Googleは、GmailやDocs、Sheets、Meetを含むWorkspaceアプリケーションで提供しているAI機能を、追加料金なしで利用可能にすることを発表しました。
これにより、これまで月額20ドルの「Gemini Business」プランを契約したユーザーのみが利用できた高度なAI機能が、全ユーザーに対して無料で開放されます。
この決定は、MicrosoftやOpenAIといった競合他社とのAI開発競争を意識したものと考えられます。
ただし、無料化には条件があります。
Googleは同時にWorkspace全プランの価格を引き上げることを明らかにしました。
これにより、基本サブスクリプションの料金が月額12ドルから14ドルに増加します。
Googleのクラウドアプリケーション部門社長であるジェリー・ディシュラー氏によれば、企業は以前よりもユーザーごとに月額約2ドル多く支払うことになりますが、それ以上の価値をAI機能がもたらすとしています。
今回の変更で利用可能となるAI機能には、Gmailでのメール要約、自動デザイン生成ツール、会議の自動ノート作成機能、強力なリサーチアシスタントであるNotebookLM、そしてライティング支援ツールなど、多岐にわたるものが含まれます。
また、Googleが提供する最も強力なAIツール「Geminiボット」へのアクセスも可能です。
このボットは、一般的なチャットボットの機能を超え、ユーザーのデータを横断的に検索するなど、より高度なサポートを提供します。
ディシュラー氏は、「多くの企業がAI導入に二の足を踏む主な理由はコストにあります。今回の無料化と価格改定により、この障壁を取り除き、AIの価値を実感してもらいたい」と述べています。
さらに、今後はAI機能をさらに充実させ、各アプリケーションへの統合を加速させる計画があるとのことです。
この動きは、MicrosoftがAI機能「Copilot Pro」をMicrosoft 365の一部として標準提供する流れに続くものです。
AIを活用した新しい生産性向上ツールをいかに多くのユーザーに届けるかが、現在のB2B市場での重要な課題となっています。
出典:The future of AI-powered work for every business | Google Workspace Blog
出典:Google Workspace AI is now free to paying business customers – The Verge