
X(旧Twitter)で使える生成AI「Grok」は、スマホからも簡単に画像生成ができることで話題です。
ジブリ風のイラストも作れるとあって注目されたため、Grokでの画像生成のやり方やコツ、料金プランや回数制限に関しても気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事ではGrokを使った画像生成の方法やプロンプトの工夫、商用利用や著作権に関する注意点まで詳しく解説します。
【初心者向け】Grok 画像生成の始め方 – スマホとPCの違いを徹底解説

まずはGrokの基本情報から、基本的な画像生成の流れまで、スマホとPCに分けて解説します。
Grokとは?Xから使える生成AI
Grokは、イーロン・マスク氏が設立したxAI社によって開発された生成AIです。
ChatGPTの対抗馬として2023年に登場し、X(旧Twitter)上に統合されたことで、SNSとAIの融合という新しい体験を実現しました。
一般的な対話型AIとしての機能に加え、リアルタイムの投稿を参照した回答や画像生成など、独自の機能が充実しているのが特徴です。
また、最新の「Grok 3」モデルでは、テキストや画像、Web検索まで対応可能なマルチモーダル型のAIへと進化。
イーロン・マスク氏は「Smartest AI on Earth.(世界で最も賢いAIだ)」と述べています。
Grok 3 release with live demo on Monday night at 8pm PT.
— gorklon rust (@elonmusk) February 16, 2025
Smartest AI on Earth.
名称の「Grok」は「深く理解する・本質的に把握する」という意味を持ち、その名の通り、ユーザーの意図を汲み取って多様な出力を可能にする点が魅力です。
単なるチャットボットを超え、創作や情報収集のツールとしても注目を集めています。

Grokの画像生成機能を使える環境とデバイス
Grokは、X(旧Twitter)と連携して動作する点が特徴の生成AIですが、利用方法は1つではありません。
スマートフォン・タブレットの場合は、Xアプリ内からGrokを起動するのが最も手軽ですが、2024年からはGrok単体のモバイルアプリ(iOS・Android版)も登場し、より独立した形で利用できるようにもなりました。
PCではWebブラウザからX経由でアクセスすることで使用可能なほか、Grok単体のWebサイト(https://grok.com/)から直接使用することも出来ます。
Grok画像生成のやり方(スマホ編)
Grokでの画像生成のやり方はとても簡単で、他の生成AIと同じようにチャット形式で指示するだけです。



Grok画像生成のやり方(PC編)
PC・タブレットからの使い方も流れはほとんど同じです。




画像生成が上手くいかないときは
上手くいかないときの原因と対策を簡単に下の表にまとめました。
自分のイメージ通りの画像が生成されない場合には、プロンプト内容を具体的にしたり、プロンプトを英語に翻訳してみるなども有効です。
カテゴリ / 主な原因 | よくある症状・例 | 対策のポイント |
---|---|---|
1. アクセス制限(レート制限) 無料枠上限・連投による制限 | ・「上限に達しました」 | ・翌日まで待つ ・X Premium / X Premium+ へアップグレード ・短時間の連続生成を控える |
2. ポリシー違反・コンテンツ制限 暴力・ヘイト・性表現・児童・著名人の無断利用 など | ・「ポリシー違反」 メッセージ | ・表現をマイルド化・抽象化 ・固有名詞や人物名を避ける |
3. セッション / アプリの不具合 コンテキスト超過・旧バージョン・混雑 | ・画像生成が出来ない ・応答が途中で途切れる ・プレビューが表示されない | ・アプリを最新版に更新 ・新しいチャットに切り替える ・ブラウザ版 grok.com へ切替え ・低負荷時間帯に再試行 |
Grok 画像生成は無料?料金・回数制限・APIを一覧比較

Grokは無料でも使える一方、X Premiumなど有料プランへの加入やAPI利用によって制限が緩和されます。
利用制限やプランの違いをわかりやすく整理してご紹介します。
無料で画像生成できる範囲と回数制限
Grokは、X(旧Twitter)のアカウントを持っていれば無料でも画像生成を試すことができます。
ただし、無料ユーザーには1日あたりの生成回数に制限があります(具体的な数値は非公開)。
これらの制限は、「X Premium」などの有料プランに加入することで大幅に緩和されます。
また、有料プランでは応答の速度や安定性も向上します。
さらに上位プランの「X Premium +」では、広告の非表示や返信優遇などの機能に加え、Grokの画像生成も実質的に無制限で活用できるようになります。
ただ、あくまでも画像生成をはじめGrok単体で生成AIとしての機能をたくさん利用したい、という場合はX経由である必要はないので、Xの有料プランではなくGrok単体のプラン(grok.comや専用アプリで使うユーザー向けのサブスクリプション)を検討した方がコストパフォーマンスが良い場合もあるかもしれません。
なお、Xの最安有料プランである「Basic」プランに関しては、Grokに関しては何も特典が無いため注意してください。
下記の表にスマホの場合におけるGrokの使用プランと料金(※iOSアプリ経由の場合)および特徴をまとめました。
プラン | 料金 ※iOSアプリ経由 | 画像生成 | テキスト質問 | 主な特徴 |
---|---|---|---|---|
無料ユーザー | 無料 | 制限あり | 制限あり | Grok 3 利用可 |
X Premium | 月額 ¥1,380 年額 ¥14,300 | 大幅緩和 | 大幅緩和 | レート制限が大幅緩和 応答速度・精度向上 |
X Premium+ | 月額 ¥8,000 年額 ¥80,000 | 実質無制限 | 実質無制限 | Grok の新機能へ最速アクセス 高負荷時も優先処理 |
xAI SuperGrok | 月額 ¥5,000 年額 ¥50,000 | 無制限 | 無制限 | grok.com 専用プラン DeepSearch / 高度推論が使い放題 ※X 上で使う場合は Premium+ 併用加入が必要のため注意 |
エンタープライズ API | 従量課金 (要問い合わせ) | 契約次第 | 契約次第 | 開発者向け API キー提供 サービス組み込み用途 |
API経由の利用や法人向け活用
Grokは個人ユーザー向けのXアプリ内利用だけでなく、API経由での活用も可能です。
xAIは法人や開発者向けにGrokのAPI提供を開始しており、これにより独自のアプリケーションや業務システムにGrokの画像生成機能を組み込むことができます。
Grok 3: Now available on the API
We’re proud to bring Grok 3 to the API, our newest and most intelligent family of large language models. Make your first API call in seconds.
(訳:Grok 3をAPIに提供できることを誇りに思います。Grok 3は、当社の最新かつ最もインテリジェントな大規模言語モデル・ファミリーです。最初のAPIコールは数秒で完了します。)
出典:xAI Documentation
利用は従量課金制で、問い合わせベースでの導入となりますが、高精度な画像生成を自社プロダクトに統合できる点が魅力です。
特にマーケティング、クリエイティブ制作、顧客サポートの自動化など、ビジネス用途でのAI活用を検討している企業にとって、有力な選択肢となるでしょう。
Grokの画像生成でジブリ風の作り方!プロンプト例も紹介

Grokを使えば話題のジブリ風イラスト(ジブリフィケーション)を生成することも可能です。
ジブリ風を再現するためのプロンプト例
写真などをジブリ風に変換する場合には、画像をアップロードし、「この画像をジブリ風のイラストにして」とお願いするだけでOKです。

ジブリ風のイラスト生成が話題となり始めた際、イーロン・マスク氏自身もジブリ風(とディズニーキャラクターの組み合わせ)のAI生成画像とみられる画像を自身のXにポストして話題になっていました。

また、下の例のように、景色などのイメージを具体的に伝え、「ジブリ風で」として指定することでジブリ風のイラストを作成することも出来ます。
以下の画像をジブリ風に生成して
緑の大地と巨大な風車の塔。空には金色の雲が流れ、小さな飛行艇が飛ぶ。草原には赤い服を着た少女が立ち、風に吹かれながら空を見上げている。遠くには崩れかけた石の神殿と光る古代文字が刻まれた岩。

ジブリ風以外の活用方法も
Grokでの楽しみ方はジブリ風だけにとどまりません。
現状では、Grokは他の画像生成AIに比べてスタイル模倣に関する制限が緩いと言われており、ディズニー風など、幅広い作風のプロンプトが通りやすいのが特徴です。
例えば、「ディズニーの3Dアニメ風にして」「鳥山明風の作画にして」などと指示すると下のような画像を生成することができます。
「ディズニーの3Dアニメ風」

「鳥山明風」

そのため、創作の幅が広がり、SNS映えを狙った実験やネタ系イラストの投稿にも活用されています。
ただし、2025年以降、Grokでも今後プロンプト制限が強化される可能性はあるため、今のうちに試しておきたいテーマがあれば、試してみてはいかがでしょうか。
Grokの画像生成における著作権とガイドラインの注意点

生成された画像をSNSでシェアしたり商用利用したりする際には、著作権や利用規約への理解が欠かせません。
Grokだけではなく、生成AIを安心して使うために知っておくべきポイントを解説します。
商用利用は可能?著作権・肖像権とガイドラインのポイント
Grokで生成した画像は、下に示す原文の通り、基本的にユーザーが自由に利用できるとxAIが明示しており、商用利用も含めて認められています。
Who owns the inputs to and outputs from Grok?
You own the Inputs and Outputs.
You are free to use Grok’s Outputs (including generated images) from your conversations as you wish, including for commercial use. You own Grok’s Outputs and you grant xAI certain use rights pursuant to xAI’s Consumer Terms.(訳:インプットとアウトプットはお客様の所有物です。お客様は、会話から得られるGrokのアウトプット(生成された画像を含む)を、商業利用を含め、自由に使用することができます。お客様はGrokのアウトプットを所有し、xAIの消費者規約に従ってxAIに一定の使用権を付与します。)
出典:xAI Consumer FAQs
ただし、これは「著作権が完全にあなたに帰属する」という意味ではなく、xAI側にも非独占的な利用権が残る形になります。
それでは、「ジブリ風」「ディズニー風」など特定の作風を真似た画像は法律上問題ないのでしょうか?
結論としては、日本の著作権法において「作風(スタイル)」そのものは保護対象ではないため、ジブリ風だからNGということはありません。
実際、文部科学省も、これは懸念すべき事項だとしながらも、「絵のタッチが似ているだけでは著作権侵害にならない」という趣旨の公式見解を2024年に出しています。
作風や画風といったアイデア等が類似するにとどまり、既存の著作物との類似性が認められない生成物は、これを生成・利用したとしても、既存の著作物との関係で著作権侵害とはならない。
出典:「AI と著作権に関する考え方について」- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会
したがって、ジブリ風やディズニー風といった特定の「作風の模倣」は合法であると考えられています。
ただし、具体的なキャラクターやロゴ、その類似物の描写は著作権・商標権の侵害となるリスクがあるため要注意です。
例えば「ジブリ風のスタイル」はOKですが、トトロやキキなどの既存キャラクターそのものを生成した画像はアウトです。
また、人物画像をもとに生成する場合には、その人物から事前に許可を得る必要があるという事がxAIのガイドライン(下記)から読み取ることができ、他人の撮影した写真や他人の画像を無断で変換・加工・利用するのも問題があります。
You are responsible for Content, including ensuring that it does not violate any applicable law or these Terms. You represent and warrant that you have all rights, licenses, and permissions needed to provide Input to our Service.
(訳:利用者は、コンテンツが適用法または本規約に違反していないことを確認することを含め、コンテンツに責任を負うものとします。利用者は、当社サービスに入力を提供するために必要なすべての権利、ライセンス、および許可を有していることを表明し、保証するものとします。)
出典:xAI – Terms of Service – Consumer
SNS投稿やXでのシェア時に気を付けたいこと
Grokで生成した画像をSNSに投稿する際は、他者の権利や社会的配慮に注意しましょう。
特定の人物の写真をもとにした生成画像は、本人の承諾がないまま投稿すると肖像権やプライバシー侵害のリスクがあります。
また、著作権に関わるキャラクターや素材を含んだ画像は、たとえスタイルが変わっていても公開・拡散によってトラブルを招く可能性があるため慎重に扱うべきです。
公共性の高いX(旧Twitter)では特に配慮が必要で、現実には緩く運用されている部分もありますが、肖像権やプライバシーを侵害しないよう十分な配慮が求められます。
Grokは他のAIツールに比べて画像生成の自由度が高い分、ユーザー側の責任と倫理意識も問われます。
創作の自由を楽しみつつ、他者の権利を尊重する姿勢を忘れないようにしましょう。
まとめ
Grokは、xAIが開発する注目の生成AIで、スマホでも直感的に画像生成が楽しめるのが最大の魅力です。
特に「ジブリ風」のような世界観を再現した画像を作りたい人にとって、プロンプト次第で高クオリティな出力が可能な点は大きな強みと言えるでしょう。
さらに、Grokは他の生成AIと比べてスタイル模倣に対する制限が比較的ゆるく、創作の幅が広がるという特徴もあります。
一方で、画像生成に関する著作権や使用ルールには最低限の注意が必要です。
適切な使い方を理解すれば、SNSで注目されるような画像を誰でも簡単に生み出せます。
安全かつクリエイティブに活用して、自分だけの世界観を広げていきましょう。