OpenAIのChatGPT「Deep Research」とは?無料と有料プランの料金・使い方!回数制限まとめ

OpenAIのChatGPT Deep Researchとは、多段階推論で情報を自律的に収集・分析できるAIです。

有料プランでしか利用できなかったChatGPT Deep Researchはプラン毎に回数制限があるものの、無料プラン含め全ユーザーが利用できるようになりました。

この記事では、市場調査や学術研究など、多用途で活用できるChatGPT Deep Researchの使い方や料金、特徴を紹介します。

目次

Deep Researchとは何か?6つの主要機能

OpenAIが提供する「Deep Research」は多段階推論を活用し、ユーザーの調査テーマに対して自律的にリサーチを行うAIツールです。

本章では、その基本機能や特徴、どのように情報を収集・分析するのかを詳しく解説します。

Deep Researchは多段階推論で自律的にリサーチを行う

多段階推論とは、ユーザーが調査したいテーマや質問を入力すると、関連するキーワードや概念を抽出、初期仮説を構築します。

次に、ウェブ上の多様な情報源からデータを収集し、その情報の信頼性や仮説との整合性を丁寧に検証。

検証結果を基に具体的な数字や統計を盛り込んだ実用的なレポートを生成します。

各段階で得られた情報を統合することで、最新の市場トレンドや詳細な統計データに基づいたレポートを短時間で作成し、迅速な戦略立案に大いに役立つでしょう。

PDFや画像などテキスト以外の情報ソースにも対応

Web上に存在するPDFや画像など、テキスト以外の多様な情報ソースからもデータを収集・解析できる能力を備えています。

ユーザーが調査したい内容やテーマを入力すると、AIは自律的にウェブ検索を実施し、テキストの情報源だけでなく、Web上で公開されているPDF、画像、表計算ファイルなどからも情報を抽出・解析し、分かりやすく要約します。

このプロセスにより、ユーザーは多角的な情報源から一目で理解できる形で重要なデータを得ることができ、リサーチ業務の質とスピードが大幅に向上します。

出典の明示とレポートの出力

情報の信頼性を高めるため、収集したデータの出典を明確に示しながら、5分から最長30分にわたりリサーチを行います。

ユーザーが特定のトピックについて調査を依頼すると、AIはまず、関連情報を時間をかけて徹底的に収集し、各情報の出典を明示。これにより、調査結果がどの情報源に基づいているかをユーザーが容易に確認でき、安心してレポートを活用できます。

こうした出典情報の明示は、ユーザーが情報の正確性を確認できるためハルシネーションを抑制するのに大いに役立ちます。

Pythonのデータ分析ライブラリを使った計算とグラフ作成

Pythonというプログラミング言語の機能を活用してデータを分析、グラフ化できます。

ここで使われる「Pythonのデータ分析ライブラリ」とは、データの計算やグラフ作成を簡単にするための、便利なプログラム部品(たとえば、PandasやMatplotlibなど)のことを指します。

つまり、専門的なプログラミング知識がなくても、これらのツールが自動でデータを処理してくれる仕組みです。

ユーザーが売上データなどのデータセットをアップロードすると、Deep Researchはそのデータを元に、売上の推移や製品ごとの割合といった重要な情報を計算し、見やすいグラフに変換します。

この機能により、プログラミング初心者でも、複雑なデータ分析や視覚化を直感的かつ簡単に実行でき、業務の効率化と精度向上に大いに貢献します。

最新アップデート|GitHub連携に対応

2025年5月、新たにGitHubとの連携に対応しました。

今回のアップデートにより、GitHubリポジトリを指定して質問を行うと、ソースコードやPRの内容を自動で検索・解析し、引用元を明示した詳細なレポートを生成します。

この機能は特に開発者にとって有用であり、コードの理解やレビュー、変更履歴の確認を効率化することが期待されます。

ユーザーは、ChatGPTの画面内にある「Deep Research」メニューから「GitHub」を選択することで、新機能を利用可することができます。

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最新アップデート|PDFエクスポートやMicrosoftとの連携機能を追加

こちらも2025年5月、作成したリサーチレポートをPDF形式でエクスポートできる機能や、MicrosoftのSharePointおよびOneDriveと連携する機能が新たに加わりました。

今回追加されたPDFエクスポート機能では、表や画像を含む詳細なレポートを簡単にPDFとしてダウンロードできます。また、引用元や参照した情報源へのリンクが自動で埋め込まれるため、信頼性が高く、情報共有やプレゼンテーションにも適しています。

この機能は、作成画面の共有アイコンをクリックし、「PDFでダウンロードする」を選ぶだけで使用可能です。

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OpenAI Deep Researchの性能とベンチマークの結果

OpenAIのChatGPT「Deep Research」は、最新のAIベンチマーク「Humanity’s Last Exam」において26.6%の正確性を達成しました。

なお、「Humanity’s Last Exam」とは、実世界の複雑な課題に対するAIの理解力や応用力を測る試験のようなもので、専門家でなくてもイメージしやすい実務レベルの問題が出題されます。

このDeepResearchによる結果は、従来のモデルであるGPT-4oの3.3%、他のモデルであるGrok-2の3.8%、そしてClaude 3.5 Sonnetの4.3%と比べて大幅に優れた成績です。

さらに、Deep Researchは「GAIA」ベンチマークにおいても、正答率が63.64%から72.57%へと向上しています。

GAIAは、特定の業界や研究分野に限定されず、様々な実世界のデータやシナリオをもとにAIの解析能力を評価するテストであり、良好な結果は、実際の出力においてもより信頼性の高い情報提供が可能であることを示しています。

これらのベンチマーク結果は、Deep Researchが多段階推論—つまり、最初の仮説立案から情報の収集、検証、そして統合といった一連のプロセスを自律的に実行する—機能を駆使し、広範な分野でその性能を向上させていることの証左となるでしょう。

料金と回数制限!無料と有料プランを比較

Deep Researchは当初、月額200ドルのProプラン限定機能として登場しましたが、現在は全プランのユーザーに解放されました。

2025年4月24日に回数制限が緩和され、無料ユーザーでも月に5回まで利用可能です。

また、その他のプランも大幅に拡充されています。

ChatGPT プラン使用回数料金
Free5回/月無料
Plus25回/月20ドル(約3,000円)
Pro250回/月200ドル(約30,000円)
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OpenAI、Deep Researchの月間利用枠を大幅拡充 Proは250回に OpenAIは4月24日、ChatGPTの調査エージェント機能「deep research」の利用上限を大幅に引き上げました。 Proユーザーは従来の120回/月から250回に、Plus・Team・Enterprise・Educationユーザーは25回/月、Freeユーザーも5回/月まで利用できます。

ChatGPT Deep Researchの使い方

本章では、機能の有効化からリサーチの実行、レポートの確認までの具体的な手順を詳しく紹介します。

STEP
Deep Research機能の有効化

Proプランに登録後、ChatGPTのチャット画面下部に「Deep Research」ボタンが表示されます。

このボタンをクリックすると、Deep Research機能が有効化されます。

STEP
リサーチ内容の入力

チャット欄に調査したいトピックや質問を入力しましょう。

STEP
質問への回答

ChatGPTがリサーチの方向性を確認する質問をしてくるので、指示に沿って答えてください。

入力内容に基づき、Deep Researchがウェブ上の関連情報を自動的に収集・分析します。

このプロセスは通常5分から30分程度かかりますが、バックグラウンドで実行されるため、他の作業を行いながら待つことができます。

STEP
レポートの確認

調査が完了すると、ChatGPT上で詳細なレポートが提供されます。

このレポートには、収集した情報の要約や出典元が明記されており、信頼性の高いデータを基にした分析結果を確認可能です。

OpenAIのChatGPT「Deep Research」の活用事例

Deep Researchは市場調査、学術研究、ネット通販の情報収集など、多様なシーンで活用可能です。

本章では、実際のビジネスや研究においてどのように役立つのか、具体的な活用例を交えて解説します。

市場調査における活用

たとえば、ある飲料メーカーが低カロリー飲料の新規投入を検討する場合、Deep Researchはまず複数の業界ニュース、専門レポート、過去の売上データや類似商品の成功・失敗事例など、複数の関連情報を自動的に収集します。

さらに、各情報の出典、時系列での変動、地域ごとの消費者嗜好など、細かい要素を整理し、Pythonのデータ分析ライブラリを用いた計算やグラフ作成により、視覚的かつ分かりやすいレポートへと仕上げます。

また、オンライン上の消費者レビューやSNSの評判も解析することで、具体的な商品の長所や改善点が浮かび上がり製品改良や販売戦略に即した意思決定をサポート。

このように、Deep Researchを活用することで、企業は貴重な時間とリソースを大幅に節約しながら、戦略的なマーケティングや製品開発に直結する具体的な情報を得ることができるのです。

学術文献や技術論文の調査

学術論文や技術レポートといった幅広い情報源から最新の研究成果を自動的に抽出することも可能です。

通常の検索エンジンでは見落としがちな各文献の引用元を明示したリサーチペーパーを生成することで、情報の信頼性が大幅に向上します。

結果として、論文調査全体のプロセスが効率化され、研究者や技術者は貴重な時間と労力を大幅に節約しつつ、最先端の技術動向を迅速に把握することが可能となるのです。

ネット通販での情報収集や商品比較

ネット通販での製品比較や情報収集において、数百のオンラインソースから製品仕様、価格、評価や口コミなどを自動で収集し、包括的なレポートを生成します。

各情報の出典URLが明示されるため、ユーザーは情報の信頼性を自ら確認でき、安心して参考にすることができます。

さらに、複数の視点から製品の長所や短所、価格推移、ユーザー評価の違いを詳細に比較分析し、家電、ファッション、家具などさまざまな製品の特徴を整理します。

通常は数時間かかる調査作業を、数分から最大30分程度で完了させるため、急ぎの購入検討時にも迅速な意思決定が可能です。

まとめ

ChatGPTの「Deep Research」は、多段階推論を活用した高度なリサーチ機能で、PDFや画像の解析、データ分析など多彩な機能を備えています。

使い方もシンプルで、ChatGPTの画面から簡単にリサーチを実行し、詳細なレポートを受け取ることができます。

市場調査、学術研究、ネット通販の情報収集など、さまざまな場面で活用可能なこのツールを、ぜひ試してみてください。

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