
2024年10月31日に一般公開されたChatGPT Searchは、AI技術を活用した全く新しい検索体験を提供します。
本記事では、ChatGPT Searchの使い方をはじめ、競合であるPerplexityとの比較、さらにChrome拡張機能の設定方法についてわかりやすく解説します。
最新情報を効率的に取得したい方や、他の検索ツールと違いを知りたい方は必見です。
ChatGPT searchとは?5つの特徴を紹介

ChatGPTの新機能ともなりうる「ChatGPT Search」は、AIによる高度な検索体験を提供する次世代型の検索エンジンです。
従来の検索エンジンが提供するリンクのリストを越えて、ユーザーの質問に対して直接的かつ具体的な回答を生成することを目指して開発されています。
ここでは、ChatGPT Searchの持つ3つの主要な特徴について詳しく紹介していきます。
WEB上の情報から質問に答えるAI検索
ChatGPT Searchの最大の特徴は、インターネット上の膨大な情報をもとにリアルタイムで質問に答えることができる点です。
従来の検索エンジンでは、ユーザーが自らキーワードを選び、それに合致する情報を集めて回答を導き出す必要がありましたが、ChatGPT Searchではその手間を省くことができます。
例えば、「最新のスマートフォンのレビューを教えて」といった質問に対して、ChatGPT Searchはウェブ上のレビュー記事やユーザーのフィードバックを瞬時に集め、総合的な評価やおすすめの機種を提案してくれます。
We’re testing SearchGPT, a temporary prototype of new AI search features that give you fast and timely answers with clear and relevant sources.
— OpenAI (@OpenAI) July 25, 2024
We’re launching with a small group of users for feedback and plan to integrate the experience into ChatGPT. https://t.co/dRRnxXVlGh pic.twitter.com/iQpADXmllH
そのため、情報収集にかかる時間を大幅に削減できるため、ユーザーはより効率的に満足のいく答えを得られるようになります。
人の手で検索上位の10記事を見て特定の情報を集める時間を考えると、ChatGPT Searchを利用してWEB上にある数百数千の情報を瞬時に集めてくれるのは非常に魅力的といえます。
情報の引用元を表示してリンクする
ChatGPT Searchは提供する回答の信頼性を高めるために、引用元を明示する機能も備えています。
例えば、健康に関する質問に対しては医療専門サイトや信頼性の高い論文を元にした情報を提示し、そのリンクも併せて表示してくれます。

これにより、ユーザーは提示された情報の出典を直接確認できるので、さらに調べたい場合はそのリンクを辿ってより詳細な情報にアクセスすることが可能となります。
そして、従来の検索エンジンと異なり、ChatGPT Searchは単にリンクを羅列するのではなく、具体的な情報を基にした回答を提供しつつその信頼性を裏付けるソースを示す点で、より安心して便利に利用できるツールとなっています。
テキストだけでなくグラフや表で視覚的に回答
ChatGPT Searchのもう一つの大きな特徴は、視覚的な情報提示能力です。
ユーザーの質問に対して単にテキストで答えるだけでなく、グラフや表、チャートを使ってデータを視覚化して提供してくれます。
本来であれば、集めた情報をさらに時間をかけてExcelなどを利用してグラフ化することでようやく視覚的にもわかる情報となりますが、ChatGPT Searchを使えば一発でこれが完結してしまうのが便利なところです。
例えば経済データに関する質問に対しては、株価の推移を示すグラフや国別のGDPを比較する表を自動生成し、ユーザーに分かりやすい形で提示してくれます。
そのため、複雑なデータも比較的簡単に理解できるようになり、情報を理解する手助けとなってくれます。
また、視覚的にデータを作成することが苦手な人にとっても簡単にデータを作成してくるので、業務上の作業としても非常に活用できるかもしれません。
この機能は特にビジネスや教育の場で有用であり、データ分析やレポート作成の効率を劇的に向上させることが期待されています。
モバイル環境でも快適に動作
OpenAIは、モバイル環境でのChatGPT Searchの快適な利用を実現するため、ユーザーフィードバックを元にさまざまな改善を行っています。
特に、検索機能の速度向上やモバイルアプリへの最適化に注力しています。
OpenAIの製品責任者によると、多くのユーザーがiPhoneやAndroidアプリを通じてChatGPT Searchを利用していることから、これらのモバイル環境での体験を特に重視しているとのことです。
過去数ヶ月間のユーザーフィードバックを基に、アプリのパフォーマンスを最適化し、検索結果の表示速度を改善することで、ストレスのない操作感を提供しています。
さらに、地図表示機能や位置情報を活用した検索も強化されており、外出先での「近くのカフェは?」「このエリアのイベントは?」といった質問にも迅速に対応できるでしょう。
これにより、モバイルでの検索がデスクトップ同様、もしくはそれ以上にスムーズに行えるようになりました。
これらの取り組みによって、ユーザーは場所を選ばず、快適にChatGPT Searchの利便性を体験できるようになっています。
ChatGPT Searchは、モバイルアプリでの使用にも最適化されています。
「アドバンスドボイスモード」にも検索機能が統合
ChatGPT Searchでは、音声を使った操作が可能な「アドバンストボイスモード」が統合されています。
このモードを活用すれば、手が離せない状況でも音声だけで検索を行うことができ、より自然な会話形式での利用が実現します。
さらに、音声認識技術が進化しているため、複雑な質問にも高い精度で対応可能です。
たとえば、「明日雨が降る確率とその時間帯を教えて」といった複合的でリアルタイムな質問でも正確な情報を提供してくれます。
このモードは、スマートスピーカーのような使い勝手を実現しており、AI検索体験をさらに便利で直感的なものにしています。
ChatGPT searchの料金プラン!無料でも利用可能

2024年12月16日(アメリカ時間)より、ChatGPT Searchは全ユーザーに開放され、無料でも基本機能を利用可能になりました。
有料プラン(PlusやPro、Team)では、高速処理や追加機能、さらに高度なカスタマイズオプションを利用できます。
これにより、特にビジネスやプロフェッショナルな用途において大きな効率化が期待されます。
一方、無料プランでもログインするだけで充実した機能を存分に活用可能であり、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応しています。
ChatGPT searchの始め方と使い方

ChatGPT Searchの使い方はシンプルで初心者でもすぐに始められます。
あとは、気になる情報を入力して検索するだけです。

今回は検索候補に表示されていた、「高校サッカー 速報」と検索してみました。
すると、検索結果が現れます。
情報元を辿りたい場合は、文言の最後か、生成された文章の下に表示されているので、クリックすると飛べます。

このように、リンクをたどることで追加の情報や関連資料を得られるため、さらなる調査や深掘りにも便利です。
ChatGPT searchをChrome拡張機能でブラウザのデフォルト検索にする方法

ChatGPT SearchはChrome拡張機能を利用して、ブラウザのアドレスバーと統合可能です。
ChromeウェブストアからChatGPT拡張機能をインストールします。

検索すると、ChatGPTがデフォルトで自動的に開きます。


検索した際に、ChatGPTが開くのを停止させたい場合は、検索バーの横の赤枠のマークをクリックし、点が3つ縦に並んだマークをクリックしましょう。

「拡張機能を管理」を選択します。

赤枠の部分でオフにすると、ChatGPTがデフォルトで開かないようにできます。

何度か試してみて、自分に合った方法で設定しましょう。
ChatGPT searchとPerplexityの違いを比較

ChatGPT Searchは競合サービスであるPerplexityと比較しても際立った強みを持っています。
以下にその違いをまとめました。
ChatGPT searchは出版社やクリエイターと提携している
ChatGPT SearchとPerplexityの大きな違いの一つは、出版社やクリエイターとの提携の有無でしょう。
Perplexityはその精度の高い検索能力で知られていますが、一部の出版社との間でコンテンツ使用を巡るトラブルが報告されています。

一方、OpenAIはThe AtlanticやNews Corpなどの大手メディアとの提携を進めており、信頼性の高い情報を提供できるように努めています。

ChatGPT Searchのリリースにおいても、The Atlanticのニコラス・トンプソンCEOがコメントを寄せています。
「AI 検索は、人々がインターネットを利用する上で重要な方法の 1 つになるでしょう。初期段階では、ジャーナリズムと出版社を評価、尊重、保護する形でテクノロジーを構築することが非常に重要です。このプロセスで OpenAI と提携し、読者が The Atlantic を発見するための新しい方法を生み出すことを楽しみにしています。」
出典:SearchGPT is a prototype of new AI search features | OpenAI
この提携によりChatGPT Searchは信頼性の高いニュースや分析を含む回答を提供できるため、データの信ぴょう性が高いと言えます。
これにより、ユーザーは安心してChatGPT Searchを利用できる環境が整えられており、今後の検索エンジンの在り方に大きな影響を与える可能性があるといえます。
※現在はPerplexityも出版社へ収益が還元されるシステムを構築しています

ChatGPT searchとPerplexityの検索結果の出力を比較してみた
ChatGPT SearchとPerplexity AIの性能を比較するため、同じ検索ワードで実際に検索を行い、結果を比較してみました。
それぞれのツールがどのような特徴を持っているか、また、どのようなユーザーに適しているかを具体的に説明します。
今回は、「最近のAI技術のトレンド」と検索し、2つの比較を行いました。
ChatGPT Searchは、以下の特徴を持つ検索結果を提示しました。

- 視覚的な整理:トピックを箇条書きで整理し、各項目に簡潔な説明を付加。
- 参照元リンクの提示:各情報に信頼できるリンクが付属しており、情報の正確性が担保されています。
- 具体性と鮮度:「生成AI」「RPAの高度化」「エッジAI」など、2024年におけるAIトレンドを具体的に説明。
- 初心者にも優しい表現:専門用語が適度に解説されており、AI技術に詳しくない人でも理解しやすい。
一方、Perplexityの検索結果には以下の特徴が見られました。

- 広範な情報収集:「生成AIの進化」「マルチモーダルAI」「AI倫理」など、より多様なトピックを網羅。
- 技術的深堀り:特に「AIと量子コンピューティングの融合」や「産業応用の拡大」など、専門性が高い分野の情報が豊富。
- リアルタイム性:最新情報をウェブ全体から取得し、幅広い視点を提供。
- 参照元の多さ:各項目には複数の参照元があり、多角的な観点での情報が得られる。
ChatGPT Searchが向いているのは、初めてAI技術について調べる初心者や、基本的な情報を視覚的に確認したい人、特に地図機能や位置情報を活用したいユーザーです。
Perplexityが向いているのは、専門的な知識を必要とするプロフェッショナルや研究者や、より多くの情報源から幅広くデータを収集したい人です。
まとめ
ChatGPT Searchは、AIと最新ウェブ情報を融合させた次世代の検索ツールです。
無料で使える手軽さやモバイル対応、音声検索など、誰でも簡単に利用できる点が特徴です。
一方、Perplexityもリアルタイム検索や複数AIモデルの活用といった独自の利点を備えています。
情報収集の新たな方法を提供するChatGPT Searchを、ぜひ試して、その利便性を実感してください。