ChatGPTの「プロジェクト機能(Projects)」は、複数のチャットを効率的に管理できる画期的な新機能です。
この機能を利用すると、プロジェクトごとにファイル管理をしたり、カスタム指示を利用したりすることが可能になります。
本記事では、Projectsの使い方と活用法を詳しく解説します。
ChatGPTのプロジェクト機能(Projects)とは?
Projectsは、特定のテーマに関連するチャット・データファイル・カスタム指示を一元管理できる新しい機能です。
2024年12月13日に発表され、ChatGPT Plus/Pro/Teamsプランで利用可能となりました。
2025年1月にはEnterpriseおよびEduプランにも拡大され、その後無料ユーザーにも提供予定です。
Projectsを活用することで、複雑な作業をシンプルに整理できます。
Projectsの特徴を、以下で紹介します。
チャットとファイルの統合管理
Projectsを利用することで、関連するチャットとファイルの一元管理が可能になり、情報の散逸が防げます。
プロジェクト内にアップロードされたファイルをもとに、必要な議論や作業を即座に開始できるため、特定のテーマや目標に集中することが可能です。
そのため、あらゆるプロジェクトが一貫性を持って管理され、より高い成果を達成するための基盤が整います。
カスタム指示の適用
プロジェクトごとに独自設定やカスタム指示を適用することで、チームや企業のワークフローに合わせた柔軟で効率的な作業環境を提供します。
プロジェクトごとにレイアウトを調整することも可能です。
そのため、個別のプロジェクトのニーズや目標に最適化された環境を、構築することが可能です。
コラボレーション機能
Projectsにより、チーム全員が常に最新の情報にアクセスでき、リアルタイムで共有可能になります。
そのため新しいメンバーが中途から作業に参加しても、混乱が生じにくくなります。
メンバー全員が目標や優先事項を共有できるので、最終目的に向かって効率的な共同作業が可能です。
コメントやフィードバックをプロジェクトに直接追加できるため、レビューも簡単に行えます。
ChatGPTのプロジェクト機能の使い方
Projectsを使いこなすことで、複雑なプロジェクトを抱えるチームや、作業を包括的に整理したい個人が、よりスムーズに目標を達成可能になります。
以下では、Projectsの基本的な操作方法を説明します。
プロジェクトの作成方法
新しくプロジェクトを作成するための手順を、以下に示します。
なおProjectsは2024年12月現在、GPT-4oモデルのみで利用可能です。
プロジェクトにチャットを移動する方法
プロジェクトにチャットを追加したい場合は、サイドバーのプロジェクト名をクリックして、新しいチャットを入力してください。
もし過去に作成したチャットをプロジェクト内に移動したい場合は、次の手順に従っててください。
それまでサイドバーに表示されていた過去の雑多なチャットが、関連するプロジェクトにひも付けられて、すっきりとわかりやすくなります。
サイドバーに表示されているチャットの「…」部分をクリックし、追加したいプロジェクトを選びます。
選択したプロジェクトにチャットが紐付けられて、「このプロジェクトのチャット」のところに表示されます。
※GPT-4o以外のモデル(GPT-4など)で作成したチャットを移行すると、そのモデル特有の機能が使えなくなるので、注意してください。
プロジェクト内にファイルを読み込ませる方法
Projectsには、プロジェクト単位でファイルをアップロードする機能があります。
そのため以下の手順に従うことで、プロジェクトに関連するファイルをいつでも参照できる状態になります。
サイドバーからプロジェクトを選択して「ファイルを追加する」をクリックします。
下記画面が表示されるので、必要なファイルを追加します。
※追加が可能なファイルは、下記の通りです。ファイルは20個までアップロードできます。
- Excel
- CSV
- テキストファイル
- 画像
指定したファイルが、プロジェクトに追加されます。
プロジェクトごとにカスタム指示を適用する方法
Projectsには、プロジェクト単位でチャットへの回答の言い回しを変えたり、特定のルールを定めたりする「カスタム指示」という機能が備わっています。
カスタム指示については以下の記事で解説しています。
「カスタム指示」の適用方法は、以下に示す通りです。
サイドバーからプロジェクトを選択して「指示の追加」をクリックします。
以下の画面が表示されるので、必要な指示を入力してください。
指示内容が選択したプロジェクトに反映されます。
ChatGPTのプロジェクト機能の活用事例
Projectsは、さまざまな分野や用途で威力を発揮します。
クライアントやチームごとに異なるプロジェクトを定義することで、効率的なコミュニケーションが実現可能です。
以下に、その具体例を挙げてみます。
マーケティングキャンペーンへの活用
キャンペーンにまつわる雑多なチャットをわかりやすく分類することが、Projectsを活用することで可能になります。
しかもチャットとデータファイルの一元管理によって、コンテンツの計画や実施例・進行中のタスクの管理・分析データの共有が図れ、チームメンバーとのリアルタイムの情報共有が可能になります。
その結果、アイデアの迅速な検討や意思決定が、実現可能です。
またカスタム指示を設定することで、キャンペーンの性質に応じた柔軟な対応が可能となり、デザインやコピーライティングなどの品質向上につながります。
リサーチプロジェクトでの活用
Projectsを研究プロジェクトに活用することで、より効率的で組織的な研究活動が実現可能です。
この機能により、関連する文書やデータをプロジェクト単位で一元管理できるため、情報の散逸を伏せげます。
また、アップロードしたデータファイルを基に会話や議論を進めるため、研究チーム間でのスムーズ共同作業が円滑に進みます。
コメントやフィードバックをプロジェクトに直接追加することで、レビューや意見交換も効率化され、研究成果の質を向上させることが可能です。
ソフトウェア開発現場での活用
Projectsをソフトウェアの開発現場で活用すると、関連するタスクや議論を整理して一元管理できるため、開発プロセスの透明性が向上します。
ソースコードや技術文書などのファイルをプロジェクトにアップロードし、必要に応じてチームで共有しながらディスカッションするので、仕様や設計に関する合意形成がスムーズに進みます。
また、バグ修正や機能追加といったタスクごとにカスタム指示を設定できるため、異なる作業フローにも柔軟に対応可能です。
このように、情報の統合管理とコミュニケーションの円滑化を実現することで、開発サイクルの短縮と高品質なソフトウェアの提供が可能になります。
教育分野での活用
Projectsを教育現場で活用することで、授業ごとに関連する資料や課題を一元的に管理できるため、教師と生徒の間で必要な情報を簡単に共有できます。
また、リアルタイムでの共同作業が可能なため、生徒同士や教師とのグループプロジェクトが円滑に進行します。
さらに、プロジェクト内でカスタム指示を設定することで、異なるクラスや学習レベルに応じた柔軟な教材作成や課題提供が可能です。
このように、教育現場におけるコミュニケーションやリソースの管理を効率化することで、学習や指導の効率が大きく向上します。
まとめ
ProjectsすなわちChatGPTのプロジェクト機能は、チャットの整理・ファイルの管理・カスタム指示の適用を可能にする便利なツールです。
これまで雑多になりがちだったサイドバーのチャット履歴をわかりやすく整理したり、チャットとデータファイルを関連付けて管理したりできることは、ChatGPTのユーザーにとって、大きな助けになるでしょう。
Projectsは個人ユーザーの生産性向上だけでなく、チームでの共同作業の能率向上にも役立ちます。
Projectsをフル活用して、ChatGPTの作業効率を最大限に引き上げましょう。