
ChatGPT-4.5は、高精度な対話が可能な最新AIモデルです。
本記事では、進化したChatGPT-4.5の機能やPlusプランでの利用可否、具体的な使い方や料金を解説します。
また、ChatGPT-4.5が無料で使えるのか、旧モデルのGPT-4oや他の推論モデル(o1、o3)との違いも紹介。
さらに、導入方法や活用ポイントも解説するので、これから利用を検討している方にも役立つでしょう。
ChatGPT-4.5とは?機能と特徴を詳しく解説

ChatGPT-4.5は、従来のGPT-4oと比較して、自然言語処理能力や感情理解力がさらに向上した最新モデルです。
本章では、「教師なし学習のスケーリングアップ」「ハルシネーションの抑制」「EQの向上」など、ChatGPT-4.5の進化した機能や特徴を詳しく解説します。
- ChatGPT-4.5の進化した自然言語処理能力
- 教師なし学習のスケーリングアップ
- より深い世界知識と理解でハルシネーションが現象
- 高度なEQと感情理解能力の向上
ChatGPT-4.5の進化した自然言語処理能力
ChatGPT-4.5は、OpenAIが開発した最新のチャットモデルとして、従来のバージョンに比べて大幅な進化を遂げています。
教師なし学習のスケーリングアップによって文脈の把握力が飛躍的に向上し、ユーザーの意図や微妙なニュアンスをより正確に理解できるようになりました。
さらに、質問に対する返答の一貫性が高まり、より自然な会話が実現。
例えば、以下のプロンプトをChatGPT-4.5に入力してみると、文脈を踏まえた回答が返ってくることを確認できます。
昨日、あなたは友人とカフェで楽しい時間を過ごしましたが、帰り際に急な雨に見舞われ、傘を忘れてしまったため困った経験があります。
この体験を踏まえて、「雨の日に備えてどのような準備をしていますか?」という質問に対し、具体的な対策やその時の心情も含めた回答をしてください。

上記のように、過去の体験談と質問がセットになった複雑な文脈に対しても、具体的な対策や気持ちの変化を織り交ぜた返答が得られます。
これにより、ChatGPT-4.5の文脈把握能力や自然な会話が、従来モデル以上に向上していることを実感できるはずです。
一方で、旧モデルにあたる『ChatGPT-4o』で同様のプロンプトを入力すると、アドバイスが表面的になりやすく、深堀りに欠ける印象を受けました。

雨に遭ってしまった当時の焦りや具体的な対処法が十分に言及されず、ユーザーの気持ちに寄り添う部分もやや物足りないと感じられます。
こうした違いからも、ChatGPT-4.5が備える高精度な文脈理解能力の高さを実感できるでしょう。
教師なし学習のスケーリングアップ
ChatGPT-4.5は、大規模なテキストデータを用いた教師なし学習のスケーリングアップによって、従来モデルが抱えていた文脈理解の限界を大幅に克服しています。
以前は、限られたデータセットに依存していたため、複雑な文脈や微妙なニュアンスを十分に捉えられない場面が多々ありました。
しかし、ChatGPT-4.5は多様なジャンルの膨大なテキストからパターンを抽出し、ユーザーの意図や背景をより深く理解することで、長文の会話や複雑な質問に対しても一貫性のある応答を実現しています。
この進化の効果は、公式のベンチマークテストにおいても明確に示されており、たとえば「SimpleQA Accuracy」という指標があります。
SimpleQA Accuracyは、質問に対して正確に回答できた割合を示すもので、つまり、AIがどれだけ正しく質問に答えられるかを測る指標です。
公式データによると、旧モデルであるGPT-4oは約38.2%の精度に留まっていたのに対し、ChatGPT-4.5は約62.5%という高いスコアを記録しています。

これにより、全体としては大幅な性能向上が実現され、ユーザーが求める精度と自然な対話がより確実なものとなっていることが裏付けられています。
複雑な文脈を含む質問に対しても、必要な情報を正確かつ自然な形で返すことが可能となり、その性能は業務効率化やクリエイティブなプロジェクトにおいて大きなアドバンテージとなるでしょう。
より深い世界知識と理解でハルシネーションが現象
ChatGPT-4.5は、現実世界の知識をより正確かつ深く把握するよう設計されており、旧モデルで問題となっていた「ハルシネーション(実在しない情報や誤回答の生成)」の発生率が大幅に低下しています。
実際、GPT-4.5は従来モデルのGPT-4oや他の推論モデル(OpenAI o1やo3-mini)と比較して、より正確かつ一貫性のある応答を示すことがベンチマークでも確認されています。
下のグラフは、SimpleQAにおけるハルシネーション率を比較したものです。

出典:OpenAI
棒の高さが低いほど、虚偽の回答や誤情報が少ないことを示しています。
GPT-4.5の数値が37.1%と最も低く、GPT-4oは61.8%、OpenAI o1が44%、o3-miniでは80.3%となっており、ChatGPT-4.5が他のモデルに比べて大きく誤情報を抑制していることがわかります。
これは、教師なし学習のスケーリングアップによって蓄積された知識を深く理解し、質問の意図や文脈を正しく捉えられるようになった結果といえるでしょう。
誤情報や不正確な回答が減少したことで、ビジネスや教育現場など幅広いシーンでの活用が期待されており、より安全かつ信頼性の高いAIアシスタントとしての可能性がさらに広がっています。
従来のモデルでは対処しきれなかった複雑な文脈にも対応できるため、実際に使ってみると、その差を実感する場面が多いはずです。
高度なEQと感情理解能力の向上
ChatGPT-4.5は、大規模な教師なし学習の導入や演算性能の強化、豊富な語彙の活用を通じて大きく進化しました。
その中でも、ユーザーの感情や心理状態をより正確にとらえる能力が向上し、従来以上に自然で柔軟なコミュニケーションが可能となっています。
文章作成やデザインの発想支援など、さまざまなシーンで「あたかも人間とやり取りしているかのような」温かみのある対話を実感できるでしょう。
さらに、ハルシネーション(虚偽の回答)率も低下したことにより、回答の信頼性が向上しただけでなく、会話の流れやユーザーの意図をくみ取る力が格段に強化されました。
OpenAIが公式に公開している比較例でも、その違いが明確に示されています。
たとえば、「テストに失敗して落ち込んでいる」という同じ題材に対する応答を見てみましょう。(左の原文を右はGoogle翻訳したもの)
この回答では、「失敗があなたのすべてを決めるわけではない」という励ましの言葉とともに、ユーザーの気持ちを受け止める姿勢が強調されています。
さらに、「どういう状況だったのか話してみますか? それとも気を紛らわせる方法を探しますか?」という二択を示し、ユーザーがどのようなサポートを望んでいるのかを探りながら対応している点が特徴です。
日本語に言い換えると、「テストに落ちたらショックですよね。失敗は一瞬のことですし、あなたの価値を決めるわけではありませんよ。何があったのか話してみますか? それとも気を紛らわせたいですか? どちらでもサポートしますよ」というニュアンスになります。
GPT-4oも、冒頭で「大変ですね」と相手の気持ちをくみ取っていますが、その後は「勉強計画を立てる」「先生に相談する」など、比較的実務的なアドバイスが中心です。
もちろん役立つ情報ですが、ChatGPT-4.5のように「まず相手の感情に寄り添って、どんなサポートを望むのかを尋ねる」といった姿勢はやや薄めと言えるでしょう。
このように、同じ悩みに対しても、ChatGPT-4.5は感情面に寄り添いながら具体的なアドバイスを提示し、人間らしい温かみのある応答を実現しています。
テスト失敗のような個人的な悩みだけでなく、ストレスの多い仕事場面や人間関係の相談など、多様なシーンで活用できる可能性が広がっているといえるでしょう。
ChatGPT-4.5の料金プラン!無料ユーザーやPlusプランは使える?

ChatGPT-4.5は、ProプランとPlusプランのユーザー向けに提供されており、料金や無料ユーザーが利用できるかどうかも注目されています。
本章では、各プランの料金体系やAPIの利用料金、無料ユーザーへの提供状況について詳しく紹介します。
- ChatGPT-4.5はProプランとPlusプランで利用可能
- ChatGPT-4.5のAPI料金
ChatGPT-4.5はProプランとPlusプランで利用可能
ChatGPT-4.5は、当初はProプランのユーザー向けに先行リリースされていましたが、現在ではPlusプランのユーザーも利用できるようになりました。
Great day to be a Plus user. pic.twitter.com/d4aIwCK0iq
— OpenAI (@OpenAI) March 5, 2025
Proプラン(月額200ドル)は、最新の機能を常にいち早く試せるというメリットがあり、ビジネスや研究など高い性能と安定性を必要とするユーザーにとっては大きな魅力となっています。
一方で、Plusプラン(月額20ドル)でも、高度な自然言語処理能力を手頃な料金で利用できるようになり、すでに多くのユーザーがGPT-4.5の新機能を体験可能です。
ただし、具体的な利用可能回数や生成トークン数などの制限については、現時点で公式から明確な情報が発表されていないため、今後のアップデートを待つ必要があります。
また、無料ユーザーは現在ChatGPT-4.5を直接利用することができませんが、OpenAIの方針や市場の動向によっては、利用範囲や料金体系が変わる可能性もあります。
そのため、X(旧Twitter)上で、OpenAIの公式アカウントやCEOであるサム・アルトマン氏のアカウントなどを定期的に確認し、最新の情報をこまめにチェックしておくとよいでしょう。
ChatGPT-4.5のAPI料金
ChatGPT-4.5のAPI料金は、以下の通りです。
モデル名 | 入力料金(通常) | 出力料金 |
---|---|---|
GPT-4.5 | $75.00(約11,090円) / 100万トークン | $150.00(約22,180円) / 100万トークン |
この料金は、モデルの規模や性能に応じて設定されており、GPT-4.5は運用や開発のコストが高額であるため、他のモデルよりもAPI料金が高額となっています。
なお、ChatGPT PlusやProプランのサブスクリプション料金には、APIの利用料金は含まれておらず、APIの利用は別途課金されます。
ChatGPT-4.5と旧モデル「GPT 4o」との違いと使い分け

ChatGPT-4.5は、GPT 4oをベースに性能面や感情理解能力を強化した、いわば上位互換のモデルです。
テキストや画像生成の精度が高く、応答の自然さや感情認識能力も向上している一方で、ハルシネーション(誤情報)の発生率が抑えられている点が大きな特徴となっています。
ただし、出力速度はGPT 4oよりやや遅い場合があるため、やり取りのスピードを重視する際は注意が必要です。
また、ボイスモードへの対応はGPT 4oが標準で備えているのに対し、ChatGPT-4.5では現時点で利用できないという違いがあります。
モデル名 | テキスト・画像生成 | ボイスモード | 感情認識能力 | ハルシネーション率 | 出力速度 | API料金 |
---|---|---|---|---|---|---|
GPT-4.5 | ○ | × | 高い | 低い | 遅い | 高い |
GPT-4o | ○ | ○ | 標準 | 標準 | 標準 | 標準 |
機能面では、GPT 4oを使い続けても大きな不便を感じる場面は少ないものの、ChatGPT-4.5はさらに高度な自然言語処理能力と深い感情理解能力を発揮するため、文章や画像生成の精度を重視したい場合には理想的な選択肢です。
ただし、APIの料金はGPT 4oより高額なため、コストを抑えつつ音声機能を活用したいならGPT 4oを選ぶのも一案でしょう。
このように用途や予算に合わせてモデルを選ぶことで、ビジネスからクリエイティブまで、より幅広い場面でのAI活用が期待できます。

ChatGPT-4.5と推論モデルのo1やo3との使い分けや違いは?

ChatGPT-4.5は2025年2月にリリースされたOpenAIの最新大規模言語モデルで、人間の感情を深く理解し、自然な対話を実現することに重点を置いて設計されています。
たとえば、多言語理解を測るベンチマークのMMMLUでは85.1%を記録し、従来のGPT-4o(81.5%)やo3-mini(high、81.1%)を上回る結果が示されています。

出典:OpenAI
また、マルチモーダルタスクのMMMUも74.4%と高い評価を受け、幅広い知識と感情面のケアを両立できることがうかがえるでしょう。
一方、数理分野のAIME ’24では、GPT-4.5が36.7%に留まるのに対し、o3-mini(high)は87.3%という優れたスコアを示しています。
さらに、o3-miniは外部データを渡されると、より的確に考察を展開できるため、数学的な演算や特定のアルゴリズムを重視するタスクにおいて非常に有効です。
結局のところ、どのモデルを使うかは「何を重視したいか」によって変わります。
人間らしい対話や幅広い知識を生かした多角的なアドバイスが必要ならGPT-4.5を、数理分野の精密なタスクや特定領域での高精度を求めるならo1やo3-miniを検討するといった使い分けが有効です。
今後も新しいモデルやアップデートが登場する可能性が高いため、常に最新の情報を追いながら、自分の用途に合った選択をすることが重要と言えるでしょう。

ChatGPT-4.5の始め方と使い方

ChatGPT-4.5を使い始めるには、まずChatGPTのサイトへアクセスし、アカウントにログインした状態でチャット画面を開きます。
画面左上のモデル選択欄から「GPT-4.5」を選ぶと、あとは入力ボックスにテキストを打ち込むだけで、より自然な対話が楽しめるようになります。

たとえば、次のようなプロンプトを送信してみてください。
最近、毎日のルーチンがどうにもマンネリ化していると感じています。通勤や仕事、食事などの習慣に新しい刺激を取り入れ、日常にちょっとした冒険を加えたいのですが、手軽に実践できるアイデアや、新たな視点を持つためのヒントを教えてもらえますか?
すると、ChatGPT-4.5は普段の通勤時間を学びや娯楽に変える方法や、ちょっと視点を変えるだけで新鮮な気づきが得られるヒントなどを具体的に提案してくれます。

実際のやり取りで、電車で通勤する際の「観察ゲーム」や「一日一工夫チャレンジ」というアイデアが挙げられましたが、こうしたアドバイスは日常の些細な場面を楽しく変えるきっかけになるはずです。
もし最初の回答がピンと来なければ、もう少し詳しく「これを変えたい」「ここがうまくいかない」など具体的に伝えてみてください。

すると、ChatGPT-4.5はより深いアドバイスや別の角度からの提案を返してくれます。
こうしたやり取りを重ねることで、ChatGPT-4.5の高度な自然言語処理能力と、ユーザーの気持ちに寄り添うEQの高さを実感できるでしょう。
まとめ
ChatGPT-4.5は、自然言語処理能力や感情理解力が向上し、より正確で自然な対話を実現する最新AIです。
教師なし学習のスケーリングアップによる文脈把握の精度向上や、ハルシネーションの抑制により、従来モデルよりも高い信頼性を備えています。
また、ChatGPT-4.5は、ProプランやPlusプランでの利用が可能ですが、無料ユーザーの利用は現時点ではできません。
最新のAIを活用し、より効率的な業務や創造的なアイデアを実現するために、ChatGPT-4.5の特長や料金体系を理解し、最適なプランを選びましょう。