
米ウェブアプリケーションプラットフォーム企業のVercel(バーセル)は2025年4月9日チャットボット開発向けの新たなテンプレート「Chat SDK」をリリースしました。
Chat SDKはオープンソースで無料提供され、ChatGPTやClaudeのような本格的な対話型AIアプリケーションを迅速かつ容易に構築できることが特長です。
Chat SDKは、Vercelが提供するAI SDKをベースに構築されており、Next.jsの最新技術「App Router」を採用しています。
これにより、ユーザーは好みのAIモデルやプロバイダーを自由に選び、自分のアプリケーション全体に統合可能です。また、最新技術への対応が継続的に行われるため、常に最先端の機能を利用できます。
このテンプレートは、メッセージの永続化、認証、マルチモーダル対応、チャットの共有といった基本機能に加え、「生成UI(Generative UI)」「カスタマイズ可能なアーティファクト」「ブラウザ内でのコード実行」などの高度な機能も搭載しています。
特に生成UIでは、シンプルなテキスト応答にとどまらず、会話の文脈に応じてインタラクティブで動的なインターフェースの作成が可能です。

さらに、カスタマイズ可能なアーティファクトにより、ドキュメント作成や業務専用のインタラクティブツールなどを用途に合わせて柔軟に構築できます。
ブラウザ内でのコード実行機能については、WebAssembly(WASM)やPyodideを利用して、ブラウザ上で直接コードを書き込み実行できる仕組みを導入しました。
このため、従来必要だったサンドボックス環境を別途構築する手間が省けます。

また、開発者向けの詳細なドキュメントが公開されており、プロジェクトのセットアップ方法、テーマやフォントのカスタマイズ方法、独自のアーティファクト構築、テスト戦略、最新機能導入時の移行方法などが包括的に説明されています。
Vercelは「Chat SDKを利用することで、個人プロジェクトから大規模な企業向けソリューションまで、多様なチャットアプリケーションを迅速に開発できる」としています。