xAI、新型AIモデル「Grok 4」を正式発表 高度推論・感情表現も可能に

出典:Grok 4 Live Demo / X

米AI企業のxAIは、新型のAIモデル「Grok 4」を正式に発表しました。性能テストでは競合モデルを圧倒する結果を記録しており、幅広い用途への活用が期待されています。

Grok 4は複数の高度なベンチマークにおいて、これまでの水準を大きく超える成果を上げました。極めて難度が高いことで知られる「Humanity’s Last Exam (HLE)」のHeavy版では44.4%のスコアを達成したほか、数学の難関テスト「AIME 2025」でもツールを使用せずに91.7%という高い正答率を記録しています。

さらに大学院レベルの推論を求められるベンチマーク「GPQA」においても87.7%という優れたスコアを獲得し、CEOのイーロン・マスク氏は「すべての分野で大学院生や博士(PhD)レベルに達している」と評価しました。

また、ビジネスシミュレーションにおいても高い成果を示しています。AIが仮想的に自動販売機ビジネスを運営し利益を競う「Vending-Bench」では、Grok 4が平均純資産4,694ドルを達成。これは人間担当者の平均844ドルを5倍以上上回る結果となり、商業用途での有用性も示されました。

出典:Grok 4 Live Demo / X

新たに搭載された音声モードでは、従来比で応答速度が2倍高速化されるとともに、感情表現や歌唱が可能な新ボイス「Eve」を含む計5種類の声が提供されています。音声での応答時間も従来の10倍に増加し、より自然で豊かなコミュニケーションが可能になりました。ただし、現時点で新ボイス「Eve」は日本語には対応していません。

さらに、開発者向けにはAPIの提供も開始されており、「grok-4-0709」というモデル名で本日より利用可能です。APIの料金は100万トークンあたり入力が3ドル、出力が15ドルで、コンテキストウィンドウ(入力可能な情報量)は最大256kトークンと、非常に広範な用途に対応しています。また、関数呼び出し(Function Calling)や構造化出力、高度な推論のほか、マルチモーダル推論やリアルタイムでのWeb検索能力も備えています。

一般ユーザーは、X(旧Twitter)の有料プラン「Premium+」に加入していれば、追加料金なしでGrok 4を利用可能です。また、さらに高度な性能を誇る「Heavy版」にアクセス可能な月額300ドルからの上位プラン「SuperGrok Heavy」も新たに提供されています。


出典:Grok 4 Live Demo / X

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次