OpenAI、営利化計画を撤回し新たな企業形態へ移行

OpenAIは、非営利団体から営利団体へと転換する計画を断念しました。同機関はこれまで非営利団体として設立され、その管理下に営利法人(LLC)がありましたが、今後も引き続き非営利団体の管理下で運営されます。

今回の発表では、営利法人の形態を、公益性を重視した企業である「パブリック・ベネフィット・コーポレーション(PBC)」へと変更するとしています。PBCとは、株主利益だけでなく社会的使命を果たすことを求められる法人のことで、すでにAnthropic(アンスロピック)やxAI(エックスAI)といった他のAI企業でも採用されています。

OpenAIは以前、複雑な「利益制限型」の資本構造を採用していましたが、AGI(汎用人工知能)開発競争が激しくなり、多くの競合企業が参入した現在の状況に適していないと判断。標準的な資本構造へ移行することで、経営や資金調達をシンプルにする狙いがあります。

今回の決定は、カリフォルニア州とデラウェア州の司法長官や市民リーダーらとの協議を経て行われました。CEOのサム・アルトマン氏は、「OpenAIは普通の企業ではなく、今後もそうなることはありません。私たちの使命はあくまでもAGIを通じて全人類に利益をもたらすことです」と述べています。

OpenAIは今後、PBCとして利益を追求しつつも、非営利団体が引き続きその運営を監督すると同時に主要株主として関与します。これにより、非営利団体は得られた資源を活用して、保健、教育、公共サービス、科学的研究などの社会的な分野に幅広く貢献できるとしています。

アルトマン氏は、AIの普及により人々が創造的な活動を推進し、生活の質を向上させることが可能になると強調しました。OpenAIは今回の新体制を通じ、AI技術の民主的な活用と安全な発展を両立させることで、社会に大きな利益をもたらしたい考えです。


出典:Evolving OpenAI’s structure | OpenAI

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