【OpenAI推奨】ChatGPTの使い方のコツ14選!4oモデルと推論モデル対応

ChatGPTを使いこなすには、基本的な使い方だけでなく、目的に応じたモデル選択や効果的な質問の仕方が非常に重要です。

本記事では、4oモデルと推論モデルを対象に、OpenAI推奨の使い方のコツを14個紹介し、ChatGPT活用のヒントを網羅的に解説。

これを読めばChatGPTの使い方のコツが掴めるようになります。

目次

ChatGPTとは?仕組みとモデルの進化を簡単解説

ChatGPTはこれまでにさまざまなモデルが登場し、進化を続けてきました。

ここでは、各モデルの特徴や違いを中心に、ChatGPTの今を理解するためのポイントを簡単にまとめます。

ChatGPTでできることと

ChatGPTは、OpenAIが開発した対話型の生成AIで、文章作成、要約、翻訳、アイデアの発想支援など、多様なタスクに対応できるのが最大の強みです。

日常的には、読書感想の整理、レシピの提案、旅行の計画づくりといった軽い用途から、履歴書やエントリーシートの添削まで、さまざまな場面で活用できます。

その名の通りチャット形式で直感的に使えるため、初めて生成AIに触れる人でもすぐに馴染むことができます。

さらに、こうした個人利用の延長線上には、業務への応用があります。

たとえば、議事録の要約、プレゼン資料の構成案、記事の骨組みづくりなど、ビジネスシーンでも高い生産性を発揮します。

業務効率を上げるツールとしてだけでなく、発想の幅を広げる「もう一人の思考パートナー」としても心強い存在です。

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ChatGPT-4oモデルの特徴とは?過去モデルとの違いも

ChatGPT-4oは、OpenAIが最新技術を集約して開発した汎用モデルで、テキストだけでなく、画像や音声といったさまざまな形式の情報を同時に扱えるのが大きな進化です。

When should I use GPT-4o?

GPT-4o accepts as input any combination of text, audio, image, and video and generates any combination of text, audio, and image outputs. For most use cases, especially those that involve the use of advanced tools and vision, we recommend using GPT-4o in ChatGPT.

出典:OpenAI公式サイト

こうした複数の種類の情報を組み合わせて処理できる特性は「マルチモーダル対応」と呼ばれており、従来モデルにはなかった柔軟性を備えています。

また、GPT-4や3.5などの旧モデルと比べて応答速度も大幅に向上し、よりスムーズで自然なやり取りが可能になりました。

業務への応用では、たとえば画像付きの資料作成や、音声データから議事録を生成する作業などに活用でき、作業効率を飛躍的に高めることが期待されます。

さらに、タスクの難易度や処理量に応じて軽量版の「4o mini」と使い分けることもできます。

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推論モデルとは?どんな場面で役立つ?

OpenAIが提供する推論モデル(oシリーズ)は、複雑な問題解決や深い思考を必要とするタスクに特化した設計がなされています。

The OpenAI o-series models are a new series of reasoning models for solving hard problems. While GPT-4o is still the best option for most prompts, the o3 and o4-mini series may be helpful for handling complex, problem-solving tasks in domains like research, strategy, coding, math, and science.

出典:OpenAI公式サイト

ChatGPTでは、o1・o3・o4-miniといったバリエーションが用意されており、それぞれが高度な推論や分析処理に優れた能力を発揮します。

特にo3やo4-miniは2025年4月半ばにリリースされた最新の推論モデルとなっています。

これらは「推論の深さと正確さ」が求められる対話において、従来のモデルよりも高い精度を出せるのが大きな特徴です。

たとえば、戦略立案に向けたアイデア出し、複雑な表やデータの読み解き、学術的なリサーチ支援といったシーンで活用されており、特にビジネスや研究開発など高度な思考が求められる分野で威力を発揮します。

oシリーズは、ユーザーの指示に対して「ステップバイステップで考える」ように設計されており、使い方のコツとしては、思考の順序や目的を明示したり、前提条件を定義したりすることが成果に直結します(詳しくは後述)。

また、軽量かつ高速に動作するo4-miniは、業務での頻繁な利用にも適しており、タスクごとに最適なモデルを選ぶことも大切です。

なお、汎用モデルの「GPT-4o」と名称が似ていますが、全く別のモデルになります。

推論モデルは単なる情報生成を超えた「思考の補助ツール」として、ChatGPTの可能性をさらに広げてくれる存在です。

2025年4月現在で提供されている推論モデルの特徴を下の表にまとめました。

機能o3o3-minio4-minio1 pro
Web検索×
データ分析×
画像解析
ファイル分析×
Canvas(描画機能)××
画像生成(DALL·E)××
メモリ機能×
カスタム指示×
音声モード××××
出典:OpenAI公式サイト
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プランによる機能の違い

ChatGPTでは、利用するプランや選択するモデルによって、使える機能が大きく異なります。

たとえば、無料プランではGPT-4o miniのみが無制限で利用可能で、音声入力やファイル解析などの高度な機能には非対応です。

一方、有料のPlusプラン以降では、選択できるモデルやその使用制限が大幅に広がります。

中でも注目したいのが「oシリーズモデル」の活用範囲です。

o3やo4-miniでは、メモリやカスタム指示機能に対応し、複雑な思考タスクや継続的な業務フローに適した設計がなされています。

こうした機能の違いを把握したうえで、自分の用途や業務内容に合ったモデル・プランを選ぶことが、ChatGPTの基本と言えるでしょう。

具体的なプランと使用可能な機能の比較については、以下の表を参考にするとわかりやすくなります。

モデル大別モデル名主な特徴無料プランPlusプラン
($20/ 月)
Proプラン
($200/ 月)










推論モデル 
o1高度な推論能力を持つモデル。
現在提供が終了。
×
利用不可
×
利用不可
×
利用不可
o1 proo1の強化版。より多くの計算資源と長い思考時間を使用し、信頼性を追求。×
利用不可
×
利用不可

無制限
o32025年4月現在の最高性能モデル。高精度・長文処理対応。×
利用不可

週あたり100回

無制限
o4-mini高速・軽量モデル。日常用途。
利用可能
(制限あり)

1日あたり300回

無制限
o4-mini-higho4-miniの高性能版。コーディングや視覚タスク向け×
利用不可

1日あたり100回

無制限







汎用モデル
GPT-4oマルチモーダル対応(テキスト・画像・音声)、高速・高精度な応答
利用可能
(10回/3時間)

3時間あたり
80回

無制限
GPT-4.5GPT-4の改良版。創造性と多言語対応が強化された研究プレビューモデル×
利用不可

週あたり50回

無制限
GPT-4o miniGPT-4oの軽量・高速バージョン。日常会話や簡易な処理に適する
無制限

無制限

無制限
ChatGPTのプランと使用可能な機能(2025年5月時点)

ChatGPT-4oモデルの使い方のコツ8選【OpenAI推奨】

高性能な4oモデルを効果的に活用するには、ちょっとした使い方の工夫がカギになります。

実務で役立つ8つのコツを厳選して紹介します。

最新のモデルを使用する

ChatGPTを最大限に活用するためには、常に最新のモデルを使用することが重要です。​

For best results, we generally recommend using the latest, most capable models. Newer models tend to be easier to prompt engineer.

出典:OpenAI – Best practices for prompt engineering with the OpenAI API

特にGPT-4oは、従来のGPT-4に比べて大幅な性能向上が図られています。​

このモデルは、テキスト、音声、画像といったマルチモーダルな入力に対応し、より自然で高速な応答が可能です。​

また、日本語を含む多言語での処理能力も強化されており、ビジネスシーンでの利用にも適しています。​

最新モデルを選択することで、ChatGPTの持つポテンシャルを最大限に引き出し、業務効率の向上や質の高いアウトプットを実現できます。

指示と内容をハッキリ分ける

ChatGPTに複雑なタスクを伝えるときは、指示とその中身を明確に分けることで精度が向上します。

区切り記号(例:—、===、###など)や、かっこ(【】など)を使うと、AIがどこからどこまでが指示文で、どこからが入力情報かを正確に認識できます

Put instructions at the beginning of the prompt and use ### or “”” to separate the instruction and context

出典:OpenAI – Best practices for prompt engineering with the OpenAI API

簡単な例を挙げると、以下のような感じです。

【指示】
以下の条件をもとに、ブログ記事のタイトル案を10個考えてください。

【条件】
・テーマ:生成AIの活用
・ターゲット:初心者向け(ビジネスパーソン想定)
・トーン:親しみやすく、カジュアル
・文字数目安:30文字以内

この工夫によって、ChatGPTが意図を誤解するリスクを減らせるほか、情報処理の正確性も高まります。

特に資料や複数要素を含むプロンプトで効果的です。

読みやすく構造化された指示は、出力結果の質を大きく左右します。

指示を明確かつ具体的にする

ChatGPTを使いこなす上で、指示が曖昧だと期待通りの出力は得られません。

Be specific, descriptive and as detailed as possible about the desired context, outcome, length, format, style, etc

出典:OpenAI – Best practices for prompt engineering with the OpenAI API

たとえば「記事を書いて」よりも、「〇〇という読者向けに、〇〇文字で、〇〇の要素を含めて執筆して」と伝えることで、AIはより精度の高い回答を返します。

特に4oモデルは文脈理解が優れている反面、入力が漠然としていると不要な情報を含める傾向もあるため、プロンプトでは主語・目的・制約条件を具体的に明示しましょう。

また、意図が複雑な場合は「手順を分けて提示する」ことで、理解度と出力品質がさらに向上します。

お手本の出力を見せて、期待する形を伝える

ChatGPTで意図したアウトプットを得るには、理想とする回答例を先に提示するのが有効です。

Show, and tell – the models respond better when shown specific format requirements. This also makes it easier to programmatically parse out multiple outputs reliably.

出典:OpenAI – Best practices for prompt engineering with the OpenAI API

たとえば、以下のような感じです。

【指示】
以下のお手本を参考にして、指定するテーマについて、読者の共感を引くブログ冒頭文を書いてください。条件は次のとおりです。
・トーン:やさしく親しみやすい
・長さ:150文字前後
・最後は問いかけで締める

【お手本】
「最近、AIが私たちの生活にぐっと近づいていることを感じませんか?
ニュースを見るたびに、新しい技術が登場して、何ができるかワクワクする毎日。
あなたも、そんな未来を体験してみたいと思いませんか?」

【テーマ】
「リモートワーク時代の生産性アップ術」

「こういった形の文章を目指してください」と実例や回答フォーマットを添えることで、モデルが形式やトーンを理解しやすくなり、意図に近い回答が得やすくなります。

悪い例を比較として出すことで回答の方向性をコントロールすることも有効な場合があります。

【指示】
以下の良い例・悪い例を参考に、対象商品について魅力的な紹介文を書いてください。
良い例のスタイルに寄せてください。

【良い例】
この軽量スマートウォッチは、あなたの毎日をもっとアクティブに変えてくれます!
シンプルなデザインと、頼れる機能で、毎日の運動も楽しくサポート。

【悪い例】
このスマートウォッチは軽量で、基本的な機能が搭載されています。

【対象商品の情報】
製品名:SoundBeat Pro(ワイヤレスイヤホン)
特徴:高音質、軽量、防水、長時間バッテリー

この方法は、ChatGPTのコツとして、初心者から中級者まで幅広く効果的です。

曖昧・不正確な指示を減らす

ChatGPTに正確な出力を求めるには、曖昧な指示を避けることが不可欠です。

Reduce “fluffy” and imprecise descriptions

出典:OpenAI – Best practices for prompt engineering with the OpenAI API

たとえば、「いい感じにまとめて」「いくつか教えて」といった定量性が無いふわっとした表現では、AIは解釈に迷い、期待とは異なる回答をすることがあります。

特に4oモデルは柔軟な出力が得意な一方で、曖昧な入力に対しては情報過多や論点ずれを起こすこともあります。

指示を出す際は、文章の目的、トーン、ボリューム、対象読者などを明示したうえで、不確かな言葉(例:「適当に」「ほどほどに」)は避けましょう。

「してはいけないこと」ではなく「して欲しいこと」を伝える

ChatGPTに指示を出す際、「〜しないで」だけを伝えるのではなく、「〜するように」とポジティブな指示に置き換えるのが有効です。

Instead of just saying what not to do, say what to do instead

出典:OpenAI – Best practices for prompt engineering with the OpenAI API

たとえば、「曖昧な表現は避けてください」よりも「具体的な数字や事例を含めてはっきりと説明してください」と伝える方が、AIは明確なゴールに向かって出力を調整できます。

4oモデルは柔軟に対応できる一方、否定的な指示だけでは意図が十分に伝わらないこともあります。

何を制限するかではなく、どのような形が望ましいかを積極的に示すことで、より期待に沿ったアウトプットが得られやすくなります。

出力を見て “プロンプト自体” を反復改善

ChatGPTをうまく使いこなすには、一度の指示で完璧な出力を期待するのではなく、結果を確認しながらプロンプト自体を調整する姿勢が重要です。

Prompt engineering often requires an iterative approach. Start with an initial prompt, review the response, and refine the prompt based on the output. Adjust the wording, add more context, or simplify the request as needed to improve the results.

出典:OpenAI – Prompt engineering best practices for ChatGPT

たとえば、初回の出力が抽象的だった場合は、「具体例を含めて」や「箇条書きで」などの要素を追加して再指示します。

4oモデルは応答スピードも高く、繰り返し試すことが容易なため、こうした反復的な調整が有効です。

また、前のやり取りを踏まえて改善できるのもChatGPTの強みです。

プロンプトのPDCAを回す意識を持つことで、より目的に即した高精度なアウトプットが得られやすくなります。

役割や立場を最初に伝える

ChatGPTに的確な出力をしてもらうためには、会話の冒頭で「誰として話してほしいか」(すなわちペルソナ)を明示するテクニックが有効です。

Tactic: Ask the model to adopt a persona

出典:OpenAI Platform – Prompt engineering

たとえば、「あなたはプロのマーケターです」「エンジニア目線で解説してください」といったように、ChatGPTに役割を設定することで、回答のトーンや専門性(深さ)が大きく変わります。

あなたは生成AIのビジネス応用に詳しいコンサルタントです。
クライアントに提案するつもりで、生成AIの活用事例を5つ、ビジネス視点で分かりやすく説明してください。

これはChatGPTのプロンプト作成のコツの中でも特に基本的でありながら、成果に直結する重要なテクニックです。

役割や立場を設定することで、ChatGPTはより深い背景理解をもって回答を展開し、特定の視点からのアウトプットが安定しやすくなります。

ChatGPT 推論モデルの使い方のコツ6選【OpenAI推奨】

推論モデルは、複雑な思考や高精度な出力を得るために設計された特別なモデルです。

ここではOpenAIが推奨する、効果的な使い方の6つのコツをご紹介します。

会話のルールや前提は、「developerメッセージ」で明示

developerメッセージ」とは、OpenAIのChatGPT APIを使ってやり取りする際に、AIの性格や動作ルールを事前に定義するための特別な命令文であり、APIとは、開発者が自分のアプリやサービスからChatGPTにアクセスし、AIの出力を制御するための仕組みです。

Developer messages are the new system messages: Starting with o1-2024-12-17, reasoning models support developer messages rather than system messages, to align with the chain of command behavior described in the model spec.

出典:OpenAI Platform – Reasoning best practices

たとえば、「法律の専門家として応答して」「老人のような口調で話して」など、会話のトーンや内容の方向性を最初にシステムにプログラムし、明示することができます。

ただし、これはあくまでAPIを通じてChatGPTを利用する開発者向けの仕様であり、一般のChatGPTユーザー(ブラウザやスマホアプリで利用する人)が直接このdeveloperメッセージを操作することはできません。

とはいえ、一般ユーザーでも似たような効果を得る方法はあります。

それが、先ほども紹介した、プロンプトの冒頭で「役割」や「前提条件」を明示する書き方です。

developerメッセージの考え方を応用しながら、一般ユーザーでもプロンプト設計の工夫次第でより精度の高い対話が可能になります。

プロンプトをシンプルかつ直接的にする

推論モデルを活用する際には、プロンプトはできるだけ簡潔かつ明快に伝えることが大切です。

Keep prompts simple and direct: The models excel at understanding and responding to brief, clear instructions.

出典:OpenAI Platform – Reasoning best practices

たとえば「商品の魅力を伝える文章を書いて」ではなく、

20代女性向けに、この化粧水の特徴を3点挙げて、ポジティブなトーンで紹介文を100文字で作成して

といった具合に、目的・対象・条件を明確に、簡潔なプロンプトにしましょう。

推論モデルは論理的な思考を得意とする一方で、不要な前置きや曖昧な文があると、それも含めて思考するため、余計な時間がかかり結果もブレてしまいます。

たとえば、「ちょっとお聞きしたいのですが〜」や「できれば〜してほしいです」といった枕詞は、できるだけカットしましょう。

主語・動詞・目的語の構造をはっきりさせることで、精度の高い出力につながります。

連鎖的に思考させる指示は避ける

推論モデルを使う際に避けるべきなのが、「Aが成立したらBを、そうでなければCを…」といった連鎖的な思考を求める複雑な指示です。

Avoid chain-of-thought prompts: Since these models perform reasoning internally, prompting them to “think step by step” or “explain your reasoning” is unnecessary.

出典:OpenAI Platform – Reasoning best practices

条件分岐が多いプロンプトは、AIの処理を混乱させ、期待外れの出力につながることがあります。

こうしたプロンプトを入力しなくても、推論モデルはステップバイステップでの思考に優れているため、シンプルな問いかけを繰り返す方が安定して良質な出力を得やすくなります。

判断を複数求めるのではなく、「まずAを説明して」と分割し、結果を見て必要に応じて次のステップに進める設計が推奨されます。

まずはお手本なしで試して、必要なら例を追加(Zero shot / Few shot)

推論モデルは、高度な推論力を持つ一方で、入力の仕方によって出力の質が大きく変わります。

まずは“お手本なし”(Zero-shot)でシンプルな指示を与え、モデルの初期反応を確認しましょう。

Try zero shot first, then few shot if needed: Reasoning models often don’t need few-shot examples to produce good results, so try to write prompts without examples first. If you have more complex requirements for your desired output, it may help to include a few examples of inputs and desired outputs in your prompt. Just ensure that the examples align very closely with your prompt instructions, as discrepancies between the two may produce poor results.

出典:OpenAI Platform – Reasoning best practices

そこで意図通りの出力が得られなかった場合には、例文や期待フォーマットを添えて“Few-shot”形式に切り替えることで、精度が向上します。

たとえば、ブログ記事の「結論パート」を書かせたいとき、

【指示】
「リモートワーク時代の仕事術」というテーマで、読者に行動を促すような結論パートを書いてください。

と、特に条件などを提示せずに指示を出し、初期挙動を見てから、

理由→提案→問いかけの順で構成してください

などと軌道修正を行っていくと、期待通りの出力を得やすくなります。

最初から詰め込みすぎると、余計な情報でかえってブレてしまうこともあるため、段階的に調整するアプローチが推論モデルでは効果的である場合があります。

反応を見ながら最適な伝え方を探るのが、推論モデル活用の基本といえます。

なお、この手法は推論モデルだけでなく、GPT-4oなどの汎用モデルでも有効な場合が多いです。

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具体的な制約条件を指示する

モデルに特定の条件で回答させたい場合は、その制約をプロンプト内で明確に伝えることが重要です。

Provide specific guidelines: If there are ways you explicitly want to constrain the model’s response (like “propose a solution with a budget under $500”), explicitly outline those constraints in the prompt.

出典:OpenAI Platform – Reasoning best practices

たとえば、以下のように望む範囲や条件を具体的に指定しましょう。

IT未経験の20代女性をターゲットに、Pythonスクールを紹介する広告文を作ってください。文字数は80文字以内。口調はフレンドリーで、最後は行動喚起で締めてください。

こうしたガイドラインを明示することで、モデルは意図に沿った範囲内で的確に出力しやすくなります。

曖昧な指示では自由度が高くなりすぎてしまうため、条件をしっかり設けることで出力の質をコントロールできます。

推論の最終ゴールを明確に示す

プロンプトを作成する際は、「どのような出力が“成功”とみなされるか」を明確に示すことが重要です。

Be very specific about your end goal: In your instructions, try to give very specific parameters for a successful response, and encourage the model to keep reasoning and iterating until it matches your success criteria.

出典:OpenAI Platform – Reasoning best practices

たとえば、「提案を出して」ではなく、「3万円以内の予算で導入可能なツールを3つ、メリットとデメリットを含めて提案してください」といったように、成功の条件を具体的に設定しましょう。

さらに、モデルがその基準に達するまで思考や出力を繰り返すよう促すことも有効です。

ゴールが明確であればあるほど、推論モデルはそれに向かって的確に出力を最適化してくれます。

モデル選びと質問力で変わる!ChatGPT活用のコツ

ChatGPTの効果を最大限に引き出すには、適切なモデルを選び、質問の仕方を工夫することが欠かせません。

ここでは、押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

推論モデルと4oモデルはどう使い分ける?

推論モデルと4oモデルは、用途によって賢く使い分けることが重要です。

推論モデルは複雑な課題に対する「深い思考」や「精密な推論」が得意で、戦略立案やアイデアの深堀りに向いています。

一方、4oモデルは日常的な業務のアウトプットやコンテンツ作成など「スピードと柔軟性」が求められる場面に最適ですが、OpenAIはほとんどの場面において4oモデルが推奨されるとしています。

初めに4oモデルを使用した対話を行ってみて、さらに深い考察・推論を得たい場合には推論モデルを使用してみると良いでしょう。

特にFreeプランや、Plusプランであっても、推論モデルには使用回数限度の問題があるため、こうした使い分けも実用的なポイントになります。

モデル選択を意識するだけで、成果物の質が格段にアップします。

思った回答が出ないのは質問の仕方かも

ChatGPTに期待通りの回答が出ないとき、原因は「質問の仕方」にあることが少なくありません。

質問の仕方を意識しないと、AIはあなたの意図を正しくくみ取れないことがあります。

ポイントは、とにかく具体的でシンプルな指示を出すことです。

たとえば「マーケティング戦略を考えて」よりも「BtoB向け新商品発売に向けた、SNS活用中心のマーケティング戦略を考えて」と指示すれば、より精度の高い回答が得られます。

コツを押さえて、明確な目的やゴール、条件など過不足のない情報を含めた質問を心がけると、ビジネス活用の精度も格段に向上します。

まとめ

ChatGPTの使い方 コツを押さえれば、仕事効率を大きく向上させることができます。

特に4oモデルや推論モデルの特性を理解し、目的に応じたモデル選択 方法やプロンプト設計を意識することが重要です。

推論モデルとの違いを理解して正しく使い分けることで、より高精度なアウトプットが得られるでしょう。

使い方に悩んでいる初心者の方も、今回紹介したテクニックを実践すれば、活用の幅が広がるはずです。

日々の質問の仕方を工夫し、さらに活用レベルを高めていきましょう。

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