させることで、インターネット接続なしに利用できます。

これにより、データのプライバシーを確保しながらAIを活用することが可能です。

STEP
公式GitHubリポジトリを確認

DeepSeek R1のローカル実行に関する詳細な情報は、GitHubリポジトリDeepSeek-R1に掲載されています。

STEP
必要な環境を準備

GPU対応のコンピュータや、十分な計算資源を持つ環境を用意します。

DeepSeek R1に適切なハードウェアの選定が重要です。

ローカル環境での利用は、データのセキュリティを重視したい企業や研究機関向けであり、特にプライバシーに配慮するプロジェクトでは強力な選択肢となります。

スマホアプリでDeepSeek R1を使う方法

DeepSeek R1はスマホアプリでも利用可能で、移動中や手軽にAIを使いたい場面に適しています。

STEP
App StoreまたはGoogle Playでアプリを検索

「DeepSeek」アプリを検索し、スマホにインストールします。

STEP
アカウントでログイン

既に作成したDeepSeekのアカウントでログインしましょう。

STEP
チャット画面を開いて利用開始

ログイン後、チャット画面を開いてAIに質問を入力すれば、すぐに応答を得ることができます。

スマホアプリ版は、ちょっとした調べ物や日常の質問に便利です。

また、ビジネスシーンでも、会議中のアイデア出しや文章の作成補助として活用できます。

DeepSeek R1の安全性と利用上の注意点

DeepSeek R1は高性能なAIですが、利用する際にはいくつかの重要な注意点があります。

特に、データのセキュリティや出力内容の信頼性について理解し、適切に管理することが求められます。

AIの活用が進む中で、情報の取り扱いについて慎重になることは、個人・企業を問わず非常に重要です。

以下に、利用時に注意すべきポイントを詳しく解説します。

データセキュリティと法的注意点

DeepSeek R1を利用する際には、データの取り扱いや法的な制約について十分に理解することが重要です。

データは、中国のサーバーに保管されます。

また、DeepSeek R1は中国の法律に従って運営されており、データの管理や監視ポリシーが他国とは異なる場合があることを認識しておきましょう。

利用規約には、プライバシー、コンテンツの取り扱いに関する詳細なルールが記載されています。

特に以下の点に注意しましょう。

利用規約の重要なポイント
  • アカウントの制約: アカウントの登録には正確で合法的な情報を提供する必要があり、不正確な情報が発覚した場合はサービスの利用が制限される可能性があります。
  • 禁止コンテンツ: ヘイトスピーチ、暴力的または違法なコンテンツの生成は禁止されています。これに違反した場合、アカウントが停止される可能性があります。
  • プライバシー保護: DeepSeekはユーザーのデータを保護するための措置を講じていますが、一部のデータがシステムの改善目的で利用される可能性があります。これに同意できない場合は、利用を避けるのが望ましいでしょう。

このように、利用規約にはデータの取り扱いや禁止事項に関する重要な規定が含まれています。

利用する前に、公式の利用規約を確認し、法的リスクを理解しておくことが大切です。

出力結果が偏った内容になる可能性

DeepSeek R1の出力結果は、学習データに基づいて生成されるため、場合によっては偏りや誤った情報を含む可能性があります。

そのため、AIの回答をそのまま鵜呑みにするのではなく、必ず他の情報源と照らし合わせることが重要です。

以下の投稿では、DeepSeek R1が尖閣諸島に関する質問に対して、中国寄りの立場の回答を生成したことが示されています。

このように、AIの学習データや開発元の方針によって、偏った回答が返ってくることがあります。

この問題は、DeepSeek R1に限らず、多くの大規模言語モデル(LLM)に共通する課題です。

まとめ

DeepSeek R1は、無料で利用できる高性能なAIであり、数学的推論やコード生成に特化した機能を持ちます。

さらに、日本語にも対応しており、国内のユーザーにとっても利用しやすい環境が整っています。

API利用時の料金やデータセキュリティの問題に注意しつつ、研究開発や業務に活用する価値のあるモデルと言えるでしょう。

特に、プログラミング学習や業務の自動化、データ分析のサポートとして活用すれば、大きなメリットを得ることができます。

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