
ClaudeのArtifacts(アーティファクト)は、生成したコードやドキュメントのビジュアルを整理・共有できる新機能です。
成果物を直感的に管理できるので、エンジニアやプロダクトマネージャーを中心に注目されています。
本記事では、Claude Artifactsとはどういう機能か解説し、無料・Pro・Maxの違い、Claude Artifactsが表示されない・使えないというトラブル時の対処法、拡張機能や最新機能のTipsまで広く解説します。
ClaudeのArtifacts(アーティファクト)とは?AI成果物を視覚化・共有できる

「ClaudeのArtifactsって何?普通のチャット機能とどう違うの?」という方に向けて、概要と特徴を解説します。
成果物を視覚化するためのAI出力とは何か、イメージをつかみましょう。
Claudeとは?
Claudeは対話形式の生成AIです。
文章生成・要約・翻訳コードの出力など、様々な業務に利用できます。
最新モデルのClaude Sonnet 4は、精度・処理速度・長文対応で高く評価されており、ビジネス利用でも注目されているAIです。
本記事ではこのClaudeに搭載の「Artifacts」機能について解説しますが、Claude自体の特徴や活用方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

Artifactsは何ができる?従来チャットとの違いを整理
Artifacts機能は、Claudeが生成したものを画面右側に表示し、そのまま内容を確認・編集・共有できる機能です。
試しに下記のプロンプトを入力し、旅行の予定表アプリのUIを生成してみました。
旅行の予定表アプリのUIワイヤーフレームを作ってください。日付、時間、場所、メモ欄を含むシンプルなレイアウトで。Artifactsとして表示してください。


コードが生成され、UIも表示されました。
この機能を使えば、「HTMLコードで作られたWebページのプレビュー」「Markdown形式の資料」「表やスライド」などをビジュアルとして表示できます。
これまでのチャット形式では、過去の出力をスクロールして探さないといけませんでしたが、Artifactsだと目的のものだけをすぐ取り出せるため、ムダの少ない作業が可能です。
どんなユーザーに向いている?用途のイメージを紹介
作業結果をビジュアルで確認しながら、何度も試行錯誤するような作業をするユーザーはClaude Artifactsを使った方がいいでしょう。
Artifacts機能を使えば、生成したものを一目で判別でき、その場で修正や共有がスムーズに行えます。
次のようなユーザーにとっては、生成物を確認・修正し、さらに別形式で保存や共有する必要があるため、Artifactsが役立つでしょう。
- WebアプリのUIモックやスライド資料を作成するプロダクトマネージャー
- 生成したHTMLやMarkdownを何度も利用したいエンジニア
- プレゼン原稿やドキュメントを整理したい大学生
「生成されたコンテンツを、実務で繰り返し利用したい」という方にとって、Claude Artifactsは強力な支援ツールです。
ClaudeのArtifacts機能の使い方をマスターしよう

Artifactsの使い方をステップ式でガイドします。
モデル選択から生成・修正・共有まで、実際の画面を見ながら確認していきましょう。
Claudeを開いてモデルを選択する
Claudeを開き、使いたいモデルを選択します。
Artifacts機能は料金プランや利用モデルに関わらず利用可能ですので、今回は無料プランでも使えるClaude Sonnet 4を選択します。

プロンプトを入力して実行する
ウインドウにプロンプトを入力します。
今回入力するのは下記プロンプトです。
「週末の予定表」をHTMLとCSSを使って、カレンダー風に作ってください。文字はすべて日本語で、月~日と時間帯(午前・午後・夜)を表で表示してください。コードをHTMLファイルとして構成し、背景色や枠線なども工夫してください。

Artifactsウインドウにコードが表示される
プロンプトに従ったHTML・CSSコードが、画面右側の「Artifactsウインドウ」に表示されました。
画面上部のスイッチでコードとビジュアルを切り替えることが可能です。


ClaudeのArtifactsが表示されない・使えない原因と対処法

「Artifactsが出てこない…使えるはずなのにおかしい」ということが起こったときの、よくある原因と対処法を整理しました。
もし使えない状態になりましたら、こちらを確認しましょう。
原因①:無料プランの上限に到達している
Claudeの無料プランでは、1日の使用回数や生成トークン数に制限があります。
上限まで利用すると、新たなArtifactsを生成できず、表示もされなくなる場合があります。
無料プランは、利用回数や生成内容の重さによっては制限に達しやすいため、注意が必要です。
後日改めて利用するか、有料プランに切り替えれば、制限を解除できます。
原因②:ブラウザの拡張機能が干渉している
Claudeはブラウザで利用するので、拡張機能が干渉して正しく表示されないケースもあります。
特に原因になりやすいのが、広告ブロッカー・プライバシー保護系の拡張機能です。
一度すべての拡張機能を無効にし、再読み込みしてみてください。
無効化した後にArtifactsが表示されるのであれば、どの拡張機能が原因かを順番に確認しましょう。
原因③:キャッシュ・セッションエラーによる不具合
「ブラウザのキャッシュが破損している」「セッション情報が正しく読み込まれていない」といったことが原因で、Artifactsが表示されない場合もあります。
まずブラウザのスーパーリロードや、キャッシュクリアを試してみましょう。
また、長時間Claudeを開きっぱなしにしていた場合は、ログアウト→再ログインすることで解決することもあります。
ClaudeのArtifactsは無料でどこまで使える?Pro/Maxとの違いも比較

Artifactsを活用するうえで、無料プランかProプランのどちらにするか、迷う方も多いと思います。
2025年7月時点のプラン比較や利用制限をもとに、「どこまでできるのか」「どこで制限が出るのか」を解説しましょう。
2025年6月現在の料金プラン・利用上限まとめ
Claudeには複数の料金プランがあり、Artifactsの利用可否や上限が異なります。
2025年6月時点の代表的な3つのプランの違いを、表にまとめました。
プラン | 月額料金 | 使用容量 | おすすめのユーザー |
---|---|---|---|
Free(無料) | $0 | 制限あり | たまにClaudeを使う人 |
Pro | $20(約¥2,900) | 標準容量 | 定期的にClaudeを使う人 |
Max 5x | $100(約¥14,500) | Proプランの5倍 | いろいろなタスクをClaudeで頻繁に行う人 |
Max 20x | $200(約¥29,000) | Proプランの20倍 | 毎日のようにClaudeと連携し、さまざまな作業を行う人 |
無料プランでもClaude Sonnet 4は利用できますが、Artifactsの使用上限は厳しめです。
本格的に活用したければ、Pro以上のプランを検討しましょう。
無料プランでできること/できないこと
Claudeの無料プランでできること・できないことを理解しておかないと、「なぜ動かないの?」「なぜ表示されないの?」と混乱してしまう可能性があります。
まずは無料プランでできることをおさらいしておきましょう。
- HTMLやMarkdownによるArtifactsの生成
- 生成されたArtifactsの表示と簡易編集
- 日毎の制限内でのメッセージ利用(具体的な数値の公開なし)
- 共有リンクの作成
次に、無料プランでは実現が難しいことを挙げます。こちらも把握しておきましょう。
- 大量の連続使用(時間ごとの制限あり)
- 全てのClaudeモデルへのアクセス(無料版はClaude Sonnet 4のみ)
- 優先処理や安定性の確保(混雑時の待機状態になることがある)
無料プランの制限を知っておき、よりArtifactsを活用したければ、Proプラン以上を利用しましょう。
Proに切り替えるべきタイミングは?
状況によっては、Proプランにした方が作業が効率的になり、費用対効果を発揮する場合もあります。
たとえば「Artifactsの生成中によくエラーが発生したり、レスポンスが遅くなったりする」という不具合は、Freeプラン特有の制限が原因のことが多いため、Proプランにすれば解消されます。
また、複雑なプロンプトで、大きめの成果物を生成したいと考えている方にとっても、Proプランはおすすめです。
Freeプランで負荷が高い処理を行うと、途中で停止したり、出力が途切れたりすることがあります。
大きな処理と安定性が必須の作業には、Proプランがいいでしょう。
無料プランを試しに使ってみて、「Artifactsが使えることはわかった。あとは量と安定性が欲しい」となったら、有料プランを検討してください。
料金プランについてより詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

ClaudeのArtifactsをもっと活かせる実用Tips

Artifacts使いこなすための、日常業務に役立つ活用アイデアを紹介します。
拡張機能や他ツール連携など、ワンランク上の使い方を把握しましょう。
Tip①:拡張機能でArtifactsを自動保存する
Artifactsを使っていると、保存期間やサーバーの影響で、このようなことが起こることもあります。
そんなときに役立つのが、Google Chromeの拡張機能「ClaudeSave」です。
Claudeでやりとりしたチャット内容やArtifactsを自動でGitHub Gist に保存できるため、うっかり消える心配がありません。
特に以下のようなユーザーに向いています。
- 学習メモや資料生成をClaudeで行っている人
- 再利用したいコードや設計図をArtifactsで頻繁に生成している人
- 複数のプロジェクトでClaudeを使い分けている人
Chromeウェブストアからワンクリックで追加できるので、とても簡単です。
Artifactsの活用頻度が高ければ、早めに導入しておきましょう。
Tip②:Artifactsのインタラクティブアプリ機能を活用する
Claudeの最新のベータ版機能で、インタラクティブAIアプリをArtifacts上で生成できるようになりました。
例として「名前を入力すると挨拶を返してくれるアプリ」の生成を指示してみましょう。
プロンプトを入力する
今回は下記のプロンプトを入力してみます。
次の要件で、Claude Artifacts上で動くインタラクティブなアプリを作ってください。
・ボタンと入力欄を備えた簡単なウェブUI
・ユーザーが入力したテキストに対し「こんにちは、(ユーザー入力)さん!」と返すチャット風の動作
・アプリ利用者がAPIクレジット不要で触れるように設計してください
この“AIアプリ”は、ユーザーが入力後にリアルタイムで応答が返る構造にしてください。

Artifactsの画面にコードが生成されました。
アプリのUIを確認する
Artifactsをコードからビジュアルに切り替えると、アプリのUIが表示されます。

アプリの動作を確認する
生成したアプリの入力ウインドウに名前を入力し、送信します。

アプリが正常に動き、挨拶が返ってきました。
今回は簡単な挨拶アプリを生成しましたが、以下のようなAIアプリも構築可能です。
- データダッシュボードアプリ
-
売上やアクセス数などのデータを入力すると、即座にチャート・表・進捗バーなどをArtifacts上で作成できる分析ツール
- 週次レポート自動更新アプリ
-
CSVやスプレッドシートをアップロードすると、Artifacts上でグラフ化・要約してくれ、関係者と共有できるツール
- 学習フラッシュカード生成アプリ
-
キーワードを入力すると、その場で問題・解説・関連例を出す学習支援ツール
この機能により、ノーコードで即時にAIアプリが作成・共有できるので、開発環境を用意しなくても業務に活用できます。
Tip③:Artifactsの構造を活かしてHTML/CSSテンプレを作る
Artifactsの仕組みを活かすと、Claudeを「コードやデザインの部品を整理・保管する道具」として使うことが可能です。
たとえば、繰り返し使うHTML・CSSのコードをテンプレートとして生成・保存しておけば、次回以降の制作時に簡単に再利用できます。
また、「商品紹介文」「サービス案内の定型文」「構成案」などのテキストデータもArtifactsにまとめておけば、マーケティングや営業の現場ですぐ呼び出すことが可能です。
それらをArtifactsに保存しておき、いつでも確認・再利用できるストックとして活用しましょう。
ClaudeのArtifactsに関するよくある質問・修正例

「不具合っぽいけど原因が分からない」というときによくある質問と、修正のヒントをまとめました。
実際に起きやすいケースをベースに、具体的な解決策を紹介します。
「Reactアプリがプレビューされない」ときの修正プロンプト例
ClaudeでReactコードを生成しても、Artifacts上で何も表示されないというケースがあります。
ArtifactsはインタラクティブなReactコンポーネントを処理できますが、構成が重すぎると動作に失敗するケースがあります。
そのため、以下のようなプロンプトでReact依存のないHTML+JavaScriptファイルに変換するよう依頼しましょう。
このReactコードを、Claude Artifactsでそのまま見られるようにしてください。HTML1つのファイルだけで表示できる形にして、Reactを使わない普通のHTMLとJavaScriptに変換してください。
このように依頼すれば、Artifactsが扱える形式へ変換され、表示できるようになります。
「MDファイルが崩れる」ときの代替表示案
ClaudeでMarkdown(MD)形式の文章をArtifactsに貼り付けたとき、「見出しの大きさが変」「箇条書きがずれて表示される」というようなことが起こるケースがあります。
これは、「Artifactsは正しく読み取れないMarkdown形式がある」からです。
下記のような形式だと、不具合が起きることがあります。
- 表(
| col1 | col2 |
形式) - 略記法による箇条書き(
- [ ]
や*
の多用) - HTMLタグとの併用(
<br>
や<details>
など)
このような場合も、Markdownのまま表示しようとするのではなく、下記のようなプロンプトでHTML形式で出力してもらいましょう。
このMarkdownの文章を、Claude Artifactsで崩れないように表示したいです。見出しや箇条書きを含め、すべてHTMLに変換して、読みやすい形で出力してください。
まとめ
Claude Artifactsは、「成果物を整理・管理・再利用するための新しい作業スタイル」を実現するツールです。
無料プランでも一部機能が利用可能、Pro以上なら共有リンクや保存容量も拡張され、業務での実用性がグンと上がります。
「ClaudeをただのチャットAIとして使いたくない」「生成物を業務で活用したい」という方にとって、とても有意義な新機能です。
まずは無料プランで試してみて、自分の業務にどこまで活用できるか確認しましょう。
必要に応じてProやMaxへアップグレードすれば、Claudeのポテンシャルをさらに広げられるはずです。